生成AIコンサルティング会社は、自社の生成AI導入をスムーズに進め、情報漏洩などのリスクを回避し、AI人材不足といった課題を解決するための強力なパートナーです。
この記事では、豊富な実績を持つおすすめの生成AIコンサルティング会社15選をご紹介。さらに、コンサルティングを導入するメリットから、失敗しないための選び方、そして導入までの5ステップを徹底解説します。
本記事を読んで、自社の課題を解決するための最適なパートナー見つけましょう。
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【一覧表】おすすめ生成AIコンサルティング会社15選
生成AIコンサルティングの導入を検討する際、数多くの企業が存在するため、どの会社が自社に合うのか見極めるのは大変です。
まずは、国内で豊富な実績を持つ主要なコンサルティング会社15選を一覧表でご紹介します。各社の特徴や強みを比較し、自社の課題に合いそうなパートナーを見つける参考にしてください。
| 会社名 | 主な特徴・強み | タイプ |
|---|---|---|
| 1. 株式会社SHIFT AI | 国内最大級のAIコミュニティ運営の知見 AI導入コンサルティングやE-learningを含む「AI推進人材育成」に強み | 専門・特化型 |
| 2. 株式会社ギブリー (Givery) | 独自プロダクト「法人GAI」「MANA Studio」を軸に、戦略策定から組織浸透までワンストップで支援 | 専門・特化型 |
| 3. 株式会社AlgoX (AI総研) | ROI(投資対効果)の最大化を重視する「コンサルティング・ファースト」のアプローチ 実践的なAI研修も提供 | 専門・特化型 |
| 4. 株式会社キカガク | AI・DX人材育成事業が中核。eラーニングや研修プログラムを通じた組織のAIリテラシー向上に強み | 専門・特化型 |
| 5. 株式会社リブ・コンサルティング | 総合経営コンサルティング 豊富なコンサルティング実績と実践的ノウハウを活かし、業務効率化や新規事業開発を支援 | 専門・特化型 |
| 6. 株式会社LIG(リグ) | Web制作・開発会社の実績を基盤に、AI研修、プロトタイプ作成、システム開発までワンストップで提供 | 専門・特化型 |
| 7. 株式会社アドカル (Adcal Inc.) | 生成AIを活用した営業・マーケティングDX専門 高品質なSEO記事作成代行サービス「ハヤブサSEO」に注力 | 専門・特化型 |
| 8. アクセンチュア株式会社 | AI分野に巨額投資 独自のAIプラットフォームやサービス群を活用し、全社的な業務プロセスの「再創造」を支援 | 戦略・総合系 |
| 9. PwC Japanグループ | 監査・法務・税務等の専門家によるタスクフォースを組成 特に「リスク管理」「ガバナンス構築」に深い知見 | 戦略・総合系 |
| 10. デロイト トーマツ コンサルティング | AIの導入戦略と、倫理的で信頼できるAIガバナンスの構築を両立させるアプローチ 自社での大規模導入・工数削減という強力な実績を持つ | 戦略・総合系 |
| 11. KPMGジャパン | PoC(概念実証)から始める段階的アプローチを推奨 AI活用の前提となる「データ利活用基盤の構築」を重視 | 戦略・総合系 |
| 12. 日本アイ・ビー・エム株式会社 | AIプラットフォーム「watsonx」が中核 多種多様の「AIエージェント」を活用した高度な業務自動化に特化 | 開発・実装系 |
| 13. 株式会社日立コンサルティング | 日立グループの研究開発力(Generative AIセンター)と連携 製造業やOT(制御・運用技術)領域にも強み | 開発・実装系 |
| 14. 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) | 大手SIer Azure OpenAI Serviceなどを活用した「セキュアなプライベートAI環境」の構築に強み | 開発・実装系 |
| 15. Ridgelinez(リッジラインズ) | 富士通グループのDXコンサル会社 富士通のAI技術「Kozuchi」やAI倫理の知見を活用した支援が特徴 | 開発・実装系 |
1. 株式会社SHIFT AI

