「Copilotの便利な使い方を知りたいが、どの業務でどう使えば成果が出るのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。Copilotは無料で試せる範囲と、Word・Excel・Teamsに本格統合される有料版で「できること」が大きく変わり、ここを理解しないまま使うと「便利ではない」という印象で止まります。本記事では、プラン別の違い、業務別のユースケースとコピペで使えるプロンプト例、2026年時点の最新機能、そして組織への定着までを、AI経営総合研究所が​独自に取材した先行企業の活用実態​を交えて整理します。

弊社では、Copilotの運用成功に役立つ資料を配布しています。プロンプトの設計や社内ルールの考え方、社内体制の整備方法などが分かる内容です。Copilotを使いこなせるようになる、AIを組織に根付かせるヒントになる内容ですので、ぜひご活用ください。

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目次
  1. Copilotとは?基本機能とできることをおさらい
    1. Microsoft 365 Copilotの概要
    2. 主要アプリ(Word / Excel / PowerPoint / Outlook / Teams)でできること
    3. 種類とラインナップの整理
  2. Copilotのプラン別にできることの違い(無料版・Copilot Pro・Microsoft 365 Copilot)
    1. 無料版でできること
    2. 業務利用に有料版が必要な理由
    3. プランの選び方
  3. Copilotの便利な使い方【業務別ユースケース】
    1. 資料作成(PowerPointでの自動スライド、要約から図表化)
    2. データ分析(Excelでの関数提案・自然言語での集計)
    3. コミュニケーション(Outlookでのメール要約・返信文作成)
    4. 会議効率化(Teamsでの議事録生成・アクション抽出)
    5. ナレッジ活用(社内文書検索・長文要約)
    6. 開発・IT部門での活用(コード補完・トラブル解説)
  4. そのまま使える業務別プロンプト例集【コピペ可】
  5. Copilotをさらに便利に使うためのプロンプト設計のコツ
    1. 役割指示で精度を高める(例:「あなたは営業マネージャーです」)
    2. フォーマット指定(表/箇条書き/3行要約)で実務に直結させる
    3. 失敗例と改善プロンプト(比較表形式)
    4. 社内共有できるプロンプト集を作るメリット
  6. Copilotの最新機能の使い方(2026年版)
    1. エージェント機能(業務特化のCopilotを作る)
    2. Deep Research(複数ソースを横断する深い調査)
    3. Notebooks(関連資料をまとめて扱う)
  7. 実際に使うときの注意点と限界
    1. 誤情報・生成ミスのリスク
    2. セキュリティ・社外秘情報の取り扱い
    3. 利用者ごとのスキル差による「属人化」の危険性
  8. Copilotを組織で根付かせるための工夫
    1. パイロット導入 → 勉強会での横展開
    2. 社内ルール・ガイドライン策定(入力禁止事項など)
    3. KPI設計(利用率、時間削減量、満足度)で定着を測る
    4. 成功企業の共通点(例:経営層の支援/現場からのボトムアップ)
  9. 他社の取り組み|テルモ・村田製作所に学ぶCopilotの組織定着
    1. テルモ株式会社|全社一斉ライセンス付与で管理職から利用を後押し
    2. 株式会社村田製作所|約2万人への研修と「漫画風記事」で浸透を加速
  10. まとめ|Copilotの便利な使い方を定着させるカギは「プロンプト×研修」
  11. よくある質問
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Copilotとは?基本機能とできることをおさらい

Microsoft 365 Copilotは、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsに統合され、自然言語の指示だけで資料作成・データ分析・メール返信・会議要約を支援するAIアシスタントです。「指示を出す→草案を作る→人が仕上げる」という役割分担で、考える作業の一部を肩代わりします。

Microsoft 365 Copilotの概要

Microsoft 365 Copilotは、日常的に使う業務アプリの内側にAIを組み込んだ点が最大の特徴です。ChatGPTと同系統の大規模言語モデルを基盤にしながら、自社のメール・ファイル・予定といった「業務の文脈」を踏まえて回答を生成します。別のツールに切り替えて使う生成AIと違い、作業中の画面のまま指示を出せるため、ツールの往復という手間がなくなります。

