「Copilotを試したい。でも、無料で十分なのか?」「有料にする価値は本当にあるの?」
導入を検討する段階で多くの企業がこの壁に直面します。実際、無料版でもGPT-4をベースにしたチャットや要約、画像生成などは可能です。個人での検証やライトな業務なら、十分に使える場面もあるでしょう。
しかし、「業務レベル」で活用するとなると話は別です。Microsoft 365 CopilotやCopilot Proといった有料プランでは、Word・Excel・Teamsとの連携、セキュリティ対応、商用利用の許可など、本番導入に不可欠な機能が備わっています。
そこで本記事では、Copilotの無料版と有料版の違いを徹底比較。 「どこまで無料でできるのか」「どんな業務なら有料が必要か」「あなたの会社に合うプランはどれか」を、法人視点で分かりやすく解説します。
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Copilotとは?無料・有料の違いを知る前に種類を整理しよう
「無料で使えるCopilotがある」と聞いて試してみたものの、「あれ、Wordでは動かない?」「Pro版とは別?」と混乱した経験はありませんか?
Copilotは現在、複数の名称・プラン・対象ユーザーが混在しており、無料版・有料版の違いを理解する前に、どのCopilotを指しているのかを整理する必要があります。
そこでまずは、Copilotの主要なラインナップを法人利用を前提にした視点で分類してみましょう。
法人利用で押さえるべき「Copilotの3タイプ」
以下の表では、Copilotの代表的な3種類について、主な対象ユーザーや特徴を簡潔に整理しました。
種類 | 主な対象ユーザー | 利用目的・連携アプリ | 有料プランの名称 |
GitHub Copilot | エンジニア/開発職 | コーディング支援(VSCode、Visual Studio) | GitHub Copilot(個人・企業向け) |
Copilot Pro | 一般個人ユーザー | Word/Excel/Outlookなどの生成AI補助 | Copilot Pro(月額制) |
Microsoft 365 Copilot | 法人・組織全体 | Word/Excel/Teams等との高度な連携+管理機能 | Microsoft 365 Copilot(法人契約) |
このように「Copilot」と一言で言っても、用途も対象もまったく異なる3つのサービスが存在しており、それぞれに無料枠と有料枠が存在する構造になっています。
なぜ種類を整理することが重要なのか?
Copilot導入を検討する多くの企業が、次のような誤解に陥ってしまうことがあります。
「無料でWordやExcelで使えると思っていた」
「個人契約でも法人利用できると思っていた」
「とりあえずProにすれば十分だと思っていた」
しかし実際には、無料で提供されているCopilotの多くは機能が限定されており、業務用途・法人利用を前提とするなら「Microsoft 365 Copilot」こそが主戦場になります。
Copilotを本格的に使うなら、「何を目的に」「誰が使うのか」「どのアプリで使いたいのか」から逆算してプランを選ぶ必要があるのです。
Copilotの種類ごとの具体的な「できること」が気になる方は、以下の記事で業務別の活用法もあわせてチェックしてみてください。
👉 Copilotで何ができる?各製品の特徴と業務別活用法をわかりやすく解説【最新比較表付き】
Copilot無料版でできること・できないこと【最新版まとめ】
Copilotは「無料でも使える」と言われていますが、実際に業務に使おうとすると「思ったより使えない」と感じる企業が少なくありません。
その背景には、Copilotの無料版が指しているものが非常にわかりにくいという問題があります。
Copilot無料版とは?どこまで使えるのかを正しく理解しよう
Copilotの無料利用には、以下のようなサービスが含まれます。
- EdgeブラウザやBing(copilot.microsoft.com)から使える「Web版Copilot」
- Windows 11に標準搭載された「Copilot in Windows」
- 一部のスマートフォンアプリ版Copilot(iOS/Android)
これらはいずれも「GPT-4を無料で試せる」と話題ですが、あくまで体験用途を前提とした機能に留まります。
