「TeamsでCopilotを使いたいのに表示されない」「ライセンスを割り当てたはずなのに有効化できない」──そんな声が多く聞かれます。
Copilot for Teamsは会議の議事録作成やチャット要約を自動化できる便利な機能ですが、利用するにはいくつかの前提条件設定手順をクリアする必要があります。

本記事では、

  • Copilot for Teamsを利用するための必須条件
  • 管理者が行う有効化設定手順
  • 「表示されない/使えない」場合の原因と対処法
  • 導入前に押さえておくべき注意点と運用ルール

を徹底的に解説します。

まずCopilot for Teamsの全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
Copilot for Teamsとは?会議議事録・チャット要約・タスク管理を効率化する使い方

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目次
  1. Copilot for Teamsを使うための利用条件
    1. Microsoft 365 Copilotライセンス必須
    2. Teamsアプリの最新バージョンが必要
    3. 管理者によるライセンス割り当て・ポリシー設定
    4. 対応環境(更新チャネル、クラウド要件)
    5. 利用条件まとめ(表形式)
  2. Copilot for Teamsを有効化する手順
    1. 管理者設定(Microsoft 365 管理センター)
    2. ユーザー側の操作
  3. Copilotが有効化できないときの原因と対処法
    1. Q1. ライセンス未付与 → 管理者に確認・再割り当て
    2. Q2. 文字起こし機能が無効 → Teams管理センターで有効化
    3. Q3. Teamsアプリが古い → 最新版にアップデート
    4. Q4. ポリシーや権限不足 → IT部門に依頼し設定変更
    5. トラブルシュート表(原因 → 対処法)
  4. 注意点とリスク
    1. 機密情報の扱い(情報漏洩リスクと運用ポリシー整備)
    2. 精度過信による誤用(人のチェック必須)
    3. 社員リテラシー差による活用ばらつき
    4. コスト(ライセンス追加費用の負担)
    5. 導入前に確認すべき4項目チェックリスト
  5. 導入ステップ(成功までの流れ)
    1. 小規模チームでPoC(効果検証)
    2. 社内ルール/ナレッジ整備
    3. セキュリティと権限設計
    4. 全社展開ロードマップ
  6. 導入効果(有効化で得られるメリット)
    1. 議事録自動化で1会議あたり▲30分削減
    2. 会議後すぐに議事録・タスク共有 → 意思決定スピード2倍
    3. 社員の負担軽減・残業削減 → 働き方改革につながる
  7. まとめ:Copilot for Teamsを有効化して業務効率化を実現

Copilot for Teamsを使うための利用条件

Copilotはすぐに誰でも使えるわけではありません。利用できる環境や契約条件が整っていなければ、Teams上にCopilotが表示されない、または機能が制限されることがあります。ここでは有効化に必要な条件を整理します。

Microsoft 365 Copilotライセンス必須

  • 対応プラン:Microsoft 365 E3/E5、Business Standard/Business Premium
  • 追加費用:1ユーザーあたり月額30ドル前後(約4,500円)
  • 注意点:Teams単体の契約では利用できず、あくまでMicrosoft 365 Copilotの一部として提供されます。

Teamsアプリの最新バージョンが必要

  • デスクトップ/モバイルいずれも最新バージョンに更新する必要があります。
  • 古いバージョンではCopilotのボタンが表示されない場合があります。

管理者によるライセンス割り当て・ポリシー設定

  • Microsoft 365 管理センターでライセンスをユーザーに割り当てることが必須です。
  • Teams管理センターで「レコーディング」「文字起こし」を有効化していないとCopilotは動作しません。
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対応環境(更新チャネル、クラウド要件)

  • 更新チャネル:対象機能がリリースされているアップデートチャネルである必要があります(半期チャネルでは反映が遅れる場合あり)。
  • クラウド要件:Microsoft 365 クラウド環境(商用テナント)で利用可能。オンプレミスや一部教育向けライセンスでは未対応のケースがあります。

利用条件まとめ(表形式)

項目必須条件注意点
ライセンスMicrosoft 365 Copilot(E3/E5、Business Standard/Premium)Teams単体では不可
Teamsアプリ最新バージョン古いとCopilotが表示されない
管理者設定ライセンス割り当て+Teams管理センターでのポリシー有効化「文字起こし」「録画」が前提
更新チャネル最新機能が反映されるチャネル半期チャネルでは利用開始が遅れる
クラウド環境Microsoft 365 商用テナント教育・政府機関ライセンスは制約あり

「ライセンスを買ったのに使えない」というケースの多くは、アプリ未更新・管理者設定不足・更新チャネルの違いが原因です。

Copilot for Teamsを有効化する手順

Copilotを利用できる環境が整っていても、設定が正しく行われていなければTeams上に「Copilot」ボタンは表示されません。ここでは、管理者が行う設定ユーザーが行う操作に分けて手順を解説します。

管理者設定(Microsoft 365 管理センター)

