業務が複雑化し、チームメンバーごとの進捗や優先度を把握するのが難しい――そんな課題を抱えていませんか。
近年注目されているのが「カンバン方式」を取り入れたタスク管理です。その代表的なツールがTrello(トレロ)

シンプルな操作で「ToDo・進行中・完了」といった状況をひと目で確認でき、個人のタスク管理からチーム全体のプロジェクト進行まで幅広く活用されています。

しかし、いざ導入しようとすると「基本の使い方は?」「チームで定着させるには?」「他のツールとどう違うの?」と疑問が出てきがちです。

本記事では、Trelloを活用したカンバン方式のタスク管理の始め方から、チームでの運用、便利機能、他ツールとの比較までを網羅的に解説します。さらに、導入を全社的に展開する際に必要となる「教育・研修」の視点もあわせて紹介。

読み終えたときには、Trelloをスムーズに業務に取り入れ、チームや組織で成果を上げるための具体的なステップが明確になるはずです。

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目次
  1. Trelloとは?基本機能と特徴
    1. 基本の構成要素
    2. 主な特徴
  2. カンバン方式のタスク管理とは
    1. 基本の流れ
    2. カンバン方式のメリット
    3. マネージャー視点での効果
  3. Trelloの基本的な使い方(個人編)
    1. Step1.アカウントを作成し、ボードを作る
    2. Step2.リストを作成する
    3. Step3.タスクをカードで追加
    4. Step4.優先度や期限を設定する
    5. Step5.進捗に応じてカードを移動する
    6. ポイント:まずは「シンプル3列」で始める
  4. チームでのTrello活用方法(導入フェーズ別)
    1. 導入初期:小さく始めてルールを決める
    2. 定着期:会議・進捗共有に組み込む
    3. 成熟期:自動化・外部ツール連携を活用
    4. よくある失敗例と解決策
  5. Trelloの便利機能・応用的な使い方
    1. ①チェックリストでタスクを細分化
    2. ②ラベル・フィルタで優先度を管理
    3. ③コメント・添付ファイルで情報共有
    4. ④ガントチャートや工数管理(外部アドオン)
    5. ⑤自動化(Butler)で作業効率化
    6. ⑥生成AIとの組み合わせ
  6. 他のタスク管理ツールとの比較
    1. Asana:大規模チームでの進捗管理に強い
    2. Notion:ドキュメントとタスクを一元管理
    3. Backlog:IT・開発部門に強い国産ツール
    4. Trello:カンバン方式に特化したシンプル設計
    5. ツール選びの基準
  7. Trello活用を成功させるコツ
    1. ①まずは「シンプル3列」で始める
    2. ②ラベルやフィルタで整理を徹底する
    3. ③定例会議でボードを活用する
    4. ④タスク停滞を定期的に棚卸しする
    5. ⑤定着のカギは教育と研修
  8. Trello導入を全社に広げるには?
    1. よくある課題
    2. 全社展開を成功させるポイント
    3. 生成AI研修とのシナジー
  9. まとめ|Trelloで始めるシンプルなタスク管理と全社展開のポイント

Trelloとは?基本機能と特徴

Trello(トレロ)は、世界中で利用されているクラウド型のタスク管理ツールです。特徴はシンプルさと直感的な操作性。カードをドラッグ&ドロップするだけでタスクの進捗を管理できるため、カンバン方式によるタスク管理を気軽に始められます。

基本の構成要素

  • ボード:プロジェクトやチーム単位で作成する大枠
  • リスト:進捗状況やカテゴリーを表す列(例:「ToDo」「進行中」「完了」)
  • カード:実際のタスク。タイトルや説明、期限、担当者、チェックリストを設定可能

主な特徴

  1. 視覚的に進捗を把握できる
    →カードがどのリストにあるか一目で分かり、遅れているタスクやボトルネックが見える。
  2. 操作が直感的でシンプル
    →マウス操作でカードを移動でき、誰でもすぐに使い始められる。
  3. 個人からチームまで幅広く活用可能
    →個人のToDoリスト管理から、数十人規模のプロジェクト進行まで対応。
  4. 拡張性の高さ
    →GoogleカレンダーやSlackと連携できる「Power-Up」、自動化を実現する「Butler」などで柔軟に拡張できる。

こうした特徴から、Trelloは「まず試してみたいタスク管理ツール」として人気が高く、スタートアップから大企業まで幅広い組織で導入されています。

カンバン方式のタスク管理とは

Trelloの最大の特徴は、「カンバン方式(Kanban)」をベースにしていることです。
カンバン方式とは、製造業の現場から生まれたタスク管理の考え方で、作業をカードに書き出し「どの状態にあるか」をボード上で見える化する仕組みです。