「無料=どこでもフル機能が使える」というイメージは、現場導入時に大きなギャップとなって表れるため、注意が必要です。
Copilot無料版でできること
まずは、無料版Copilotで実際に使える主な機能を確認しましょう。以下の表では、代表的な機能をカテゴリ別に整理しました。試験的な生成AI体験やライトな業務補助であれば、無料版でも一定の成果は見込めます。
【一覧表】Copilot無料版でできる主なこと
機能カテゴリ | 内容例 |
チャット対応 | 質問応答、要約、構造化、翻訳、文書生成(例:会議のまとめ、提案書の下書き) |
Web検索連携 | Bingを通じた最新情報取得、検索ソースの表示付き |
画像生成 | DALL·Eによる画像生成(1日15回までの制限あり) |
基本的な文章整形 | 指定形式での出力(箇条書き/表/箇所強調など) |
多言語対応 | 日本語/英語含む多言語での対話 |
ちょっとしたコンテンツ作成やQ&A用途では、まずまず使えるレベルです。
Copilot無料版でできないこと|業務利用時の落とし穴
無料版は試用用途として優れていますが、法人利用やチーム活用となると決定的な機能不足があります。
以下の表では、Copilot無料版の制限や非対応機能を明確に整理しました。
【一覧表】Copilot無料版でできないこと・制限一覧
制限カテゴリ | 内容・注意点 |
Office製品との連携 | Word/Excel/PowerPoint/Teams等での利用は不可 |
商用利用の制約 | 利用規約により、商用目的での使用は非推奨/保証されない |
情報保護の不在 | 入力情報がAI学習に使われる可能性あり(オプトアウト不可) |
利用管理ができない | 管理者によるログ管理/アクセス制限/権限設定が一切できない |
応答速度・安定性 | 有料版に比べてレスポンス速度が遅く、混雑時に応答停止することもある |
アップタイム保証なし | サービスレベルが保証されないため、業務上の信頼性には不向き |
無料で十分なケース/有料が必要なケース
Copilotを検討中の企業が最も知りたいのが、「どこまでなら無料で済むのか?」という判断基準です。 以下に、目的別に無料で済むパターンと有料が必須なパターンをまとめました。
【一覧表】目的別:無料/有料の使い分け目安
利用目的 | 無料でOK | 有料が必要 |
社内向けAI体験会・PoC | ⚪︎ | − |
文章作成のアシスト(限定範囲) | ⚪︎ | − |
WordやExcelでの本格活用 | − | ⚪︎ |
機密情報を含むドキュメント処理 | − | ⚪︎ |
チーム利用/ガバナンス対応 | − | ⚪︎ |
情報漏洩対策とリスク回避 | − | ⚪︎ |
「無料でできる=業務で使える」とは限りません。無料版は試して学ぶフェーズには有効ですが、業務への定着を見据えるなら、有料プランの検討は避けられません。
Copilot無料版を業務で使うリスクとは?
Copilot無料版は、セキュリティポリシー未整備のまま個人が勝手に使ってしまうことで、企業リスクを増大させる恐れがあります。
- 入力した情報がOpenAIに学習される可能性
- 導入実態を把握できないシャドーAI利用
- 契約上の商用利用がグレーなまま進む
まずは無料で試しながらも、社内にきちんと導入・教育・定着する体制を整えることが安全で効果的な運用への第一歩です。
有料版Copilotで拡張される5つのポイント
無料版ではAIチャットを「体験」することはできても、本格的な業務活用・組織定着には限界があることは前章でお伝えしました。
ここでは、有料版Copilot ProとMicrosoft 365 Copilot(Businessプラン)を中心に、無料版と何がどう違うのか、企業導入で得られるメリットを整理します。
1. Office製品とのネイティブ連携(Word/Excel/Teamsなど)
有料版Copilotの最大の特長は、WordやExcel、PowerPoint、Outlook、TeamsといったMicrosoft製品とシームレスに連携できる点です。
- Word:指示に応じて資料の下書き、要約、フォーマット修正が可能
- Excel:数式作成、データ分析、グラフ提案、トレンド解釈などが自動化
- Teams:会議議事録の自動作成、タスク抽出、フォローアップ自動化
CopilotはチャットAIではなく、業務支援AIとしてこそ真価を発揮します。
2. セキュリティと情報保護|法人利用に必須の条件
Copilot Proは個人向けの有料プランですが、法人利用に求められるセキュリティ対応や情報管理機能はありません。