株式会社SHIFT AIは、国内でも最大級のAI活用コミュニティ「SHIFT AI」の運営を中核としている企業です。コミュニティ運営で得られた幅広い業界の知見や最新の活用事例を強みとしています。
同社のコンサルティングは、単にツールを導入するだけでなく、AIを活用できる人材を育てる「AI推進人材育成」に重点を置いているのが特徴です。
専門家が企業の課題を丁寧にヒアリングし、方針の決定から社内環境の整備までを伴奏支援する体制を持っています。導入後も、E-learningや実務的なワークショップを通じて、現場のプロジェクト進行を手助けしてくれます。
大手電機メーカー向けの「生成AI導入コンサルコース」や、大手物流企業向けの「AI推進人材育成コース」など、企業の人材育成に関する実績も豊富です。
2. 株式会社ギブリー (Givery)

出典:株式会社Givery
株式会社ギブリーは、「AIイネーブルメントカンパニー」を掲げています。その言葉が示す通り、生成AI導入における初期の戦略策定から、実際のシステム環境構築、現場での利活用、そして組織全体への浸透まで、AI導入の全行程をカバーする包括的なサービスを提供しているのが特徴です。
セキュアなChatGPT環境を構築できる「法人GAI」や、AIプラットフォーム「MANA Studio」など、複数のAIツールを保有しています。これらのAIツールと、多様な研修・コンサルティングサービスを組み合わせることで、クライアントが抱える様々なニーズに対してワンストップで応えることが可能です。
3. 株式会社AlgoX (AI総研)

出典:株式会社AlgoX
株式会社AlgoX(AI総研)は、AI技術の導入ありきではなく、「コンサルティング・ファースト」のアプローチを徹底している専門ファームです。
その最大の特徴は、ROI(投資対効果)を徹底的に重視する点にあります。まずクライアントの経営課題や業務上の問題を深くヒアリング。そのうえで、最もROIが高くなるAIの活用方法をオーダーメイドで設計・提案します。
サービスは「戦略コンサルティング」「AI開発」「研修サービス」の3つが柱です。特に研修サービスは実践的であることにこだわっており、コンサルタント自身が内容を設計します。「受講者一人あたり月10時間以上の業務削減」といった業務削減実績もあります。
4. 株式会社キカガク

出典:株式会社キカガク
株式会社キカガクは、もともとAIやDX(デジタルトランスフォーメーション)分野の人材を育てる教育事業から始まった会社です。その成り立ちから、コンサルティングサービスにおいても「人」と「教育」を中核に置いている点が強みです。
単にAIツールを導入するだけでなく、従業員がAIを正しく理解し、使いこなすための組織的なスキルアップを重視しています。
具体的なサービスとしては、個々の企業に合わせて内容を調整するカスタマイズ研修や、体系的に学べるeラーニングのプラットフォームを提供しています。
5. 株式会社リブ・コンサルティング

株式会社リブ・コンサルティングは、企業の経営課題全般を支援する総合経営コンサルティングファームです。同社の生成AI支援は、この総合的な経営支援の一部として提供されており、単なるツール導入に留まらないのが特徴です。
強みは、豊富なコンサルティング実績から得られた実践的なノウハウです。社内には「AIXセンター」というAI技術の研究開発を行う専門組織を設置しており、国内外の最新動向や活用事例をデータベースとして蓄積しています。
具体的なサービスとしては、既存業務の効率化(BPA)はもちろん、AIを活用したデータ分析、さらには新規事業開発のプロセス(リサーチや戦略策定)の効率化まで幅広く対応しています。
6. 株式会社LIG(リグ)

出典:株式会社LIG
株式会社LIG(リグ)は、もともとWebサイトの制作やシステム開発で豊富な実績を持つ会社です。その強固な開発基盤を活かし、2023年から生成AIコンサルティングサービスを開始しました。
同社の特徴は、事業戦略の策定から、社員向けの研修・ワークショップ、AIツールの試作(プロトタイプ作成)、実際のシステム開発、そして導入後の保守運用まで、AIソリューションをワンストップで提供できる点です。特に、Web開発で培ったノウハウを活かした業務効率化の支援を得意としています。
また、生成AI戦略の著名な専門家を顧問に迎えており、最新の知見に基づいた研修プログラムを展開している点も強みです。
7. 株式会社アドカル (Adcal Inc.)