主要アプリ(Word / Excel / PowerPoint / Outlook / Teams)でできること

アプリごとに得意な作業は異なります。代表的なものを整理します。

アプリ主にできること
Word長文の要約、文章のリライト、論理構成の整理、トーン変更(ビジネス調/カジュアル等)
Excelデータの傾向分析、グラフ自動作成、関数・数式の自然言語生成
PowerPointテキストやWord資料からのスライド自動生成、デザイン・レイアウト提案
Outlook長文メールの要約、返信文の下書き、スケジュール調整の提案
Teams会議のリアルタイム要約、アクションアイテム(次のステップ)の抽出

どのアプリでも共通するのは、Copilotが草案を作り、人が内容を確認して仕上げる流れで使える点です。

種類とラインナップの整理

Copilotは「無料で使えるもの」「個人向けの有料プラン」「法人向けの有料プラン」で機能差が大きく、まず自分がどれを指しているかを整理する必要があります。プランごとの違いと選び方は、次のセクションで具体的に解説します。

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Copilotのプラン別にできることの違い(無料版・Copilot Pro・Microsoft 365 Copilot)

Copilotは、無料版(Microsoft Copilot/Microsoft 365 Copilot Chat)、個人向け有料プラン、法人向けのMicrosoft 365 Copilotで「できること」が段階的に広がります。Word・Excelアプリ内での本格活用や社内データ連携は、有料の法人向けプランで利用できます。

無料版でできること

無料で使える範囲は2つあります。1つはMicrosoftアカウントで使えるWeb・アプリ版のMicrosoft Copilotで、チャット・文章生成・画像生成などに対応します。もう1つは、対象のMicrosoft 365サブスクリプション契約者が追加費用なし(月額¥0)で使える「Microsoft 365 Copilot Chat」です。こちらはWebを基盤としたチャットが中心で、一部アプリと連携します。ただし、Word・Excel・PowerPoint・Outlookのアプリ内に深く統合された資料生成やデータ分析は、無料の範囲では限定的です。個人での検証や軽い調べ物には十分使えます。

業務利用に有料版が必要な理由

業務でCopilotを「成果につながる道具」として使うには、有料の法人向けプランが必要になります。理由は3つあります。1つ目は、Word・Excel・PowerPoint・Teamsのアプリ内で、資料作成・データ分析・会議要約といった作業を直接実行できるようになることです。2つ目は、SharePointやOneDrive上の社内文書を踏まえた回答や、社内データとの連携が可能になることです。3つ目は、情報漏洩を防ぐためのセキュリティ制御やアクセス管理が用意されていることです。無料版はあくまで体験用、業務の本番投入は有料版という線引きになります。

プランの選び方

選び方は利用規模とセキュリティ要件で決まります。個人や少人数で試すなら無料版から、デスクトップアプリで本格的に使いたい個人なら個人向けMicrosoft 365、全社展開やセキュリティ重視なら法人向けのMicrosoft 365 Copilotが基本線です。料金は下表のとおりです(金額は変動するため、契約前に公式ページで確認します)。

プラン月額(公式)主な用途・できること
Microsoft Copilot(無料)/Microsoft 365 Copilot Chat¥0(Chatは対象M365契約者向け)チャット・文章生成・画像生成中心。アプリ内の深い統合は限定的
個人向けMicrosoft 365(Personal/Premium)Personal ¥2,130/Premium ¥3,200デスクトップアプリのCopilotを上限拡大で利用。個人・小規模向け
Microsoft 365 Copilot(法人向け・Business)¥3,148(年払い・税別、別途対象M365サブスク必須)全アプリ統合・社内データ連携・Copilot Studio/エージェント・セキュリティ制御。上限300ユーザー