基本の流れ

  • ToDo(これから着手する作業)
  • 進行中(現在取り組んでいる作業)
  • 完了(終わった作業)

この3列をベースに、タスクをカードとして移動させていきます。
進捗が視覚的に把握できるため、チーム全員が「いま誰が何を進めているのか」「どこで作業が滞っているのか」をすぐに理解できます。

カンバン方式のメリット

  1. 進捗の見える化
    プロジェクト全体の状況を一目で把握でき、遅延や負担の偏りが分かりやすい。
  2. タスクの滞留が見える
    「進行中」にタスクが溜まっている=ボトルネックの発見につながる。
  3. シンプルだから続けやすい
    専門知識がなくても運用可能。ツールの習熟コストが低い。

マネージャー視点での効果

  • 部下ごとの業務負荷を把握しやすい
  • 属人化のリスクを軽減できる
  • 会議での進捗確認にそのまま使える

このように、カンバン方式は「個人のタスク管理」だけでなく「チーム全体の業務効率化」に直結する考え方です。
そして、Trelloはこの仕組みを最もシンプルに実現できるツールといえます。

Trelloの基本的な使い方(個人編)

Trelloは直感的に操作できるのが強みですが、最初の設定を正しく整えることで運用がぐっとスムーズになります。ここでは、個人でタスク管理を始める際の基本的な手順を紹介します。

Step1.アカウントを作成し、ボードを作る

  • Trelloにアクセスし、Googleアカウントなどで無料登録
  • プロジェクトや用途に応じた「ボード」を新規作成

Step2.リストを作成する

  • ボード内に「ToDo」「進行中」「完了」といったリストを作成
  • 必要に応じて「アイデア」「保留」など独自の列を追加することも可能

Step3.タスクをカードで追加

  • 各リストに「カード」を作り、タスクを記入
  • カードにはタイトルのほか、詳細説明・期限・担当者を設定できる

Step4.優先度や期限を設定する

  • 締切日を登録すれば、リマインダー通知で抜け漏れ防止
  • ラベル機能を使えば「優先度」「カテゴリー」で色分け可能

Step5.進捗に応じてカードを移動する

  • タスクの進行状況に応じてカードをドラッグ&ドロップ
  • 完了したタスクは「完了リスト」に移動し、達成感を可視化できる

ポイント:まずは「シンプル3列」で始める

初心者は機能を使い込みすぎると逆に続きません。
最初は「ToDo」「進行中」「完了」だけの3列構成に絞って運用するのがおすすめです。
慣れてきたら「優先度」「アイデア」などの列を追加して、自分に合った形にカスタマイズしていきましょう。

チームでのTrello活用方法(導入フェーズ別)

Trelloは個人利用だけでなく、チーム全体のタスク管理にも力を発揮します。
ただし、いきなり全員に使わせても定着しないことが多いもの。導入から定着までをフェーズごとに整理するとスムーズです。

導入初期:小さく始めてルールを決める

  • 部署や小チーム単位でテスト導入
  • リスト名やカードの書き方を統一(例:「期限日必須」「担当者タグを必ず設定」)
  • まずは「3列ボード」で運用し、全員が使い慣れることを重視

定着期:会議・進捗共有に組み込む

  • 定例ミーティングでボードをそのまま進捗確認に活用
  • コメント機能で議事録代わりに活用するチームも多い
  • 通知機能やカレンダー連携を使い、進捗漏れを防止

成熟期:自動化・外部ツール連携を活用

  • Butlerを使って「期限が近づいたら自動でリスト移動」などを設定
  • Slack連携でタスク更新をリアルタイム共有
  • Googleカレンダー連携でスケジュール管理と統合

よくある失敗例と解決策

  • 放置されるボード→定例会議で必ず確認する運用にする
  • 情報過多で見にくい→ラベルやフィルタで整理し、不要カードはアーカイブへ
  • 一部メンバーしか使わない→最初に運用ルールを簡単に研修し、全員が同じ前提で使える状態を作る

Trelloの便利機能・応用的な使い方

基本的な「3列ボード」運用に慣れたら、Trelloの便利機能を活用することで、さらに効率的なタスク管理が実現できます。

①チェックリストでタスクを細分化

1つのカードに複数の小タスクを入れられるチェックリスト機能。

例:「資料作成」のカードに「構成案作成」「デザイン確認」「最終レビュー」を追加すれば、進捗を細かく可視化できます。

②ラベル・フィルタで優先度を管理

  • 色付きラベルで「高優先度」「低優先度」や「営業」「開発」などを分類
  • フィルタ機能で特定のラベルや担当者だけを絞り込み表示

③コメント・添付ファイルで情報共有

  • 各カードにコメントを残すことで、議論や指示を一元管理
  • 資料や画像をカードに添付すれば、情報が分散せずチーム全体で共有可能

④ガントチャートや工数管理(外部アドオン)