出典:株式会社アドカル
株式会社アドカル(Adcal Inc.)は、2023年12月に設立された、営業とマーケティング分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)を専門とするコンサルティング会社です。
比較的新しい会社ですが、創業者は前職の電通デジタルなどで大手クライアントのデジタルマーケティング戦略を担ってきた経歴を持ち、その実践的な知見がサービスの大きな強みとなっています。
同社が特に力を入れているのが、生成AIと人間の編集者が協業し、高品質なSEO記事を作成代行するサービス「ハヤブサSEO」です。その他にも、戦略立案からWeb広告など、営業・マーケティングの現場課題に即したソリューションを提供しています。
8. アクセンチュア株式会社

出典:アクセンチュア株式会社
アクセンチュアは、世界的なコンサルティングファームとして、生成AI分野にも巨額の投資を行っています。同社が目指すのは、単なる業務効率化に留まらず、AIを用いてクライアントビジネスのあらゆる側面を「再創造(Re-invention)」することです。
この方針を支えるため、同社はAI分野に30億ドルという大規模な投資をコミットしています。
大きな強みは、この投資を背景にした独自の技術基盤です。複数のAIエンジンと企業の独自データを連携させる「Accenture AI HUB Platform」や、業界・業務に特化したソリューション群「Accenture AI POWERED Services」などを自社で保有しています。
9. PwC Japanグループ

出典:PwC Japan
PwC Japanグループは、世界的な総合コンサルティングファームであり、そのAI支援は非常に多角的です。最大の特徴は、コンサルティング部門だけでなく、監査、法務、税務といった多様な分野の専門家を集結させた「生成AI専門タスクフォース」を組成している点にあります。
この体制により、同社は「事業化支援」「導入支援」「リスク管理支援」という三位一体のサービスモデルを提供しています。
特に強みを発揮するのが、「リスク管理」と「ガバナンス構築」の領域です。AI導入には情報漏洩や著作権といったリスクが伴いますが、PwCはそうした法務・規制面にも深い知見を持っています。
10. デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

デロイト トーマツ コンサルティングは、AIの導入戦略と、倫理的で信頼できるAIガバナンスの構築を両立させるアプローチを採っています。
同社の最大の強みは、何よりも説得力のある「自社導入の実績」です。デロイトは、自社開発した生成AIツールを全社的に展開し、月間で約10万時間もの工数削減を達成したと公表しています。
実際にツールを開発し、全従業員に研修を行い、利用を定着させるまでの一連の過程で得られた実践的なノウハウこそが、クライアントにとっての価値となります。また、クライアントが最新技術を体験し、新しいアイデアを構想するための拠点として「AI Experience Center」の開設も進めています。
11. KPMGジャパン

出典:KPMGジャパン
KPMGジャパンは、生成AIの導入に対して、非常に実践的で堅実なアプローチを取ることが特徴です。いきなり大規模なシステムを導入するのではなく、まずは小規模な「PoC(概念実証)」から始めることを推奨しています。
また、同社が特に重視しているのが、AI活用の土台となる「データ利活用基盤の構築支援」です。生成AIが賢く動作するためには、良質な社内データが不可欠です。
KPMGは、AIが読み込めるようにデータを整備し、安全に活用できる環境を整えることから手厚く支援します。
特に強みを発揮するのが、「リスク管理」と「ガバナンス構築」の領域です。AI導入には情報漏洩や著作権といったリスクが伴いますが、PwCはそうした法務・規制面にも深い知見を持っています。
12. 日本アイ・ビー・エム株式会社