法人向けプランには初年度のプロモ価格(¥2,698・年払い税別、2025年12月1日〜2026年6月30日)が設定されています。月払いの単価は公開情報が変動しているため、最終的な金額は公式pricingで確認します。なお、個人向けの上位プラン(Premium)は一般に「Copilot Pro」相当の使い方を指して語られることが多いものの、名称と提供範囲は更新されるため、購入時に公式表記を確認します。

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Copilotの便利な使い方【業務別ユースケース】

Copilotが「便利」と実感できるのは、具体的な業務に組み込めたときです。資料作成・データ分析・コミュニケーション・会議効率化・ナレッジ活用・開発支援の6カテゴリで、現場で役立つ使い方を紹介します。

資料作成(PowerPointでの自動スライド、要約から図表化)

PowerPointのCopilotは、ゼロからのスライド作成を自動化します。テキストやWord資料を入力すれば、その内容から構成案とスライドを生成し、要点を図表や箇条書きに整理します。操作はPowerPointのリボン(上部メニュー)に表示されるCopilotボタンから呼び出し、指示文を入力する流れです(ボタンの位置や呼び出し方は更新されるため、公式で案内されている操作に従います)。

  • 提案資料や営業プレゼンのたたき台を数分で準備できます
  • デザイン調整やレイアウトもAIが提案します
  • 下準備の時間を減らし、内容の検討に集中できます

データ分析(Excelでの関数提案・自然言語での集計)

ExcelのCopilotは、数式や関数に不慣れでも自然言語で集計・分析を依頼できます。「過去3か月の売上推移をグラフ化して」「顧客ごとの購入回数の平均を出して」と入力するだけで、関数や可視化を自動で実行します。操作はExcelのリボンに表示されるCopilotボタンを開き、対象データを選んだ状態で依頼内容を入力します(データはテーブル形式にしておくと精度が上がります)。

  • 数式の知識がなくても高度な分析ができます
  • データから傾向や異常値を素早く把握できます
  • レポート作成までの時間を短縮できます

コミュニケーション(Outlookでのメール要約・返信文作成)

OutlookのCopilotは、長文メールの要約や返信文の自動下書きに対応します。「要点を3行でまとめて」「フォーマルなトーンで返信文を作成して」といった指示を処理します。操作は対象メールを開いた画面に表示されるCopilot(要約・下書き)のボタンから呼び出します(表示位置はバージョンで異なるため、公式で案内されている操作に従います)。

  • 要約で確認時間を短縮できます
  • 返信のトーンや言い回しを自動で調整できます
  • 多数のメールを処理する管理職・営業職の負担を軽くします

会議効率化(Teamsでの議事録生成・アクション抽出)

TeamsのCopilotは、会議中の発言をリアルタイムで要約し、議事録を自動生成します。「次のアクション」「担当者」を抜き出して整理するため、会議後のタスク管理までつながります。操作は会議画面(またはチャット画面)に表示されるCopilotアイコンをクリックして呼び出します。会議で要約を使うには事前の有効化やレコーディング設定が前提になる場合があり、手順はTeamsのCopilotを有効化する方法で詳しく解説しています。

  • 議事録作成の手作業を減らせます
  • 会議後のアクションの見落としを防げます
  • リモートや多拠点のチームでも透明性を保てます

ナレッジ活用(社内文書検索・長文要約)

Copilotは、SharePointやOneDrive上の文書を横断的に検索し、必要な情報を要約して提示します。膨大な社内資料を探し回る手間が減り、意思決定までの速度が上がります。操作はTeams内のCopilotチャットやMicrosoft 365 Copilotのチャット画面に、探したい内容を質問する形で依頼します(検索対象は権限のある社内文書に限られます)。

  • 社内マニュアルや過去の提案書から必要な情報を抽出できます
  • 要約で要点だけを効率的に把握できます
  • ナレッジの再利用が進み、属人化を防げます

開発・IT部門での活用(コード補完・トラブル解説)