対して、Microsoft 365 Copilotでは以下が可能になります。
- 入力データがAI学習に使われない(デフォルトで保護)
- Microsoft Entra ID(旧Azure AD)連携でのユーザー認証
- 利用ログの取得、監査対応、アクセス制限設定
情報漏洩リスクを避けたい法人利用では、「Microsoft 365 Copilot」一択といえます。
3. 商用利用ライセンスとガバナンス対応
Copilot無料版やPro版は「個人の範囲での商用利用」に限定され、企業全体の利用にはライセンス的な制限があります。また、Pro版にはガバナンス機能(管理者コンソール、統合管理、監査ログ等)がありません。
Microsoft 365 Copilotでは、組織単位での契約・ガバナンスが前提のため、法的・運用的な導入リスクを排除できるのが大きな強みです。
4. GPT-4 Turboへの優先アクセス+高速応答
有料版Copilotでは、常時GPT-4 Turboへアクセス可能です。応答速度も安定しており、以下のような業務ストレスが激減します。
- 回答までの待ち時間が短縮される
- 同時利用でも混雑しづらい
- 長文処理でも安定した出力が得られる
一方で、無料版は混雑時に回答が停止することもあり、業務用途では不安定です。
5. 複数人での社内展開・トレーニングにも対応
Copilotの導入は「1人が使える」だけでは意味がありません。現場のメンバー全員が使いこなせる状態=組織的活用が重要です。
Microsoft 365 Copilotは、ライセンスの一元管理が可能なだけでなく、教育・展開計画と連動しやすいため、全社的なAI活用基盤として優れています。複数拠点・複数職種へのスムーズな導入・トレーニング設計ができる点は大きなメリットです。
無料/有料/Businessプランの比較表
以下に、Copilotの主なプラン別の違いをわかりやすく整理しました。導入判断や社内説明資料としてもご活用いただけます。
比較項目 | 無料版Copilot | Copilot Pro(個人向け) | Microsoft 365 Copilot(法人向け) |
GPT-4 Turbo | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
Officeアプリ連携 | × | ⚪︎(個人向けOffice) | ⚪︎(法人向けM365) |
商用利用 | 非推奨/不明確 | 条件付きOK | ⚪︎正式に許可 |
セキュリティ/ガバナンス | × | × | ⚪︎ログ・認証・制御付き |
対象者 | 個人利用 | 個人利用 | 法人/チーム単位 |
管理者機能 | × | × | ⚪︎あり |
Copilotを導入するだけで終わらせないために
Copilotの本質は、「ツール導入」ではなく「業務変革の起点」です。しかし、AIツールは導入しただけでは使いこなされず、使える人が育たなければ、成果につながりません。
そこで重要になるのが、AIリテラシー研修や業務別トレーニングの整備です。Copilotの導入効果を最大化するには、教育設計と現場定着が欠かせません。
SHIFT AIでは、Copilot活用を推進する企業に向けた実践型の法人研修プログラムを提供しています。
- 現場職種別のCopilot活用ノウハウ
- 利用ルールの整備・社内展開支援
- トレーニングテンプレートの提供
導入定着・研修設計に関する詳細は、以下の記事もご参照ください。
👉 Copilot導入で仕事はどう変わる?5つの業務変化と定着成功の仕組みを解説
👉 Copilotトレーニング方法完全ガイド|全社導入成功のための5ステップと失敗回避策
無料版・有料版・Businessプランを徹底比較【一覧表で確認】
前章では、有料版Copilotで拡張される5つのポイントを紹介しました。しかし、「結局どのプランを選べばいいのか分からない」「一覧で違いを見たい」という声も多いはずです。
ここでは、Copilotの3つの「無料版」「Copilot Pro(個人有料版)」「Microsoft 365 Copilot(法人版)」を並べて、機能・価格・対応範囲を一目で比較できるように整理しました。
まずは表で全体像を把握しよう
以下の表では、利用目的ごとに違いが分かるように整理しています。
【比較表】Copilotのプラン別 機能・対象・価格まとめ(2025年最新版)