日本アイ・ビー・エム(IBM)は、長年にわたり企業向けのAI分野で深い専門知識を培ってきた、テクノロジーの巨人です。同社の生成AI支援の中核には、AIプラットフォーム「watsonx」があります。
IBMの最大の強みは、特定の業務を高度に自動化する「エージェント型AI」に特化している点です。これは、単に質問に答えるチャットボットとは異なり、AIが自律的に業務を遂行する仕組みを指します。
この力を示す非常に強力な事例が、自社のグローバル人事業務の変革です。AIエージェントの導入により、デプロイにかかる時間を70%短縮する可能性を秘めています。
13. 株式会社日立コンサルティング

株式会社日立コンサルティングは、日本の大手電機メーカーである日立グループの広範な技術力と研究開発能力を背景に持つコンサルティングファームです。
同社の大きな特徴は、日立製作所内に設置された「Generative AIセンター」と直接的に連携している点です。これにより、データサイエンスやAI倫理、知的財産管理といった分野の深い専門知識を、コンサルティングに活用することが可能です。
特に、セキュリティとガバナンスを重視した安全な導入支援に強みを持っています。また、日立グループが得意とする「スマートマニュファクチャリング」のような製造業の現場や、OT(Operational Technology=制御・運用技術)領域への生成AI適用といった、専門性の高い分野でも支援を行っています。
14. 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、国内でも有数の大手システムインテグレーター(SIer)です。同社は「生成AIアドバイザリサービス」を提供しており、AI導入の初期検討からシステム実装までを幅広く手助けします。
CTCが特に重視しているのは、AI活用に伴う著作権や情報漏洩といった「リスク管理」です。
その強みを具体的に示しているのが、「AOAI環境構築サービス」です。これは、Microsoft Azure OpenAI Serviceなどを活用し、企業の内部文書を学習データとして利用できる、プライベートでセキュアなChatGPTのような環境を構築するものです。このサービスにより、機密情報を外部に出すことなく、企業独自の文脈に合わせた回答をAIに生成させることが可能になります。
15. Ridgelinez株式会社(リッジラインズ)