Copilotはプログラミング支援にも対応します。コード補完やエラー解説を即座に提示するため、開発の速度と品質が上がります。多言語対応やAPI連携を行うIT部門で効果が出やすい領域です。

  • 繰り返し処理や定型コードを自動生成できます
  • エラーメッセージの意味や解決方法を提示します
  • 新人エンジニアの育成や学習効率化にも役立ちます

このように、Copilotは幅広い用途で活用可能です。だからこそ、AIの適切な使い方を理解する、社内体制を整えておくことが重要になるでしょう。

プロンプト例や導入の進め方をまとめて確認したい場合は、以下のリンクから資料をご覧ください。

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そのまま使える業務別プロンプト例集【コピペ可】

業務別に「役割指示+具体指示+出力形式」をひとまとめにしたプロンプトを用意すると、Copilotの出力は一気に実務向きになります。よく使われる代表的なプロンプトの型は、次の5つです。

  1. 営業提案書の作成
  2. 議事録の整理
  3. メール返信の自動化
  4. Excelでのデータ集計
  5. プレゼン資料の骨子作成

以下はそのままコピーして使えるプロンプト例です(業務に合わせて固有名詞や数値を差し替えます)。さらに多くの型を知りたい場合はCopilotのプロンプト例集も参考になります。

業務シーンコピペできるプロンプト例(役割+指示+出力形式)
営業提案書あなたは中小企業向けクラウドサービスの営業マネージャーです。製造業の総務部長に向けて、コスト削減効果を軸にした提案文を300字で作成してください。最後に「次回打ち合わせの提案」を1文で添えてください。
議事録要約あなたは議事録担当です。以下の会議メモを「決定事項」「未決事項」「担当者と期限」の3見出しに分けて整理してください。各項目は箇条書きで、1項目40字以内にしてください。
メール返信あなたはカスタマーサポート担当です。以下の問い合わせに対し、要望を肯定しつつ納期を2週間後に調整する返信文を200字・フォーマルなトーンで作成してください。
Excel集計添付の売上データについて、月別・商品カテゴリ別の売上合計を集計し、前月比の増減率を付けた表にしてください。増減が大きい上位3項目をコメントで補足してください。
資料骨子あなたは経営企画担当です。「生成AIの全社展開計画」のプレゼン骨子を、課題・施策・KPI・スケジュールの4部構成で作成してください。各部はスライド1枚分の見出しと要点3点にまとめてください。

プロンプトは個人で抱えず、表のまま社内ドキュメント化して共有すると、誰でも同じ品質の成果を再現できます。

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Copilotをさらに便利に使うためのプロンプト設計のコツ

Copilotを「便利」と感じるかは、プロンプト(指示文)の設計で大きく変わります。役割の付与・出力形式の指定・改善例の蓄積という3つのコツで、同じ依頼でも精度と実用度が上がります。

役割指示で精度を高める(例:「あなたは営業マネージャーです」)

プロンプトに「役割」を与えると、出力は格段に実務的になります。「提案文を書いて」ではなく「あなたは営業マネージャーです。中小企業向けにクラウドサービスを提案する資料を作成してください」と指示すると、トーンや切り口が現実的になります。人事・法務・マーケティングなど、部門ごとに役割指定を工夫します。

フォーマット指定(表/箇条書き/3行要約)で実務に直結させる

出力形式を指定すると、そのまま資料に貼れる成果物が得られます。

  • 「3行で要約してください」
  • 「表形式で比較してください」
  • 「箇条書きでメリット・デメリットを整理してください」

形式を先に決めるだけで、長すぎる文章や用途に合わない出力を避けられます。

失敗例と改善プロンプト(比較表形式)

うまくいかないプロンプトと、改善後のプロンプトを並べると違いが明確になります。

シーン失敗プロンプト改善プロンプト
提案書作成提案文を書いてあなたは営業マネージャーです。中小企業向けにクラウドサービス導入を提案する文章を300字で作成してください
データ要約レポートをまとめて5000字のレポートを3行で要約し、結論を強調してください
メール返信返信文を書いて顧客へのフォーマルな返信文を200字で作成してください。相手の要望を肯定しつつ、納期を2週間後に調整する内容を盛り込んでください