  • Trello単体ではスケジュール全体の可視化が弱い
  • PlanywayBigPictureなどのPower-Upを追加すれば、ガントチャート表示や工数管理も可能

⑤自動化(Butler)で作業効率化

  • 「期限が近づいたらラベルを自動付与」
  • 「カードを完了リストに移したら通知を送信」
  • 定型作業を自動化すれば、手間の削減とミス防止につながる

⑥生成AIとの組み合わせ

最近では、ChatGPTやGeminiなどの生成AIとTrelloを組み合わせる企業も増えています。

  • 会議議事録をAIで要約し、自動でTrelloカード化
  • メールの内容をAIが整理し、対応タスクとして登録
  • AIでタスク内容を分類・優先度付けしてラベル管理

Trello単体の便利機能に加え、生成AIを組み合わせることで「属人化の防止」「情報整理の効率化」「意思決定のスピードアップ」が実現できます。

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他のタスク管理ツールとの比較

Trelloはシンプルで直感的に使えるのが魅力ですが、他にも多様なタスク管理ツールがあります。ここでは代表的なツールと比較し、それぞれの特徴を整理します。

Asana:大規模チームでの進捗管理に強い

  • プロジェクト全体のタスクを「リスト」「ボード」「タイムライン」など複数のビューで管理可能
  • 依存関係や進捗レポート機能が豊富で、大規模プロジェクトに向く
  • 学習コストがやや高め

中小企業では機能過多になるケースも多く、「まずシンプルに始めたい」場合はTrelloのほうが適している。

Notion:ドキュメントとタスクを一元管理

  • メモ、Wiki、データベースとタスク管理を一体化できる
  • ドキュメント文化が強い組織に向いている
  • カスタマイズ性は高いが、運用ルールが複雑になりがち

タスク管理特化というより情報管理ツール。
Trelloは「プロジェクト進行管理をシンプルにしたい」ニーズに最適。

Backlog:IT・開発部門に強い国産ツール

  • 課題管理、バージョン管理、Wiki、ガントチャートが一体化
  • エンジニア部門やシステム開発の現場で広く利用
  • 非エンジニアには少し複雑に感じられることも

ITプロジェクト以外(営業、管理部門など)にはTrelloのほうが直感的で導入しやすい。

Trello:カンバン方式に特化したシンプル設計

  • カードを移動させるだけの直感的操作
  • 無料でも十分活用できる
  • 外部連携・自動化機能で柔軟に拡張可能

ツール選びの基準

  • 大規模・複雑なプロジェクト→AsanaやBacklog
  • 情報共有を重視→Notion
  • シンプルなタスク進行管理から始めたい→Trello

特に、タスク管理をこれから導入する中堅企業や、複数部署での業務整理を進めたい組織にとって、Trelloは最初の一歩として最適です。

さらに生成AIを組み合わせれば、タスクの入力や優先度付けを自動化でき、ツールの枠を超えた生産性向上が実現します。

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Trello活用を成功させるコツ

Trelloはシンプルで使いやすいツールですが、導入後に定着せず「最初だけ使って終わってしまう」ケースも少なくありません。ここでは、運用を継続し成果につなげるためのコツを紹介します。

①まずは「シンプル3列」で始める

  • 初期段階からリストを増やしすぎない
  • 「ToDo」「進行中」「完了」の3列に絞り、全員が慣れることを優先
  • シンプルだからこそ日常的に利用しやすくなる

②ラベルやフィルタで整理を徹底する

  • ラベルを「優先度」「部門」「タスク種類」で統一して運用
  • フィルタ機能を使い、会議では「高優先度だけ表示」などメリハリをつける
  • タスクが乱立するのを防ぎ、可視性を維持できる

③定例会議でボードを活用する

  • 会議資料を別途作るのではなく、Trelloのボードをそのまま使う
  • 会議での進捗確認がそのままタスク更新につながり、形骸化を防止
  • メンバーが自然と「Trelloを見れば最新情報が分かる」と思える状態を作る

④タスク停滞を定期的に棚卸しする

  • 「進行中」に溜まっているカードを確認し、滞留の原因を分析
  • 優先度の見直しやリソース再配分を行う
  • 属人化している業務を洗い出すきっかけにもなる

関連記事:「業務過多」を解消する業務整理のすすめ|棚卸し・再設計の5ステップを解説

⑤定着のカギは教育と研修

  • Trello自体はシンプルでも、運用ルールが共有されていなければ定着しない
  • 導入初期に「使い方研修」や「ガイドライン整備」を行うことで利用率が高まる
  • 特にチーム規模が大きくなるほど「研修」の重要性が増す

このように、Trelloは「導入のしやすさ」と「続けやすさ」が魅力ですが、成功にはちょっとした工夫と運用ルールづくりが欠かせません。

Trello導入を全社に広げるには?