Ridgelinez(リッジラインズ)は、富士通グループから生まれたDX(デジタルトランスフォーメーション)専門のコンサルティングファームです。「アセスメント(現状評価)」「PoC(概念実証)」「実装」という、構造化された3段階のコンサルティングサービスを提供しています。
同社の最大の強みは、富士通グループの研究開発力を活用できる点です。富士通研究所の最先端AI技術や、AIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」の知見を背景に持っています。
これにより、技術的な先進性はもちろんのこと、富士通が培ってきたAI倫理の研究に基づいた、信頼性の高い導入支援を可能にしている点が特徴です。
生成AIコンサルティングを活用する4つのメリット
自社だけでAI導入を進めるべきか、専門のコンサルティング会社に依頼すべきか、悩んでいる担当者の方も多いでしょう。コンサルティング会社に依頼するには当然コストがかかりますが、それを上回る大きなメリットが存在します。
ここでは、生成AIコンサルティングを活用する主なメリットを4つ解説します。
メリット1. 専門知識がなくても導入・活用がスムーズに進む
AIコンサルティングは、企業の現状をヒアリングした上で、「戦略策定」「実装・開発」「ガバナンス(統制)」「人材育成」という4つの柱で、導入までの道筋を明確にします。
多くの管理職の方が悩むのが、「AIで何かしたいが、具体的に何をすればいいか分からない」という点です。専門のコンサルティング会社を活用する最大のメリットは、この曖昧な課題を「構造化」してくれる点にあります。
例えば、「PoC(概念実証)」と呼ばれる小規模な実証実験を設計・実行し、AI導入による投資対効果(ROI)を分析するなど、具体的なビジネスケースへの落とし込みを手助けしてくれます。社内にAIの専門家がいなくても、スムーズに導入の第一歩を踏み出せます。
メリット2. 社内のAI・IT人材不足を解消できる
データサイエンス、AI倫理、知的財産管理といった、自社だけではカバーしきれない高度な専門知識を、プロジェクトに投入することが可能です。
生成AIの導入が進まない大きな理由の一つに、専門知識を持つ人材の不足があります。コンサルティング会社は、単にツールを開発するだけでなく、彼らが持つ「組織能力」そのものを提供してくれます。
優れたパートナーは、導入後の「内製化」までを見据えています。最終的にクライアント企業自身がAIを運用できるよう、組織が自走するための明確な道筋を示し、持続可能な変革能力が社内に残るよう手助けしてくれるのです。
メリット3. 情報漏洩などのセキュリティリスク対策を徹底できる
AIコンサルティングは、リスクに対応するためのセキュリティ規約や、倫理的な利用を担保する社内ガイドラインの策定を支援します。
生成AIの業務利用において、管理職の方が最も懸念するのがセキュリティリスクです。入力した機密情報が外部に漏洩したり、AIの生成物が他社の著作権を侵害したりする問題は、企業の信用を根本から揺るがしかねません。
例えば、コンサルティング会社によっては、リスク管理のための構造化された策定プロセスを持っています。また、EUのAI規制法といった国内外の新しい法規制への準拠についても、専門的な助言が期待できます。
メリット4. 導入後の社内教育・スキルアップも任せられる
AIコンサルティングは、「チェンジマネジメント(組織変革)」の専門家です。自社の従業員がAIを抵抗なく受け入れ、使いこなせるようにするためのスキルアップ研修や、eラーニングのプログラムを提供してくれます。
高性能なAIツールを導入しても、従業員が使わなければ意味がありません。生成AI導入の最大の壁は、技術的な問題よりも、むしろ「組織的」な問題にあると言われています。
AI活用を一時的なブームではなく、組織の文化として根付かせるための活動を支援してくれる点も、大きなメリットです。
生成AIコンサルティング会社選びで失敗しないための5つのポイント
生成AIコンサルティング会社は数多くあり、それぞれに強みや得意分野が異なります。自社に合わないパートナーを選んでしまうと、「コストだけかかって成果が出ない」という失敗にも繋がりかねません。
ここでは、導入に悩む管理職の方がパートナー選びで失敗しないために、特に重要となる5つのポイントを解説します。
ポイント1. 自社の導入目的に合った専門性・実績があるか
まず最も重要なのは、自社の「戦略的な要請」を明確にすることです。例えば、全社的な事業変革を目指すのか、既存のITシステムとAIを連携させたいのか、それとも特定部署の業務効率化が目的なのかによって、選ぶべきパートナーは全く異なります。
そのうえで、パートナー候補が持つ専門性や実績を確認します。例えば、製造業や金融、小売など、自社と同じ業界での深い知見や支援実績があるかは重要な判断材料です。