  1. Copilotライセンスの割り当て
    • Microsoft 365 管理センターにアクセス
    • 「ユーザー」→「アクティブユーザー」から対象者を選択
    • ライセンス割り当て画面で Microsoft 365 Copilot を付与
  2. Teams管理センターで「レコーディング・文字起こし」を有効化
    • Teams管理センターにサインイン
    • 「会議ポリシー」から「クラウド録画」「文字起こし」を有効化
    • Copilotはこの文字起こし機能を基盤として動作するため、必須設定
  3. ポリシー設定でCopilot利用を許可
    • 「アプリ管理」からCopilotアプリを有効化
    • 利用を制限している場合は「特定ユーザー/グループに許可」に設定
    • ポリシーが反映されるまで数時間かかることもあるため注意

ユーザー側の操作

  1. Teamsクライアントを最新化
    • デスクトップ/モバイルアプリを最新バージョンに更新
    • 更新後、再ログインすることでCopilotアイコンが表示されることがあります
  2. 会議/チャットで「Copilotを開く」操作
    • 会議中:画面上部の「…(その他)」メニューから「Copilotを開く」を選択
    • チャット/チャネル:入力欄横に表示される「Copilot」ボタンをクリック
  3. ボタンが出ない場合のチェックポイント
    • 管理者からライセンスが割り当てられているか
    • ポリシーが有効になっているか
    • アプリの更新が反映されているか
    • ネットワーク制約や権限不足がないか

 実際の会議でCopilotをどう活用できるか整理したい方は、以下をご覧ください。

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Copilotが有効化できないときの原因と対処法

「ライセンスを割り当てたのにボタンが表示されない」「会議中に有効化できない」といった声は多くあります。Copilot for Teamsが利用できない場合には、いくつかの典型的な原因があります。それぞれの原因と対処方法を整理しておきましょう。

Q1. ライセンス未付与 → 管理者に確認・再割り当て

  • 原因:Microsoft 365 Copilotライセンスがユーザーに付与されていない
  • 対処:Microsoft 365 管理センターから対象ユーザーにライセンスを再割り当て

Q2. 文字起こし機能が無効 → Teams管理センターで有効化

  • 原因:会議の「クラウド録画」「文字起こし」機能がオフになっている
  • 対処:Teams管理センターで会議ポリシーを編集し、文字起こしを有効化
  • 補足:Copilotは文字起こしデータを利用するため、この設定は必須です

Q3. Teamsアプリが古い → 最新版にアップデート

  • 原因:クライアントアプリが古いため、Copilot機能が反映されていない
  • 対処:Teamsを最新版に更新(デスクトップ/モバイル)し、再ログイン

Q4. ポリシーや権限不足 → IT部門に依頼し設定変更

  • 原因:組織のポリシーや管理者設定によりCopilotが制限されている
  • 対処:IT管理者に確認し、アプリ権限や利用ポリシーを見直してもらう

トラブルシュート表(原因 → 対処法)

症状原因対処法
Copilotが表示されないライセンス未付与管理者にライセンス再割り当て依頼
会議中に使えない文字起こし無効Teams管理センターで「文字起こし」を有効化
ボタンがグレー表示アプリが古いTeamsを最新版にアップデート&再ログイン
一部ユーザーだけ使えないポリシーや権限不足IT部門に依頼しアプリ権限を確認・調整

注意点とリスク

Copilot for Teamsは会議効率化の強力なツールですが、導入・運用にあたってはいくつかのリスクを理解しておく必要があります。これを軽視すると、思わぬトラブルや投資対効果の低下につながりかねません。

機密情報の扱い(情報漏洩リスクと運用ポリシー整備)

Copilotは会議中の発言や共有ファイルを参照して要約を生成します。そのため、顧客情報・個人情報などの機密データをどう扱うかを明確にするポリシーが不可欠です。

例:外部会議でCopilotを使用する際は「社外秘データは口頭で共有しない」などのルールを徹底。

精度過信による誤用(人のチェック必須)

Copilotの要約やタスク抽出は高精度ですが、誤認識や抜け漏れゼロではありません。そのまま外部共有すると誤情報拡散のリスクがあります。

必ず人による最終チェックを組み込み、「AI出力は下書き」と位置付ける運用が安心です。

社員リテラシー差による活用ばらつき

Copilotはプロンプトの工夫によって効果が大きく変わります。社員ごとの理解度や使いこなし度合いによって、「便利」「使えない」で評価が二極化する可能性があります。

 初期導入時にAIリテラシー研修を実施し、全員が基本的な操作とプロンプトの使い方を習得することが定着のカギです。

コスト(ライセンス追加費用の負担)

Copilotは追加ライセンス契約が必要です。全社導入すると数十万円〜数百万円単位のコストになるケースもあり、ROI(投資対効果)の試算が欠かせません。

小規模導入(PoC)で効果を測定し、段階的に拡大する方法が現実的です。

導入前に確認すべき4項目チェックリスト

  1. 情報管理ポリシーは整備されているか?
  2. 人による最終チェック体制を運用フローに組み込めるか?
  3. 社員のAIリテラシー研修を導入初期に実施できるか?
  4. ライセンス費用とROIを経営層に説明できる試算があるか?