「どこをどう直すか」を具体的に示すと、読み手の理解と実践につながります。

社内共有できるプロンプト集を作るメリット

便利なプロンプトは個人で抱えず、社内で共有します。

  • 属人化を防ぎ、誰でも同じ質の成果を得られます
  • 業務効率化のナレッジが蓄積されます
  • ベストプラクティスが組織内に広がります

全社展開を目指す企業では、プロンプト集を研修で紹介し、定期的に更新する仕組みが成果を左右します。

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Copilotの最新機能の使い方(2026年版)

2026年時点のMicrosoft 365 Copilotでは、業務特化のエージェント作成、複数資料を横断する深い調査、関連ファイルをまとめて扱うノートブック機能などが公式で案内されています。機能名や提供範囲は更新が早いため、利用前に公式情報で確認します。

エージェント機能(業務特化のCopilotを作る)

公式で案内されている範囲では、Copilot StudioやAgent Builderを使い、自社の業務に特化したエージェントを作成できます。問い合わせ対応や社内ナレッジ検索など、定型的な業務を担うエージェントを部門ごとに用意する使い方が想定されています。専門的な開発知識がなくても作成できる仕組みが用意されており、現場主導での内製につながります。具体的な作成手順や利用可能範囲はプランによって異なるため、公式ドキュメントで確認します。

Deep Research(複数ソースを横断する深い調査)

公式で案内されている範囲では、複数の社内資料やWeb上の情報を横断し、深く調べてレポート形式で整理する「リサーチ」系のエージェント機能が提供されています。市場調査や競合分析、社内文書を踏まえた論点整理など、人手では時間のかかる調査作業を支援する位置づけです。出力はあくまで草案として扱い、事実確認と最終判断は人が担います。対応モデルや利用条件は変わるため、利用前に公式情報を確認します。

Notebooks(関連資料をまとめて扱う)

公式で案内されている範囲では、関連する資料やファイルを1つのノートブックにまとめ、その内容を文脈として保持したまま質問や生成を行える機能が用意されています。プロジェクト単位で資料を束ねておけば、毎回ファイルを指定し直す手間がなくなり、文脈を踏まえた回答を得やすくなります。機能の名称・提供範囲は順次拡張されているため、最新の対応状況は公式ページで確認します。

実際に使うときの注意点と限界

Copilotは業務効率化に効果を発揮しますが、万能ではありません。誤情報・セキュリティ・属人化という3つのリスクを理解し、正しく運用することで初めて成果が安定します。

誤情報・生成ミスのリスク

生成AIであるCopilotは、常に正しい情報を返すとは限りません。

  • 数値データを誤って集計します
  • 出典を示せないまま事実のように回答します
  • 文脈を誤解して不自然な提案を返します

こうしたケースは少なくありません。出力をそのまま鵜呑みにせず、人間による検証・修正が欠かせません。

セキュリティ・社外秘情報の取り扱い

もう1つの大きなリスクが情報漏洩です。機密性の高い情報をそのまま入力すると、情報管理の観点で問題になります。顧客情報・契約書・社内戦略資料は特に注意が必要です。多くの企業は次の対策を取っています。

  • 入力禁止情報のルールを策定します
  • 利用ログをモニタリングします
  • セキュリティを担保した法人向けプランを利用します

利用者ごとのスキル差による「属人化」の危険性

Copilotは誰でも使える反面、利用者のスキルや経験で成果に差が出ます。

  • プロンプトが上手な人は高品質な成果を得られます
  • 苦手な人は使いこなせず「便利ではない」と感じてしまいます

この状態を放置すると「使える人だけが得をする」属人化が進み、組織全体の生産性向上にはつながりません。解決策は、社内でのプロンプト教育と共有の仕組みを整え、研修や勉強会で標準化することにあります。