また、コンサルティング会社がどのような技術思想を持っているかも確認しましょう。Microsoftなどの既存プラットフォームとの連携を重視するのか(プラットフォーム統合型)、独自のAIツールを開発しているのか(独自開発型)、あるいはゼロから最適なAIを構築するのか(カスタム型)、自社のIT戦略と方向性が合うかを見極める必要があります。
ポイント2. 業務理解・現場への共感力があるか
優れたコンサルティング会社は、AI技術の知識だけでなく、クライアントの「ビジネス課題」や「現場の業務」を深く理解する能力を持っています。AIはあくまで道具であり、それをどうビジネス課題の解決に結びつけるかが重要です。
例えばコンサルティング会社によっては、技術とビジネス課題を繋ぐ専門の役割が存在します。 このように、現場の業務フローを具体的にどう改善できるかを一緒に考え、従業員が効果的にAIを活用できるよう支援(チェンジマネジメント)してくれる姿勢があるかどうかも、大切なポイントです。
単に技術論を語るだけでなく、現場の目線に立ち、業務への共感力を持って伴走してくれるパートナーを選びましょう。
ポイント3. サポート体制は手厚いか(丸投げはNG)
AI導入は、システムを開発して「終わり」ではありません。むしろ、導入したAIをいかに現場に定着させ、継続的に成果を出していくかが重要です。そのため、導入後のサポート体制が手厚いかどうかを必ず確認してください。
理想的なのは、クライアントと一体となって課題解決に取り組む「伴走支援」を重視しているコンサルティング会社です。導入後の長期的な定着を見据えたアフターケアや、運用サポートの体制が整っているかを確認しましょう。
さらに、最終的にはクライアント企業自身がAIを運用できる「内製化」を支援するビジョンを持っているパートナーが望ましいです。「開発は丸投げ」で終わらせず、自社にノウハウが残り、組織が自走できるようになる手助けをしてくれる会社を選んでください。
ポイント4. 費用対効果が明確か
AI導入には相応のコストがかかるため、導入によって得られる費用対効果(ROI)を明確にしたいと考えるのは当然です。「AIで何かできませんか」という曖昧な相談に対して、そのまま高額な開発を提案してくる会社には注意が必要です。
信頼できるパートナーは、「もしも」という曖昧なアイデアを、具体的なビジネスケースへと昇華させる能力を持っています。その一つの方法が「PoC(概念実証)」です。まずは小規模な実証実験を行い、AI導入によってどれだけの効果が見込めるのかROIを明確にする、段階的なアプローチを提案してくれる会社を選びましょう。
例えば、「月10時間以上の業務削減」といった測定可能な成果を最初から目標として設定し、費用対効果を意識した提案をしてくれるかどうかが、一つの見極めポイントになります。
ポイント5. 自社の検討フェーズ(戦略/導入/運用)に合っているか
自社が今、AI導入のどの段階(フェーズ)にいるのかを客観的に評価し、その段階に合った支援をしてくれるパートナーを選ぶことも重要です。AI導入の経験が全くない企業と、すでに一部でAIを活用している企業とでは、必要な手助けが異なります。
もし、まだアイデアが固まっていない初期段階であれば、ユースケース(AIの使い道)を一緒に考えるワークショップなど、アイデア創出から支援してくれる会社が適しています。一方で、導入するAIが決まっているなら、実装・開発の技術力が高いコンサルティング会社がよいでしょう。
重要なのは、実装・開発だけでなく、その後の運用や組織への定着化まで、AI導入のライフサイクル全体を一貫して支援できる体力とノウハウを持っているかどうかです。
生成AIコンサルティングを導入するまでの5ステップ
専門のコンサルティング会社に依頼すると、具体的にどのような流れで導入が進むのでしょうか。一般的なAI導入プロジェクトは、初期のアイデア創出から長期的な運用・定着化まで、大きく5つのステップで構成されます。
ステップ1. 現状のヒアリング・課題定義
プロジェクトの最初のステップは、現状の把握です。コンサルタントが企業の担当者にヒアリングを行い、現在抱えているビジネス上の課題を分析します。
そのうえで、「どの業務にAIを適用できそうか」を探るためのユースケース創出ワークショップなどを実施。また、AIの学習に使える社内データがどれくらいあるか、現在のITインフラ(システム環境)はどうなっているかといった現状評価(アセスメント)も行います。
ステップ2. 導入戦略の策定・提案
次に、ヒアリングした内容を基に、具体的な導入計画を立てます。AIを導入した場合にどれくらいの投資対効果(ROI)が見込めるかを分析し、いつまでに何を実施するかという実行計画(ロードマップ)を作成しましょう。
この段階で、AIを安全に利用するためのルール作りも立案。情報漏洩や著作権侵害などを防ぐための、利用ガイドラインの策定といったガバナンス・リスク管理の計画もここに含まれます。
