Wordで文書を作成していると、「下書きを早く整えたい」「長文を短くまとめたい」「表現をビジネスらしくしたい」と感じる場面は多いのではないでしょうか。Microsoft 365に搭載されたCopilot for Wordは、こうした作業をAIが支援し、数クリックで効率化できるツールです。企業の活用状況は生成AIの活用事例でも確認できます。
本記事では、Copilotの呼び出し方から基本操作、プロンプト例、2026年に加わった新機能、業務活用のコツまでを解説します。使いこなせば資料作成のスピードと質が向上し、社内展開にもつなげられます。
弊社では、Copilotの運用成功に役立つ資料を配布しています。社内ルールやリスク管理など、プロンプト設計などのノウハウを知れます。適切に使って望むアウトプットを引き出す、社内展開の体制を整える道筋が分かりますので、ぜひご覧ください。
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Copilot for Wordとは?基本概要とできること
Copilot for Wordは、Word上の文書作成を支援するMicrosoft 365統合の生成AIアシスタントです。下書き作成・要約・リライト・翻訳・構造化を数クリックで実行し、「人が入力する」Wordから「AIと共同で仕上げる」スタイルへ作業を変えます。
具体的には以下の操作が可能です。
- 文章の自動生成:企画書・報告書などの草案を数クリックで作成
- 要約:長文から要点を抽出し短く整理
- リライト:カジュアルな表現をビジネス調へ、専門的な内容を平易に書き換え
- トーン変更:読者や目的に応じて文章の雰囲気を切り替え
- 翻訳:文書を指定言語へ変換し、そのまま編集に反映
- 構造化:段落を箇条書きに変換、表形式で情報を整理
従来のWordは文書を人が入力する前提でしたが、Copilotを使うと作成・編集・整形の一連の作業を効率化できます。
利用前に確認すべき準備と環境条件
Copilot for Wordを使うには、対応ライセンス・最新バージョン・管理者による有効化の3点を整える必要があります。導入前に確認すべきポイントを整理します。
対応プラン・ライセンスの確認
Copilotは、対象のMicrosoft 365サブスクリプション(Business/Enterpriseなどのビジネスプラン)にCopilotライセンスを追加して利用します。永続ライセンス版(Office 2021など)や無償版Wordでは利用できません。自社の契約にCopilotライセンスが含まれているか、契約前に必ず確認します。
Wordのバージョンと更新状況
最新機能を利用するには、アプリのバージョンが最新である必要があります。Microsoft 365アプリは自動更新が基本ですが、管理者による更新制御がかかっている場合は更新が滞り、Copilotが表示されないことがあります。事前にアップデート状況を確認します。
Copilotを有効化する手順
利用環境が整っていれば、Wordのリボンに「Copilot」アイコンが表示されます。初回利用時はサインイン認証や管理者設定が求められる場合があるため、システム部門と連携してセットアップを進めるとスムーズです。
利用料金やトライアルについて
法人向けはMicrosoft 365 Copilotを月額¥3,148(税別・年払い、300ユーザーまでのビジネスプラン向け)から追加します。加えて、対象のMicrosoft 365サブスクリプション購入者は無料版のMicrosoft 365 Copilot Chatも利用できるため、まず無料範囲で試してから有償ライセンスの範囲を判断できます。利用人数に応じたライセンス管理が不可欠です。
WordでCopilotを呼び出す方法
Copilotの呼び出し方は、リボンのアイコン・文書内アイコン・サイドバー・ショートカットの4通りです。作業状況に応じて使い分けると、下書きから部分修正までスムーズに進みます。
リボンのCopilotアイコンから起動
Word上部リボンの「Copilot」アイコンをクリックすると、右側にサイドパネルが開き、指示を入力できるチャット欄が表示されます。最も基本的な呼び出し方法です。
文書内アイコンから呼び出す
段落の横に表示される小さなCopilotボタンをクリックすると、その段落や選択範囲に対して直接指示を出せます。部分的な要約や書き換えに便利です。
サイドバー/チャット入力欄を使う
右側に固定表示できるCopilotパネルから、自由にプロンプトを入力できます。「この内容を3行で要約」「ビジネス調に書き直して」などの指示をその場で反映します。
ショートカットやコンテキストメニュー
環境によっては、右クリックメニューからCopilotを呼び出したり、ショートカットキー(Alt+I)で入力画面を開いたりできます。マウス操作を減らし、スピーディーに利用できます。
Copilotでできる主な操作と実践ステップ
Copilot for Wordの魅力は、文書作成の各プロセスをAIが支援する点にあります。代表的な機能と操作ステップを整理します。
文章の下書き生成
空白のドキュメントで「企画書の冒頭文を書いて」「市場分析の概要を作成して」と指示すると、数秒でドラフトが生成されます。ゼロから書き始める手間を省けます。
既存文書への追記・補足
既存の文章を選択して「続きを追加して」と指示すれば、自然な流れで文章を補足します。レポートや議事録の追記に直結します。