項目 | 無料版Copilot | Copilot Pro(個人向け有料) | Microsoft 365 Copilot(法人向け) |
利用料金 | 無料 | 月額3,200円(税込) | 月額4,497円(税込) |
対象ユーザー | 個人/検証/お試し | 個人ユーザー(非商用~個人商用) | 法人/組織利用(商用前提) |
使用モデル | GPT-4(混雑時制限あり) | GPT-4 Turbo(優先処理) | GPT-4 Turbo(優先処理) |
画像生成 | ○(回数制限あり/利用状況で変動) | ◎(回数は利用状況で変動/高速生成に対応) | ◎(回数は利用状況で変動/高速生成に対応) |
Word/Excelでの利用 | × | ○(個人用Officeのみ) | ◎(法人用Microsoft 365連携) |
Teams/Outlook連携 | × | × | ◎ |
セキュリティ/ガバナンス | ×(AI学習対象になる可能性あり) | ×(個人利用の範囲) | ◎(学習対象外/Entra ID連携/ログ管理対応) |
商用利用 | 非推奨・ライセンス保証なし | △(個人範囲内で可能/組織利用は非推奨) | ◎(企業契約ベースで商用利用可能) |
管理者機能 | × | × | ◎(ログ/認証/制御/一元管理可能) |
まず、無料版はCopilotに触れてみるためのエントリープランです。GPT-4や画像生成を体験できますが、WordやExcelなど業務アプリとの連携はできません。業務での本格活用には向かず、あくまで試用が中心です。
一方で、Copilot Proは、個人の業務効率化を目的とした有料プランです。Officeとの連携や高速応答が可能で、無料版より実用的ですが、法人利用に必要なセキュリティや管理機能は備わっていません。
Microsoft 365 Copilotは、法人導入を前提に設計された本格派です。TeamsやOutlookとの連携、ガバナンス対応、セキュリティ強化など、社内展開に求められる要件を一通り満たしており、チームでの活用に最適な選択肢といえます。
注意!無料→有料への移行でよくある失敗とは?
無料から有料へ移行したことで後悔した例を下記でご紹介します。
「Proを契約したが、法人利用としてはNGだった」→ 個人利用と法人利用のライセンスの境界線に注意
「有料にしても使われなかった」→ Copilotはツール。人が使えなければ意味がない
Copilot活用の決め手は「ツール」+「教育」
Copilotを導入する企業の多くが、「使い方が分からず現場に定着しない」という課題に直面しています。成功している企業ほど、ツールと同時に教育もセットで導入しているのが実情です。
なお、SHIFT AIでは、Copilot活用を社内に定着させるための研修プログラムを提供しています。
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Copilotトレーニング方法完全ガイド|全社導入成功のための5ステップと失敗回避策
あなたはどのプランを選ぶべき?用途別おすすめパターン
Copilotには無料版・Pro・Microsoft 365 Copilotと複数のプランがあり、それぞれに特長と制約があります。
ここでは、「あなたがどのような目的でCopilotを使いたいか?」に応じて、最適なプランを選べるように、代表的なユースケース別におすすめパターンを紹介します。
あなたの目的 | おすすめプラン | 理由と注意点 |
まずCopilotを体験してみたい | 無料版Copilot | お試しには最適。ただし、機能・連携に限界があり業務利用には非推奨 |
一人でAIを業務に取り入れてみたい | Copilot Pro | Word・Excel連携可。セキュリティ面には注意が必要 |
組織で本格導入・展開したい | Microsoft 365 Copilot | チーム利用・ログ管理・セキュリティ含めて安心して導入可能 |
目的①とりあえず試してみたい、AIがどんなものか触れたい
おすすめ:無料版Copilot(Web/Edge版)
まずは生成AIに触れてみたい、自分の業務にどう使えるか検討したいという段階であれば、無料版でも十分に効果を感じられるでしょう。チャット形式で質問したり、文書を要約・添削したりと、ライトな用途には対応できます。
ただし、本格的な資料作成やアプリ連携はできないため、「検証」以上の活用を目指す場合は有料プランの検討が必要です。
目的②個人の業務効率を高めたい(社内提案前の検証)
