Trello(トレロ)は、誰でも直感的に使える視覚的なタスク管理ツールとして世界中で利用されています。複数の案件を同時に進めていると、「どのタスクが進んでいて、どれが止まっているのか」が見えづらくなり、情報共有や進捗管理が滞るケースは少なくありません。特に、Excelやメール中心で管理している中小企業では、タスク漏れやメンバー間の認識違いが大きな課題になりがちです。
この記事では、Trelloの基本的な仕組みや料金プラン、主な機能や特徴、導入前に知っておくべき注意点、さらには実際の使い方までを分かりやすく解説します。無料から始められるため導入ハードルも低く、チームの生産性向上に直結しやすいツールです。Trelloを導入することで、プロジェクトの「見える化」と効率的な進行管理を実現し、自社の業務改善に役立てましょう。
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そもそもTrelloとは
Trello(トレロ)は、豪アトラシアン社(Atlassian)が提供するクラウド型のタスク・プロジェクト管理ツールです。2011年に登場して以来、世界中の企業やチーム、個人に広く使われています。最大の特徴は、カンバン方式(トヨタの生産管理に由来する進捗管理手法)をベースにしていることです。
Trelloでは、プロジェクト全体を示す「ボード」、作業工程を表す「リスト」、個別のタスクを示す「カード」という3つの要素で管理します。カードをドラッグ&ドロップするだけで進捗を更新でき、視覚的にチーム全員が状況を把握できるのが大きな魅力です。
さらに、カードには担当者や期限、チェックリスト、添付ファイル、コメントを設定でき、タスクの詳細を一元管理できます。Google DriveやSlackなど外部ツールとの連携も可能で、ビジネスから教育、個人のToDo整理まで幅広いシーンで活用されています。直感的なUIと柔軟な拡張性を兼ね備えたTrelloは、シンプルかつ強力な業務管理基盤として、多くの組織から選ばれているのです。
Trelloのプラン一覧を比較
Trelloには、チームの規模や活用目的に応じて選べる4つの料金プランが用意されています。無料から始められるため導入ハードルは低く、必要に応じて有料プランへ移行できる柔軟さも魅力です。以下の表で違いを整理しました。
プラン | 月額料金(年払い/1ユーザー) | ボード上限 | 添付ファイル容量 | 自動化コマンド回数 | 主な機能 |
Free | 無料 | 10枚 | 10MB | 250回 | 基本機能、担当者・期限設定、モバイルアプリ |
Standard | 約5ドル | 無制限 | 250MB | 1,000回 | 詳細チェックリスト、カスタムフィールド |
Premium | 約10ドル | 無制限 | 250MB | 無制限 | ダッシュボード、タイムライン、カレンダー表示、AI支援 |
Enterprise | 約17.5ドル〜(50ユーザー以上契約) | 無制限 | 250MB | 無制限 | 組織管理、SSO、強固なセキュリティ機能 |
Trello Free(無料プラン)
無料で利用できる個人・小規模チーム向けのプランです。基本的なタスク管理やカードの作成、リスト整理はすべて可能です。
ただし、ボード数は10枚まで、添付ファイルは10MBまでという制限があります。2024年以降はメンバー数が10人に制限されるなど、拡張性には限界があるため注意が必要です。
Trello Standard(標準プラン)
中小規模チームにおすすめのプランです。無制限のボード作成や250MBまでの添付ファイルが可能になり、詳細チェックリストやカスタムフィールドで柔軟な管理ができます。
月額5ドルと導入コストが低いため、「まず有料機能を試してみたい」チームに最適です。
Trello Premium(上位プラン)
複数プロジェクトを同時に進める企業やチーム向けです。ダッシュボードやタイムライン、カレンダーなどの多様なビュー機能により、進捗状況を可視化しやすくなります。さらにAI機能「Atlassian Intelligence」が利用でき、効率化を後押しします。
Trello Enterprise(エンタープライズプラン)
大規模組織やセキュリティ要件の厳しい企業向けの最上位プランです。シングルサインオン(SSO)や権限管理、監査ログなど、全社レベルでの統制に対応しています。最低50ユーザーからの契約となるため、中小企業よりもグローバル企業や大規模組織での活用が想定されます。
Trelloを自社に導入するならこのプラン!
