Google AI Studioは、誰でも無料で試せる生成AIの開発環境です。
「使ってみたいけど、アカウント作成や初期設定の流れが分からない…」そんな声も少なくありません。

本記事では Google AI Studioの始め方 を、

  • アカウント作成から初回ログイン
  • 基本的な操作手順(プロンプト入力・保存・共有)
  • 業務で最初に試すと効果が出やすい活用例

まで、初心者にも分かりやすく解説します。

単なる操作マニュアルにとどまらず、法人がPoCで失敗しないためのチェックポイントや、次のステップである Vertex AIへの本番展開 についても触れていきます。

まずは「迷わず導入できる」ことをゴールに、本記事を読み進めてみてください。

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Google AI Studioとは?始める前に知っておくこと

Google AI Studioは、Googleが提供する生成AI開発環境です。
Gemini APIをノーコードで試せるGUIが用意されており、プログラミングの知識がなくてもすぐに使い始められるのが特徴です。

最大の魅力は、無料枠でPoC(試験導入)を始められる こと。
「まずは小さく試したい」という法人や、生成AIを体験したい個人ユーザーにとって最適な入口となります。

特に法人においては、PoCでの検証を通じて業務効率化の可能性を見極め、その後 Vertex AIを活用した本番導入 へとつなげることが成功のシナリオとなります。

関連記事: Google AI Studioの使い方を徹底解説|基本操作から業務活用・PoC成功のコツまで

Google AI Studioの始め方【アカウント作成〜初回ログイン】

Google AI Studioは、特別な準備がなくてもすぐに利用を開始できます。ただし、法人利用やチームでのPoCを検討している場合は、事前に確認すべきポイントがあります。以下の流れに沿って、最初のログインまでをスムーズに進めましょう。

Googleアカウント準備(ビジネス利用なら管理者確認を推奨)

Google AI Studioを利用するには、Googleアカウント が必要です。個人で試す場合は既存のアカウントで構いませんが、法人で利用する場合は以下を確認しましょう。

  • 社用Google Workspaceアカウントを使う場合 → 管理者の利用ポリシーを確認
  • 検証用に個別アカウントを作成する場合 → 個人アカウントを利用してPoCを進めるのも一案

特に企業利用では「誰がどのアカウントで利用したか」を管理できる体制を作っておくと安心です。

公式サイトにアクセスしてログイン

Google AI Studioの公式サイト(https://ai.google.dev/)にアクセスし、右上の 「Sign in」 をクリックします。
Googleアカウントの選択画面が表示されるので、利用したいアカウントを選んでログインしてください。

利用規約・同意のポイント

初回ログイン時には、Googleの利用規約やプライバシーポリシーへの同意が求められます。法人での利用の場合は、以下の観点を確認しておくことをおすすめします。

  • 利用データが保存される範囲
  • 入力情報の取り扱い(機密情報は入力しないルールを徹底)
  • 無料枠の制限と課金条件

基本画面(プロジェクト/プレイグラウンド)の見方

ログインすると、まず プロジェクト設定画面 にアクセスできます。ここでプロジェクト単位の管理が可能です。
次に利用するのが プレイグラウンド(Playground) です。ここでは、テキスト入力欄にプロンプトを入力し、Gemini APIの応答を試すことができます。

シンプルなUIなので、初めての方でも直感的に使える設計になっています。

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初めてのプロンプト実行手順

Google AI Studioは、直感的なUIで誰でもすぐにプロンプトを試せます。ここでは最初の一歩として、入力から保存・共有までの基本操作を確認しましょう。

入力欄にテキストを入れる

ログイン後に表示される プレイグラウンド画面 の入力欄に、試したい文章を入力します。

 例

  • 「会議内容を3行で要約してください」
  • 「英語の自己紹介文を日本語に翻訳してください」

短文から始めると、生成AIの反応を理解しやすく、プロンプトの工夫点も見えてきます。

回答スタイル(要約/翻訳/生成)を選ぶ

入力欄の右側にある設定パネルから、回答スタイル を選択できます。主な利用シーンは次の通りです。

  • 要約:会議議事録や記事の要点整理に活用
  • 翻訳:外国語の文章をスムーズに理解
  • 生成:メール文案や広告コピーなど新しい文章の作成

業務で利用する場合は、PoC段階で「どのスタイルをどの業務に当てはめるか」を意識しておくと成果につながります。

生成結果の保存・コピー・共有方法

生成された結果は、画面右上の操作ボタンから コピー・保存・共有 が可能です。

  • コピー:メールやSlackなど他ツールにすぐ貼り付け
  • 保存:プロジェクト内で履歴を残し、後から見返せる
  • 共有:チームメンバーに直接リンクを送付

PoCでは「誰が、どのような結果を得たか」を共有することが重要。結果をチームで検証し合うことで、導入効果を正しく判断できます。

業務で最初に試すおすすめ活用例【PoC向け】

Google AI Studioを導入したばかりの法人がつまずきやすいのは、「何に使えば効果を測定できるのか」という点です。ここでは PoC段階でまず試すべき業務活用例 を紹介します。難易度が低く、すぐに効果を実感できるものから始めるのがおすすめです。