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Copilotを組織で根付かせるための工夫

Copilotは個人で便利に使えても、組織全体への定着は別の課題になります。導入後に「使う人と使わない人が分かれる」状態を避けるには、パイロット導入・ルール整備・KPI設計・経営層の後押しを組み合わせることが定着の条件になります。

パイロット導入 → 勉強会での横展開

最初から全社導入を狙わず、一部部門でのパイロット導入から始めます。

  • 小規模チームで実証し、成果と課題を検証します
  • 勉強会で成果を社内に共有します
  • 他部門への展開をスムーズに進めます

「まず試す→成功体験を共有→社内に波及」の流れを意識すると、利用率が着実に伸びます。

社内ルール・ガイドライン策定(入力禁止事項など)

Copilot活用には、ルール作りが欠かせません。例えば次のガイドラインを定めます。

  • 機密情報や個人情報は入力を禁止します
  • 出力内容は必ず人間が確認します
  • 推奨プロンプトや活用例を共有します

ルールを整備すると、利用者が迷わず安心して使える環境が作れます。

KPI設計(利用率、時間削減量、満足度)で定着を測る

効果を測定しなければ「結局使われなかった」という事態になります。次のKPIで定着を測ります。

  • 利用率:どのくらいの社員が使っているか
  • 時間削減量:資料作成や議事録にかかる工数の減少
  • 利用者満足度:業務に役立った実感の有無

定量・定性の両面で効果を測ると、経営層への説明や次の投資判断につながります。

成功企業の共通点(例:経営層の支援/現場からのボトムアップ)

Copilotを定着させている企業には共通点があります。

  • 経営層が推進役となり、利用を後押ししています
  • 現場が自発的に使い方を工夫し、ボトムアップで広げています
  • 社内研修やコミュニティでノウハウ共有を習慣化しています

トップダウンとボトムアップの両輪がかみ合っている点が共通項です。

他社の取り組み|テルモ・村田製作所に学ぶCopilotの組織定着

Microsoft 365 Copilotを全社で定着させた企業の進め方は、ガイドラインやKPIといった一般論だけでは見えてきません。ここでは、AI経営総合研究所が独自に取材した先行企業の活用実態から、Copilotを組織に根付かせた2社の取り組みを紹介します。

テルモ株式会社|全社一斉ライセンス付与で管理職から利用を後押し

テルモ株式会社では、生成AIを次世代の企業競争力を決める技術と位置づけ、希望者の個別申請制から転換して全社員にMicrosoft Copilotライセンスを一斉付与しました。さらに約40部署にAIエージェントを作成できる人材を配置する市民開発を進め、文献調査や法律情報の整理で数時間かかっていた作業を短縮しています。同社は「​​管理職の皆さんがAI活用に後ろ向きな姿勢を示すと、部下の人たちも使いづらい雰囲気になってしまいます。​​」と語っています。

注目すべきは、​​ライセンスを配るだけでなく、管理職の姿勢を定着のレバーに据えた点​​です。Copilotの利用率を上げるには、ツール配布と並行して上長が率先して使う空気づくりが効きます。

詳細はテルモ株式会社のインタビュー記事で紹介しています。

株式会社村田製作所|約2万人への研修と「漫画風記事」で浸透を加速

株式会社村田製作所では、現場の自発的な動きを事業成長につなげるため、国内間接従業員約2万人を対象に研修を実施しました。AIの利活用度を5段階で定義し、レベル4以上が70%超という社内指標を中期経営計画に組み込んでいます。浸透の工夫として、社内報で漫画風記事を使ったツール紹介に取り組みました。同社は「​​漫画風記事でのツール紹介は、まずはこんなものがあるよと知ってもらうために、短時間でさっと読めて理解しやすいものがいいんじゃないかというアイデアから生まれました​​」と語っています。

注目すべきは、​​利活用度を数値で定義し、学びへの心理的ハードルを下げた点​​です。Copilotを「触ってみたくなる」状態にする工夫が、全社規模の浸透を後押しします。