要約・抜粋
長文を選択し「3行に要約」「要点だけを箇条書きに」と入力すると、重要な情報だけを整理します。会議資料や報告書を短時間でまとめるのに有効です。
リライト・トーン変更・翻訳
「カジュアルに書き換えて」「ビジネスメール風に修正して」で文体を変換でき、「英語に翻訳して」で多言語文書の下地も作れます。読者層や用途に合わせた表現がすぐに得られます。
構造化(箇条書き・表形式)
段落を指定して「箇条書きにして」「表に整理して」と依頼すれば、情報を見やすい形に整えます。データや条件を整理する際に役立ちます。
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戦略・失敗回避・プロンプトの3冊を無料DL →参照ファイルとエージェントモードを使った文書作成(2026年の新機能)
2026年のCopilot for Wordは、既存ファイルを下敷きにした生成と、複数手順をまとめて実行するエージェントモードに対応しました。ゼロから書くより速く、精度の高い文書が作れます。
- 参照ファイルからの生成:「/」でSharePointやOneDrive上のファイルを指定し、既存の議事録・仕様書を基に新しい文書を作成します。社内資料の言い回しを踏襲できます。
- エージェントモード:「この仕様書を基に提案書を作り、要点を箇条書きにして表も追加して」といった複数工程の指示を、AIが順を追って自律的に処理します。
- AIモデルの選択・引用元表示:一部プランでは利用するAIモデルを切り替えられ、生成文の根拠となった参照箇所が引用として表示されるため、事実確認がしやすくなりました。
社内文書のフォーマットを踏襲したい場合は、白紙から指示するより参照ファイル指定のほうが手戻りが少なくなります。
実務で役立つプロンプト例と改善テクニック
Copilotの成果は「どんな指示を出すか」で大きく変わります。実務でそのまま使える例と、よくある失敗・改善方法を紹介します。
基本的なプロンプト例
- 「この段落を3行で要約してください」
- 「提案書の冒頭文をビジネス調に書き直してください」
- 「以下の内容を箇条書きに整理してください」
- 「議事録からアクションアイテムを担当者別に抽出してください」
失敗しやすいプロンプトと改善例
- 曖昧な指示:「要約して」だけでは抽象的です。→「要点を3つにまとめて」「200文字以内で要約して」と条件を具体的に指定します。
- トーンの指定不足:「書き直して」だけでは文体が合わない場合があります。→「社外向けのフォーマルな文体で」「プレゼン用に口語的に」と用途を明示します。
- 情報量が多すぎる:長文を一気に処理させると不正確になる場合があります。→段落ごと・章ごとに分けて指示すると精度が向上します。
チームで共有できるプロンプトテンプレート
社内でよく使う指示はテンプレート化すると便利です。
- 報告書要約用:「この内容を200字以内にまとめ、結論を明確にしてください」
- 提案書用:「製品紹介の文章を、顧客向けに分かりやすく書き換えてください」
「状況+目的+条件」を組み合わせると、Copilotの出力が安定し、業務で再現性の高い成果を得られます。
業務シーン別ユースケース
Copilot for Wordの真価は、実際の業務シーンでどれだけ役立つかにあります。日常的に発生する文書業務を例に、具体的な活用イメージを紹介します。
会議議事録からアクションアイテムを抽出
長い議事録は重要ポイントが埋もれがちです。「要点を3つに整理」「担当者別にタスクを抽出」と指示すれば、必要な情報だけを瞬時にまとめられます。会議後の共有がスムーズになり、抜け漏れも減らせます。
提案書・企画書のドラフト作成
「新規サービスの提案書の冒頭文を作成して」と依頼すれば、骨子がすぐに提示されます。自社の強みや具体的データを肉付けすれば、効率的に高品質な提案書を完成できます。
報告書の要約と体裁整え
情報量が多い報告書は「200字以内でまとめて」「箇条書きに整理して」と指示すれば、短時間で読みやすい形式に整えられます。
プレゼン資料作成の時短
Word文書から「この内容をスライド形式のアウトラインに」と依頼すれば、PowerPointに流用できるベース資料が手に入ります。資料作成の初速が上がります。
つまずきやすいポイントと注意点
Copilot for Wordは便利ですが、初めて導入する企業は以下の点で戸惑うことが多いため、事前に把握しておくと安心です。
出力が意図とズレるケース
「要約して」とだけ入力すると要点が抜けたり冗長になったりします。AI特有の曖昧さによるもので、プロンプトを具体的にすることが改善の近道です。
書式やレイアウトの崩れ
生成文が既存フォーマットに合わず、段落や箇条書きの体裁が乱れることがあります。レイアウト調整は人が最後に確認・修正するのが前提です。
日本語対応の精度と限界
英語ではスムーズでも、日本語では意図しない言い回しになる場合があります。重要な顧客向け資料では、必ず人の目で最終確認を行います。
セキュリティ・情報漏洩リスク
Microsoft 365環境ではセキュリティ対策が施されていますが、社外秘資料はプロンプトに含めない運用ルールを設けるのが安心です。
利用コスト・ライセンス制限
Copilotは有償ライセンスが必要で、利用人数や部署単位での管理が求められます。無料のCopilot Chatや一部部署への試験導入から始め、段階的に全社展開を進めます。