自社に最適なプランを選ぶためには、チームの規模・管理したいプロジェクトの複雑さ・セキュリティ要件を基準に判断することが大切です。Trelloは無料から使えますが、成長フェーズによって必要な機能が大きく変わります。
まず、個人利用や小規模チーム(10人以下)で「まずは試してみたい」という段階なら、Freeプランで十分です。基本的なカード・リスト・ボードを用いた管理ができ、コストをかけずに導入の効果を体感できます。ただし、メンバー数やファイル容量に制限があるため、長期的に使うなら不便さが出てきます。
次に、中小企業で複数プロジェクトを同時進行する場合は、Standardプランがおすすめです。無制限のボードやカスタムフィールドを利用することで、タスクの粒度を細かく管理できます。料金も1人あたり月5ドルと抑えられ、投資対効果が高いプランです。
さらに、進捗の可視化やレポーティング機能を重視するチームはPremiumプランを選ぶと良いでしょう。タイムライン表示やAIによる効率化支援など、複数の案件を俯瞰してマネジメントする際に効果を発揮します。
一方で、大規模な組織や情報管理の厳格さを求める企業にはEnterpriseプランが最適です。セキュリティ強化、権限管理、全社的な統制を行いたい場合に欠かせない仕組みが揃っています。
導入目的とチーム規模に応じて、無理なく始められるプランを選択することが、Trelloを長期的に活用する第一歩となります。
Trelloの主な特徴
Trelloは、シンプルさと柔軟性を兼ね備えたツールとして、幅広い業界で導入されています。その大きな特徴を理解することで、自社の活用イメージもつかみやすくなります。
視覚的で直感的な操作性(カンバン方式)
Trelloは「ボード」「リスト」「カード」の3要素で構成されます。
- ボード:プロジェクト全体
- リスト:作業工程(例:ToDo/進行中/完了)
- カード:個々のタスク
カードをドラッグ&ドロップするだけで進捗を更新でき、誰が何を担当しているのかが一目でわかります。直感的なUIのため、初めて使う人でもすぐに慣れるのが特徴です。
豊富なカスタマイズと外部連携(Power-Up)
TrelloはPower-Up(拡張機能)により柔軟にカスタマイズできます。
- Google DriveやSlackとの連携
- カレンダービューやガントチャート追加
- 200種類以上の外部サービスとの統合
また、テンプレートも豊富に用意されており、営業管理・人事・教育など業種別の使い方にすぐ適用できます。これにより、Trelloは単なるタスク管理を超えて、業務ハブとして活用できるのが強みです。
自動化機能(Butler)とAIによる効率化
TrelloにはButlerと呼ばれる自動化機能があり、ルールを設定すれば定型作業を自動で処理できます。
例えば「カードが完了リストに移動したら通知を送る」「毎週月曜に定期タスクを作成する」といった設定が可能です。
さらに、上位プランではAtlassian Intelligence(AI)が利用でき、カード説明文の草案作成、タスク要約、多言語翻訳などを自動で行ってくれます。これにより、意思決定のスピードが上がり、メンバーの負担軽減につながります。
Trelloを自社に導入するメリット
Trelloは単なるタスク管理ツールにとどまらず、チーム全体の生産性向上を後押しする仕組みを持っています。導入によって得られる代表的なメリットを整理してみましょう。
タスク進捗の可視化と漏れ防止
Trelloの最大の強みは、進捗状況を視覚的に把握できることです。ボード上で「ToDo」「進行中」「完了」といったリストを作成し、カードを移動させるだけで状況が一目で分かります。担当者や期限もカードに紐づけられるため、「誰が、何を、いつまでに」という情報が明確になり、タスクの抜け漏れを防止できます。
チーム間の情報共有と連携強化
タスクの背景情報やファイル、コメントをすべてカード内に集約できるため、プロジェクトの情報を一元管理できます。メールやチャットで散在しがちな情報をTrelloにまとめることで、意思疎通がスムーズになり、進捗共有の手間が減ります。アクティビティログも残るため、更新履歴が確認でき、透明性の高いチーム運営が可能です。
業務効率化と生産性向上
自動化機能「Butler」を活用すれば、ルーチンワークを自動処理でき、社員がより重要な業務に集中できます。また、SlackやGoogle Driveなど外部ツールとの連携により、複数のアプリを行き来する時間を削減し、作業効率が大幅にアップします。結果として、限られたリソースでより多くの成果を上げられる環境が整うのです。
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Trelloを自社に導入する前に知っておくべきポイント
Trelloは便利で使いやすいツールですが、導入前に理解しておくべき注意点もあります。これを把握しておくことで、導入後のトラブルを避け、より効果的に活用できるようになります。
情報公開範囲の設定に注意が必要
Trelloのボードは「非公開」「チーム」「公開」という3種類の公開範囲を選べます。「公開」設定にすると、インターネット上の誰でも閲覧できる状態になってしまうため、機密情報や社内資料が漏洩するリスクがあります。
実際に過去には、公開設定を誤ったことで情報が流出した事例もありました。導入時にはメンバー全員に公開範囲のルールを周知し、Enterpriseプランなどのセキュリティ強化機能を活用することが推奨されます。