ステップ3. PoC(実証実験)と開発・導入支援
計画が固まったら、いよいよAIの導入・開発に進みます。多くの場合は、まず「PoC(概念実証)」と呼ばれる小規模な実証実験からスタートです。これにより、AIが本当に業務で役立つのか、具体的な効果を小規模で検証できます。
PoCで効果が確認できたら、本格的な開発・導入に移りましょう。企業の独自データを安全に活用するためのカスタムモデル開発や、社内文書をAIに回答させる「RAG(検索拡張生成)」の仕組みを構築していきます。
ステップ4. 社内研修・ワークショップの実施
AIシステムの導入と並行して、従業員がAIを使いこなせるようにするための教育をしなければなりません。AI導入が成功するかどうかは、現場の従業員がAIを使いこなせるかどうかにかかっています。
コンサル会社は、企業の状況に合わせたカスタマイズ研修や、全社員が学べるeラーニングのプログラムなどを提供し、組織全体のAIスキルを引き上げる手助けをします。
ステップ5. 運用・継続的なサポート
AIの導入が完了した後も、コンサルティング会社の支援は続きます。AIを組織の文化として根付かせるための「チェンジマネジメント(組織変革)」や、現場の担当者と一緒になって課題を解決する「伴走支援」の実施です。
多くの優れたパートナーは、最終的にクライアント企業自身でAIを運用・改善していける「内製化」をゴールとしています。
生成AIコンサルティングの導入に関するよくある質問
最後に、生成AIコンサルティングの導入を検討している方からよく寄せられる、代表的な2つの質問にお答えします。
- Q生成AI導入までにかかる期間はどれくらい?
- A
導入にかかる期間は、プロジェクトの目的や規模によって大きく異なります。一概には言えませんが、一般的な目安として参考にしてください。
まず、特定の課題(例:議事録の要約)に対してAIが有効かどうかを検証する「PoC(概念実証)」は、比較的短期間で実施できます。PoCは、早いものであれば数週間、長くても数ヶ月程度で完了するケースが一般的です。
一方で、PoCの結果を受けて、本格的なシステム開発や、既存の社内システムとの連携を行う場合は、より長い期間が必要です。要件定義から開発、テスト、そして全社展開までを含めると、半年から1年以上かかる大規模プロジェクトになることも珍しくありません。
- Q生成AI導入にあたり自社で準備すべきことは?
- A
コンサルティング会社に相談する前に、自社で準備しておくべきことが3点あります。これらを整理しておくだけで、その後の生成AI導入がスムーズに進みます。
1. 解決したいビジネス課題を明確にする
これが最も重要です。「AIで何かできないか?」という曖昧な状態ではなく、「どの業務の、どの部分を効率化したいのか」という課題を具体的に定義しておきましょう。
2. データやインフラの現状を把握する
AIの学習に使える社内データ(マニュアル、過去の問い合わせ履歴など)がどこにあるか、また現在のITインフラ(システム環境)がどうなっているかを、可能な範囲で評価しておくと話が早くなります。
3. 社内の関係部署との合意形成を進める
AI導入は、情報システム部門だけでなく、実際にAIを使う業務部門や、ルールを管理する法務・総務部門など、多くの部署が関わります。関係部署間である程度の合意を形成しておくことが、導入を円滑に進める鍵となります。
まとめ|自社に合うコンサルティング会社を見つけ、生成AI導入を成功させよう
今回は、おすすめの生成AIコンサルティング会社15選と、導入を成功させるためのメリット、そして失敗しないための選び方について詳しく解説しました。
生成AIの導入は、正しく進めれば自社の業務効率を飛躍的に高める可能性を秘めています。何から手をつければよいか迷っている方は、まずは自社の課題を整理したうえで、信頼できるパートナーに相談することから始めてみてください。
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AIへの意識と行動をSHIFTする法人向け支援サービス
「生成AIを導入したけど、現場が活用できていない」「ルールや教育体制が整っていない」
株式会社SHIFT AIでは、そんな課題に応える法人向け支援サービスを展開しています。
導入活用支援
AI顧問
AI導入・活用に向けて、業務棚卸しやPoC設計などを柔軟に支援。
社内にノウハウがない場合でも安心して進められます。
経営コミュニティ
AI経営研究会
経営層・リーダー層が集うワークショップ型コミュニティ。
AI経営の実践知を共有し、他社事例を学べます。
研修
SHIFT AI for Biz
現場で活かせる生成AI人材の育成に特化した研修パッケージ。
eラーニングとワークショップで定着を支援します。