導入ステップ(成功までの流れ)

Copilot for Teamsは便利ですが、いきなり全社展開すると混乱や活用ばらつきが発生することがあります。導入を成功させるには、段階的に進めるロードマップが欠かせません。以下のステップを参考にしてください。

小規模チームでPoC(効果検証)

  • まずは会議数が多い部門(営業・プロジェクト管理など)で試験導入を行いましょう。
  • 「議事録作成にかかる時間削減」「タスクの抜け漏れ削減」など、数値で効果を検証します。
  • 小さな成功事例を積み上げてから社内展開すると、経営層や他部門の理解を得やすくなります。

社内ルール/ナレッジ整備

  • Copilotの活用精度を高めるには、最新のマニュアル・FAQ・社内規程が整備されていることが重要です。
  • あわせて「社外秘情報を口頭で共有しない」「AI出力は人がチェックする」などの運用ルールを明文化しましょう。

セキュリティと権限設計

  • CopilotはTeams上のチャットや会議内容にアクセスします。
  • 誰がどのデータにアクセスできるかを設計し、権限を最小限に設定することがセキュリティ確保につながります。
  • 特に情報システム部門と連携し、アクセス制御とログ管理を徹底しましょう。

全社展開ロードマップ

  • フェーズ1:試験導入した部門での成功事例を共有
  • フェーズ2:他の主要部門へ展開
  • フェーズ3:全社導入、定着に向けた教育とルール強化

Copilotの全体導入プロセスについてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

Copilot for Teamsとは?会議議事録・チャット要約・タスク管理を効率化する使い方

導入効果(有効化で得られるメリット)

Copilot for Teamsを有効化することで得られる効果は、単なる便利さにとどまりません。会議の質を高め、意思決定を早め、働き方改革に直結するインパクトがあります。

議事録自動化で1会議あたり▲30分削減

従来は議事録作成に30〜60分を要していた会議でも、Copilotを有効化すれば要約と決定事項の整理が自動化されます。
月10回の会議なら、年間で60時間以上の削減につながります。

会議後すぐに議事録・タスク共有 → 意思決定スピード2倍

通常は議事録が配布されるまでに数日かかることもありますが、Copilotなら会議終了と同時に要点・アクションアイテムを共有可能
次のアクションに即移れるため、意思決定スピードが2倍に向上するケースもあります。

社員の負担軽減・残業削減 → 働き方改革につながる

記録係の業務から解放されることで、社員は議論や意思決定に集中できます。
その結果、残業時間削減・業務負担軽減につながり、従業員満足度や働き方改革の推進にも直結します。

効果を最大化するには社員教育がカギ

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まとめ:Copilot for Teamsを有効化して業務効率化を実現

Copilot for Teamsは、議事録作成やチャット要約を自動化し、業務効率を大きく高めるツールです。しかし、利用を始めるには次の3つの条件が欠かせません。

  • ライセンスの取得(Microsoft 365 Copilotの契約が前提)
  • 管理者による設定(ライセンス割り当て・文字起こし有効化・ポリシー設定)
  • ユーザー側の操作(Teamsアプリ最新化・会議中のCopilot起動)

トラブルが発生した際は、まず 「ライセンス/文字起こし設定/アプリ更新」 を確認するのが早道です。

さらに、導入を全社的に定着させるには、社員教育によるAIリテラシー向上社内ルール整備が不可欠です。これらを組み合わせることで、Copilotの効果を最大限に引き出せます。

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Q
Copilot for Teamsを有効化するには何が必要ですか?
A

Microsoft 365 Copilotライセンス(E3/E5、Business Standard/Premium)と、管理者によるライセンス割り当て・Teams管理センターでの「文字起こし」有効化が必要です。さらにTeamsアプリを最新化しておく必要があります。

Q
Copilotのボタンが表示されません。どうすればいいですか?
A

ライセンス未付与、文字起こし機能オフ、Teamsアプリ未更新、ポリシー制限などが原因の多くです。管理者にライセンスや設定を確認してもらい、アプリを最新バージョンに更新してください。

Q
管理者権限がない一般ユーザーでも有効化できますか?
A

いいえ。基本的に管理者がライセンス割り当てとポリシー設定を行う必要があります。ユーザー自身でできるのは「Teamsアプリを最新に更新する」など一部に限られます。

Q
文字起こしを有効化していないとCopilotは使えませんか?
A

はい。Copilotは会議の文字起こしデータを基に要約や議事録を生成するため、文字起こし機能は必須です。

Q
中小企業でもCopilot for Teamsを使えますか?
A

可能です。利用人数を絞れば月数万円規模から導入できます。全社展開前に小規模チームで試験導入(PoC)するのがおすすめです。

Q
無料でCopilot for Teamsを試せますか?
A

一部企業向けにトライアル環境が提供される場合がありますが、基本的には有料ライセンス契約が必要です。

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