モバイルアプリ利用時の操作性
Trelloはスマートフォンアプリも提供しており、外出先から進捗確認やタスク更新が可能です。ただし、PC版に比べると画面構成が縦長表示に制限されるため、一度に見られるリストが少ないという使い勝手の違いがあります。
加えて、一部の拡張機能(Power-Up)はモバイルアプリでは制限されるケースがあるため、メインの運用はPC、モバイルは補助的に使うのが望ましいです。
無料プランの制限を理解しておく
TrelloのFreeプランは非常に便利ですが、ボード数10枚・ファイル容量10MB・自動化回数250回/月・メンバー上限10人といった制限があります。小規模な利用には十分ですが、チームが拡大したりプロジェクトが複雑化したりすると不足を感じることがあります。
その際には、Standard以上の有料プランへの移行がスムーズに行えるよう、あらかじめコストや必要機能を見積もっておくことが重要です。
Trelloの始め方・使い方
Trelloは、初心者でもすぐに使い始められるシンプルさが魅力です。アカウント作成からチームでの活用までの流れを整理してみましょう。
アカウント作成と初期設定
まずはTrelloの公式サイトにアクセスし、Googleアカウントまたはメールアドレスで登録します。登録は数分で完了し、すぐに最初のボードを作成できます。アカウント作成後にチームメンバーを招待したり、利用目的を選択したりする画面が出ますが、これらは後から変更可能です。
デスクトップアプリやスマホアプリも用意されているため、自分の働き方に合わせて環境を整えましょう。
ボード・リスト・カードの基本操作
Trelloの基本構造は「ボード」「リスト」「カード」です。
- ボード:1つのプロジェクト全体を管理
- リスト:作業工程(例:未着手/進行中/完了)を整理
- カード:タスクそのもの
カードをクリックすると、詳細説明や期限、担当者、チェックリスト、添付ファイルなどを追加できます。さらにカードはドラッグ&ドロップで移動できるため、進捗の更新が視覚的にわかりやすいのが特徴です。
チームでの活用方法
チーム利用では、Trelloの真価が発揮されます。
- タスク割り当て:カードごとに担当者を設定
- 期限管理:締切日を設定すると自動通知が届き、遅延を防止
- コメントとログ:カード上でやり取りができ、履歴も残るため透明性が高い
- 外部ツール連携:Google Driveでファイル共有、Slackで通知、Jiraで課題管理といった形で業務の中心ハブとして活用可能
このように、Trelloは個人のタスク管理からチーム全体のプロジェクト進行まで幅広く対応でき、少人数のチームでもすぐに業務効率化を実感できるでしょう。
まとめ|Trelloを正しく導入すればチームの生産性は大きく向上する
Trelloは、ボード・リスト・カードというシンプルな仕組みでタスクを「見える化」し、個人からチーム、さらには大規模な組織まで幅広く活用できるツールです。無料プランでも基本機能は十分ですが、チーム規模やセキュリティ要件に応じて有料プランを選ぶことで、効率性と安全性をさらに高められます。
一方で、公開範囲の設定や無料版の制限といった注意点もあるため、導入前に理解しておくことが重要です。適切に使いこなせば、情報共有のスピードは飛躍的に高まり、タスク漏れや進捗遅延のリスクも減少します。
自社の規模や目的に合ったプランを選び、Trelloをプロジェクト運営の基盤として取り入れることで、チーム全体の生産性向上につなげていきましょう。
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Trelloに関するよくある質問
- QTrelloの無料プランでできることは?
- A
無料プランでもカード作成やタスクの進捗管理など基本的な機能は利用できます。ボードは10枚まで、添付ファイルは10MBまで、決められたフローの自動化は月250回までという制限はありますが、個人や小規模チームの利用には十分対応可能です。
- QTrelloは日本語に対応していますか?
- A
はい、日本語表示に対応しています。初期設定では英語になっている場合もありますが、アカウント設定から日本語を選択すれば、すぐに切り替えることができます。
- QTrelloは個人利用とチーム利用どちらに向いていますか?
- A
どちらにも向いています。個人利用ではToDo管理や学習計画の整理に役立ち、チーム利用ではタスクの可視化や進捗共有、ファイルやコメントを一元管理することで連携がスムーズになります。
- QTrelloのセキュリティは安全ですか?
- A
TrelloはAtlassian社が提供するクラウドサービスで、通信や保存データは暗号化されています。さらに有料プランでは、シングルサインオンや権限管理などセキュリティ機能が強化されています。ただし、ボードの公開設定を誤ると外部に情報が漏れる可能性があるため、設定ルールの徹底が重要です。
- Q他のツール(AsanaやNotion)との違いは?
- A
Trelloは「直感的な操作性」と「シンプルさ」が強みです。ガントチャートや詳細なワークフロー管理はAsanaに優位性があり、文書管理やナレッジ共有ではNotionが強力です。一方でTrelloは導入が容易で、カンバン方式のタスク管理に特化しているため、初めてプロジェクト管理ツールを導入する企業に向いています。
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