詳細は株式会社村田製作所のインタビュー記事で紹介しています。

2社に共通する設計思想​​:①経営・管理職が率先して利用を後押しする ②全社員へ等しく利用機会を配る(一斉付与・全社研修) ③「使ってみたくなる」工夫で心理的ハードルを下げる(市民開発・漫画風記事)。Copilotの定着は、ツール導入そのものではなく、利用を当たり前にする仕組みづくりで決まります。

まとめ|Copilotの便利な使い方を定着させるカギは「プロンプト×研修」

Copilotは、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsなど日常業務のあらゆる場面で使える便利なAIアシスタントです。本記事では、プラン別にできることの違い、業務別のユースケースとコピペで使えるプロンプト例、プロンプト設計のコツ、2026年時点の最新機能、運用時の注意点、そして組織への定着策を整理しました。

要点は次の2つです。

  • 個人レベルでは、プロンプトの工夫(役割指示・フォーマット指定・改善例の蓄積)が成果を分けます
  • 組織レベルでは、研修やルールづくりを通じて「共通の使い方」を浸透させることが定着のカギになります

Copilotを「便利そう」で終わらせず「成果につなげる武器」として活かすには、自社に合った導入・定着の仕組みづくりが欠かせません。して活かすには、自社に合った導入・定着の仕組みが不可欠です。

以下の資料では、プロンプトの設計や社内ルールの考え方、社内体制の整備方法などの基礎知識を解説しています。Copilotを使いこなせるようになる、AIを組織に根付かせるヒントになる内容です。ぜひご活用ください。

導入の次は定着。現場にCopilotを根づかせる3冊(計94ページ)。

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よくある質問

Q
Copilotは無料でどこまで使えますか?
A

Microsoftアカウントで使えるWeb・アプリ版のMicrosoft Copilotと、対象Microsoft 365契約者向けの「Microsoft 365 Copilot Chat」(月額¥0)が無料で使えます。チャットや文章生成、画像生成は無料の範囲で対応します。ただし、Word・Excel・PowerPointなどのアプリ内に深く統合した資料生成やデータ分析を本格的に使うには、法人向けのMicrosoft 365 Copilot(年払い時¥3,148/月・税別、別途対象M365サブスク必須)が必要になります。

Q
CopilotとChatGPTの違いは何ですか?
A

CopilotはMicrosoft 365に組み込まれた業務支援AIで、Word・Excel・Teamsや社内データと連携する点が強みです。ChatGPTはより汎用的なAIで、自由な会話や発想支援に向いています。社内の既存ファイルや予定を踏まえた作業はCopilot、ツールに依存しない汎用的な相談はChatGPTという使い分けが現実的です。

Q
Copilotは日本語やスマホでも使えますか?
A

非日本語に対応しており、日本語での指示・出力が可能です。スマートフォンでも、Microsoft CopilotアプリやモバイルのOffice/Teamsアプリを通じて利用できます。ただし、画面サイズや機能の都合で、複雑な資料作成やデータ分析はPC環境のほうが扱いやすいため、外出先での確認・要約はスマホ、本格的な作成はPCという併用が便利です。

Q
Copilotの最新のエージェント機能はどう使いますか?
A

公式で案内されている範囲では、Copilot StudioやAgent Builderを使い、問い合わせ対応や社内ナレッジ検索などを担う業務特化のエージェントを作成できます。専門的な開発知識がなくても作成できる仕組みが用意されており、現場主導の内製につながります。機能名や提供範囲、利用条件は更新が早いため、導入前に公式ドキュメントで確認します。

Q
社内でCopilotが定着しない場合の対策は?
A

多くの場合「使う人と使わない人の差」が原因になります。一部部門でのパイロット導入から始め、勉強会で成功体験を共有し、プロンプト集を社内で共有する流れが定着を後押しします。あわせて、利用率や時間削減量といったKPIを設定し、経営層・管理職が率先して使う空気をつくると定着が進みます。