Copilotをより効果的に使うためのTips
導入するだけでは効果を十分に得られません。使いこなすために日常の運用で意識すべきポイントを整理します。
AIに任せる部分と人が確認する部分を切り分ける
Copilotは文章を生成・整理する工程に強みがありますが、最終判断やニュアンス調整は人間の役割です。出力内容を精査しながら活用することで品質を担保できます。
標準化したプロンプトをチームで共有する
繰り返し使う指示はテンプレート化し、チーム内で共有すると効果的です。使い方が統一されると成果物の品質が安定し、属人化も防げます。
定期的にアップデート情報をチェックする
Microsoft 365のCopilotは頻繁に機能追加・改善が行われます。公式ドキュメントを定期的に確認し、新機能を取り入れることで常に最新の状態で使えます。
小さく試してから全社展開へ
特定部署や小規模チームで試行し、成果や課題をフィードバックしてから範囲を広げると、失敗リスクを減らし社内定着をスムーズにできます。
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3冊セットを無料で受け取る→他社の取り組み|村田製作所・バルテスに学ぶ全社展開
Copilotを一部の人の便利ツールで終わらせず全社の生産性につなげた企業は、どのように展開したのでしょうか。取材記事から、教育と全社利用ルールを整えた2社の取り組みを紹介します。
株式会社村田製作所|約2万人への研修と社内報で活用を浸透
村田製作所では、国内間接従業員約2万人を対象にAI研修を実施し、業務でAIを使えるレベル4以上の従業員が70%を超えました。さらに、ツール紹介を漫画風の社内報記事にして活用のハードルを下げています。担当者は「漫画風記事でのツール紹介は、まずはこんなものがあるよと知ってもらうために、短時間でさっと読めて理解しやすいものがいいんじゃないかというアイデアから生まれました」と語っています。
注目すべきは、大規模な研修と「読みやすい社内発信」をセットにした点です。Wordの下書き・要約のようなCopilot操作も、全社員が知って試せる状態を作ることで、初めて業務効率化につながります。
詳細は株式会社村田製作所のインタビュー記事で紹介しています。
バルテス株式会社|Copilotをホワイトリストで全社利用可能に
バルテスでは、Microsoft Copilotをホワイトリスト方式で全社的に利用できるようにし、教育プログラムの受講を利用の前提としています。その結果、生成AIの活用経験者は87.1%に達しました。担当者は「全員が“普通に”使える状態を目指すことが、我々の目標です」と語っています。
注目すべきは、利用開放と教育を同時に整えた点です。Wordでの文書作成をルール化しつつ教育で底上げすることで、全社員が安心してCopilotを使える環境が生まれました。
詳細はバルテス株式会社のインタビュー記事で紹介しています。
まとめ|Copilot for Wordを業務効率化の起点に
Copilot for Wordは、下書き生成から要約・リライト・翻訳・構造化、さらに参照ファイル活用やエージェントモードまで幅広く支援するアシスタントです。呼び出し方やプロンプトの工夫を押さえれば、資料作成や議事録整理といった日常業務を大幅に効率化できます。
一方で、AIの出力は常に完璧ではなく、人の最終確認や運用ルールの整備が欠かせません。チームでのプロンプト共有や段階的導入を進めることで、Copilotは個人の便利ツールから全社の生産性を底上げする仕組みへと進化します。
実践的なプロンプト集や全社導入の進め方、リスク対策をまとめて把握したい方向けに、無料資料を用意しています。生成AI活用「必須3要素」3点セットから、戦略・リスク対策・プロンプト設計を一冊でダウンロードできます。
よくある質問
- QCopilot for Wordは無料で使えますか?
- A
Word上のCopilot機能は有償ライセンスが必要です。対象のMicrosoft 365サブスクリプションにCopilotライセンス(法人向け月額¥3,148〜・税別年払い)を追加します。ただし、対象プラン購入者は無料版のMicrosoft 365 Copilot Chatも利用できます。
- QWord以外のOfficeアプリでもCopilotは使えますか?
- A
はい。Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsなど主要なアプリに搭載されています。ただし、アプリごとに利用できる機能は異なります。
- QCopilotがWordで表示されない場合の対処法は?
- A
まずアプリを最新バージョンに更新し、対応ライセンスが割り当てられているかを確認します。それでも表示されない場合は、管理者による有効化設定や更新制御がかかっていないかをシステム部門に確認します。
- Q日本語での利用精度はどのくらいですか?
- A
基本的な文章生成や要約は問題なく利用できますが、英語よりも表現の精度にばらつきがある場合があります。重要な文書では人による最終チェックを必ず行います。
- Qセキュリティ面での注意点はありますか?
- A
Microsoft 365環境内でセキュリティ対策は講じられていますが、社外秘情報をそのまま入力することは禁止します。利用ルールを定めることで安全に活用できます。