おすすめ:Copilot Pro
自分の担当業務で生成AIを使ってみたい、成果を社内に示したいという方には、Copilot Proがおすすめです。WordやExcelとの連携、画像生成強化、GPT-4 Turboによる高速応答など、日々の業務が格段に効率化されます。
ただし、Proはあくまで「個人向け」です。商用ライセンスやガバナンス機能がないため、企業として導入するには不十分です。
目的③部署・チーム・会社全体で導入したい
おすすめ:Microsoft 365 Copilot(法人向けライセンス)
チーム単位での導入や全社展開を検討している場合は、Microsoft 365 Copilotが唯一の現実的な選択肢です。
Word/Excel/PowerPoint/Teams/Outlookなど、日常業務で使うアプリと連携しながら、セキュリティや管理機能もフル対応します。商用利用のライセンス保証も含まれているため、安心して導入できます。
また、ライセンスの一元管理や利用状況の可視化も可能なため、IT部門や情シス担当の負担を減らしつつ、安全・効率的に展開できるのも大きな魅力です。
なお、Copilotを活かすには、ツール選びと同時に活用人材の育成が必要です。Copilotを導入しても、「誰も使いこなせない」「一部の人しか使っていない」状態では、投資対効果は出ません。
だからこそ今、多くの企業が「ツール導入と同時に教育体制を整える」という選択をしています。
SHIFT AIでは、Copilotを活用する人材を育てるための、実践的な法人研修プログラムを提供中です。
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Copilot導入前に知っておくべき3つの注意点
Copilotは、たしかに業務を加速させる可能性を持った強力なツールです。しかし一方で、準備不足のまま導入してしまうと「思ったほど使われなかった」「むしろ混乱した」などの失敗につながるケースも多いのが実情です。
ここでは、導入前に必ず確認しておきたい注意点を3つに絞って解説します。
注意点①情報漏洩リスクとセキュリティポリシーの未整備
Copilotは強力な生成AIであるがゆえに、「どんな情報を入力したか」が非常に重要なポイントになります。
特に無料版や個人Pro版では、入力内容がAIの学習に使われる可能性や、商用利用が認められていないケースもあるため、機密情報や業務データの取り扱いには注意が必要です。
また、組織として正式に導入していない場合、社員が独自に利用しシャドーAI化することで、ガバナンスが失われるリスクもあります。
注意点②使い方がわからず、現場に定着しない
Copilotを導入した企業の中には、「結局使われなかった」という事例が少なくありません。理由は、社員が使い方を知らない、または業務にどう活かしていいかが分からないことです。
「どの業務に使えるの?」「プロンプトって何?」「何を聞けばいいのか分からない」
こうした現場の戸惑いは、事前の教育やガイドがなければ決して解消されません。ツールがあっても、使える人材がいなければ成果にはつながらないのです。
注意点③成果が出ないままPoC止まりになる
最初は「Copilot、すごい!」と盛り上がっていても、具体的な成果(業務改善・時間削減など)が出ないまま終わってしまいます。これは多くの企業が直面している壁です。
PoCで終わる理由は、主に以下のような内容です。
- 活用範囲が属人的で、全社に広がらない
- ユースケースが定まらず、活用が“場当たり的”になる
- 成果指標や評価軸が設計されていない
「使える」から「成果が出る」へ。その間には、活用設計と教育支援という仕組みが必要なのです。
成功する企業は、導入時に教育をセットで準備している
Copilotを活かせるかどうかは、「どのプランを選ぶか」ではなく、どれだけ使いこなせる人を育てられるかにかかっています。
成功している企業は、Copilotを導入する際に以下を徹底しています。
- 活用ルールを明文化し、現場に共有
- 部門ごとのユースケースを明確化
- 研修やチュートリアルで“最初の一歩”を支援
- 社内の質問やつまずきをサポートする体制づくり
そして、これらを外部の専門家と連携しながら仕組み化しているのです。
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Copilotを使いこなせない原因とは?活用を定着させる3つの仕組みと業務改善の第一歩
まとめ|選ぶ前に使いこなせる仕組みを整えよう