Trelloは個人や小チームで始めやすいツールですが、全社的に定着させるとなると新たな課題が生まれます。
部署単位ではうまく使えても、全社規模になると「リテラシーの差」や「属人化」といった問題が表面化するのです。

よくある課題

  • リテラシーのばらつき:一部メンバーは慣れているが、他は抵抗感が強い
  • ルールが統一されない:部署ごとに運用が異なり、情報が分断される
  • 属人化:一部の担当者だけが管理し、他メンバーが参照しなくなる
  • 活用が続かない:最初は盛り上がっても、3か月後には更新が止まる

全社展開を成功させるポイント

  1. 導入ガイドラインの整備
    • ボード命名ルール、カード作成ルール、ラベル体系を標準化
    • これにより、部署をまたいでも同じ形式で情報を把握できる
  2. 段階的な展開
    • まずは一部部署で成功事例をつくり、その後ほかの部署へ展開
    • 成果が可視化されれば、社内での理解と協力を得やすい
  3. 教育・研修の実施
    • Trelloの基本操作だけでなく、業務の進め方そのものを見直す研修を行う
    • 特にマネージャー層が「どうチーム運営に組み込むか」を学ぶことが定着のカギ

生成AI研修とのシナジー

Trelloのようなタスク管理ツールを全社で浸透させるには、単なるツール操作の習得に留まらない「AIリテラシーの底上げ」が欠かせません。

  • 会議議事録をAIで要約→Trelloカードに自動反映
  • メールの要件をAIが整理→タスクとして登録
  • 停滞タスクをAIが分析→マネージャーに改善提案

このように、生成AIと組み合わせることでTrelloの効果は数倍に拡大します。

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まとめ|Trelloで始めるシンプルなタスク管理と全社展開のポイント

本記事では「タスク管理Trello」をテーマに、基本の使い方からチーム活用、全社展開までを解説しました。

  • Trelloはカンバン方式で進捗を見える化できるシンプルなツール
  • 個人利用は「3列ボード」で十分。慣れたらラベル・チェックリスト・自動化を活用
  • チーム活用ではルール統一・定例会議への組み込みが成功のカギ
  • 全社展開には研修・教育が不可欠。生成AIと組み合わせれば効果は数倍に

ツール導入はゴールではなく、「定着して業務の仕組みを変えること」が本当の目的です。
Trelloの導入をきっかけに、チームや組織の働き方を改善し、さらに生成AIを組み合わせることで、生産性向上のインパクトを大きく広げられます。

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Q
Trelloは無料でどこまで使えますか?
A

無料プランでもボード・リスト・カードといった基本機能は十分に利用できます。小規模チームでのタスク管理なら無料でも問題ありません。大規模運用や高度な権限管理、外部連携を強化する場合は有料プランがおすすめです。

Q
TrelloとExcelのタスク管理はどう違いますか?
A

Excelはリスト型で進捗を手作業で更新する必要があります。一方、Trelloはカードをドラッグ&ドロップするだけで進捗管理が可能で、直感的に「いまどの状態か」を把握できます。更新や共有も自動的に反映されるため、チーム利用に適しています。

Q
チームでTrelloを使うときの注意点は?
A

部署ごとにルールがバラバラになると混乱の原因になります。リスト名やラベルの使い方を標準化し、会議でボードを活用するなど「業務フローに組み込む」ことが定着のポイントです。

Q
Trelloはどんな会社・チームに向いていますか?
A

初めてタスク管理ツールを導入する中小~中堅企業、リモートワークや複数部署での情報共有に課題を感じている組織に特に向いています。シンプルな操作性のため、ITリテラシーが高くない社員でも使いやすいのがメリットです。

Q
Trelloと生成AIを組み合わせると何ができますか?
A

会議議事録をAIが要約して自動でカード化したり、メール内容をタスク化したりできます。また、停滞タスクをAIが分析して改善提案を出すなど、属人化の防止と生産性向上に役立ちます。

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