議事録要約:定例会議の効率化

会議の文字起こしやメモをそのまま入力すれば、AIが要点を整理してくれます。

  • 「この会議内容を3点にまとめてください」
  • 「決定事項と宿題事項を分けてリスト化してください」

といったプロンプトを使えば、議事録作成の工数削減(30〜50%) をすぐに確認できます。

メール文案生成:総務・人事での時短

社内通知や案内メールのような定型文は、AIに下書きを任せると効果が見えやすい領域です。

 例

  • 「社員全員向けに人事制度改定の通知メールを作成してください」
  • 「研修案内文を200字で丁寧に」

文案のたたき台をAIに任せ、担当者は内容確認に集中 できるのがポイントです。

資料たたき台:研修・提案の下書き

「PowerPoint用の骨子を作って」と依頼すれば、章立てやスライド構成案が生成されます。

  • 新人研修のカリキュラム案
  • 役員会議向けの提案資料の枠組み

といった用途で、ゼロから作る時間を半分以下に削減 できるケースもあります。

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始め方でつまずきやすい落とし穴と対策

Google AI Studioは手軽に始められる一方で、導入初期の失敗パターンも少なくありません。ここでは、よくある落とし穴とその対策を整理します。

機密情報をうっかり入力するリスク

AIに聞いてみたい一心で、議事録や契約書などの 機密情報をそのまま入力してしまう ケースがあります。これが発覚すると、社内規制で利用自体が止められることも。

 対策: サンプル文やダミーデータで検証する/入力禁止情報を明文化して周知する。

関連記事:Google AI Studioは学習させない設定ができない!注意点は?

社員教育不足で形骸化する失敗パターン

「アカウントだけ作ったが、誰も積極的に使わない」という失敗も多いです。プロンプトの出し方を学ばないままでは、成果が見えず “使ってみたけど微妙” で終わります。

 対策: まずはワークショップや簡単なプロンプト研修を実施し、現場で「すぐ役立つ事例」を共有すること。

AI StudioでPoC止まり → Vertex AIに進めない

AI StudioはPoCに最適ですが、そのままでは本番環境に組み込みづらい仕組みです。

 対策: 導入初期から「PoC後はVertex AIへ移行する」というロードマップを描き、IT部門や経営層を巻き込むのが重要です。

次のステップ:Vertex AIで本格導入へ

Google AI Studioは、あくまで 「試すための環境」 です。PoC段階では便利ですが、企業全体の本番運用には不十分な点もあります。そこで必要になるのが Vertex AI です。

AI Studioは「試す場」

AI Studioは、Gemini APIをGUIで手軽に操作できる場として最適です。小規模な検証やプロンプト調整に向いていますが、大量データ処理やセキュリティ制御には限界があります。

本番運用はVertex AIが最適

Vertex AIはGoogle Cloudの本格的なAIプラットフォームです。

  • データ管理やセキュリティが強化されている
  • 大規模ユーザーの同時利用が可能
  • 他システムとの連携やカスタマイズに対応

つまり「全社展開」や「顧客向けのサービス」にAIを組み込むなら、Vertex AIが前提となります。

移行の流れと両者の違い

  1. AI StudioでPoC(小規模テスト)
  2. 成果測定と改善(精度・工数削減率を数値化)
  3. Vertex AIへ移行(業務システムやデータ基盤と統合)

両者の位置づけを整理すると、

  • AI Studio=学習・実験の場
  • Vertex AI=本番導入の場

 と役割がはっきり分かれます。

関連記事:Google AI Studioの使い方を徹底解説|基本操作から業務活用・PoC成功のコツまで

まとめ:Google AI Studioの始め方は「小さく試し、大きく広げる」

Google AI Studioは、Googleアカウントさえあればすぐに使い始められるシンプルな環境です。アカウント作成から初回ログイン、そして最初のプロンプト実行までの流れは直感的で、特別な知識がなくてもPoCを進められます。

法人導入での成功パターンは、 「AI Studioで小さく試す → 成果を数値化 → Vertex AIで全社展開」 というステップ。PoCの段階で試行錯誤を重ね、確かな効果を確認してから本格導入へ進むのが安全かつ効率的です。

さらに忘れてはいけないのが、社員教育とルール整備。AIの使い方を誤ればリスクにつながるため、リテラシー研修や社内ガイドラインを整えることが成功のカギになります。

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Q
Google AI Studioは無料で使えますか?
A

はい、無料枠が用意されています。個人利用なら十分な量を試せますが、法人で大規模に使う場合はVertex AIの利用を検討してください。

Q
Google AI Studioを始めるのに必要なものは?
A

基本的にはGoogleアカウントだけで始められます。法人利用の場合は、管理者がアカウント権限や利用規約への同意を確認しておくことを推奨します。

Q
初回ログイン後、最初にやるべき設定はありますか?
A

特別な初期設定は不要です。ただし、業務利用を想定する場合は「プロジェクト管理」と「共有方法」をあらかじめ整備しておくとスムーズです。

Q
Google AI StudioとVertex AIの違いは何ですか?
A

Google AI StudioはPoC(試行)に最適な環境で、少人数や小規模利用に向きます。一方、Vertex AIは本格的な法人利用向けで、セキュリティや運用管理機能が充実しています。

Q
社内PoCでよく使われる活用例は?
A

議事録の要約、社内通知メールの文案作成、研修や提案資料のたたき台生成などです。短時間で効果を確認できるため、最初のPoCにおすすめです。

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