Copilotは、無料版・Pro・Microsoft 365と選択肢が多いからこそ、どのプランが最適かは「誰が・何のために使うか」で決まります。機能や価格だけで判断せず、自社の目的に照らして慎重に選ぶことが、失敗を防ぐ第一歩です。
同時に忘れてはならないのが、ツールを使いこなせる体制づくりです。Copilotは入れただけでは成果につながりません。教育と活用設計がなければ、多くの企業がPoC止まりになってしまいます。
だからこそ、SHIFT AIでは、導入後の“定着”まで見据えた法人向け研修をご用意しています。Copilotを「ただのツール」で終わらせず、成果につなげたい企業は、ぜひ詳細をご覧ください。
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Copilotに関するよくある質問(FAQ)
Copilotの導入を検討する中で、「これってどうなの?」という細かい疑問を抱く方は多いはずです。最後に、実際によく寄せられる質問とその答えをまとめました。導入前の不安解消や、上司・現場への説明の参考にもなります。
- QCopilotの無料版はいつまで使えるのでしょうか?
- A
無料版Copilotには明確な“期限”は設定されていません。ただし、無料で使える範囲はMicrosoftの仕様変更によって変わることがあり、安定性や継続性という観点では過信しない方がよいでしょう。また、無料版は利用状況によって応答速度が落ちたり、混雑時に接続できなくなる可能性もあります。そのため、継続的に業務活用を検討する場合は、有料プランを視野に入れることをおすすめします。
- Q無料版やCopilot Proは商用利用できますか?
- A
Copilot Proは、個人による業務利用が想定されていますが、法人としての商用利用や組織的な展開には対応していません。無料版については明確に商用利用が許可されているわけではなく、ライセンス上もグレーゾーンです。商用利用や顧客情報・機密データの取り扱いを前提とするなら、Microsoft 365 Copilotのような法人契約が前提のプランを選ぶことが安全です。
- QCopilotを使うには、Microsoft 365の契約が必要ですか?
- A
Microsoft 365 Copilotを利用するには、前提としてMicrosoft 365のE3またはE5プラン(法人向け)に契約している必要があります。Copilot単体での契約はできません。すでにM365環境が整っている企業であれば、追加ライセンスの取得で導入可能です。逆に、Officeの買い切り版などを使っている場合は、環境ごと見直す必要があります。
- QCopilot ProとMicrosoft 365 Copilotは、何が違うのでしょうか?
- A
Copilot Proは個人向けに提供されている有料プランで、WordやExcelとの連携、GPT-4 Turboの優先利用などが可能です。ただし、管理機能やセキュリティ強化、監査ログの取得など、法人利用に求められる要素は含まれていません。Microsoft 365 Copilotは、企業利用を前提に設計されており、アプリ連携だけでなく、ガバナンスや情報保護もカバーされている点が大きな違いです。
- Q1人だけでもMicrosoft 365 Copilotを導入できますか?
- A
技術的には可能ですが、Microsoft 365 Copilotの導入は原則として法人契約が前提であり、1ユーザー単位での申し込みはできるものの、Microsoft 365 E3またはE5の契約環境下である必要があります。また、単体での契約では社内展開や管理が難しくなるため、実質的には複数人での導入・運用を見越した体制構築が推奨されます。
- Q導入しても社員が使わないのでは?という不安があります。
- A
非常に多くの企業が、この悩みに直面しています。実際、Copilotは「入れただけでは使われない」典型的なツールです。成功のカギは、導入後にいかに“最初の成功体験”を作り、“全社に横展開できる教育・サポート体制”を整えるかにかかっています。だからこそ、SHIFT AIでは、ツール導入と並行して「人材育成」と「現場定着支援」に重きを置いた法人研修を提供しています。使い方だけでなく、業務ごとの使いどころまで支援することで、“使いこなせる組織”への転換を後押しします。
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