いつもAI経営総合研究所をご覧いただきありがとうございます。AI経営総合研究所を運営するSHIFT AIの髙橋です。
「生成AIを全社に広げたい。研修も外部にお願いしたい」——そんなご相談が増えています。ツールを選び、研修の予算を組み、あとはお願いする先を探すだけ。一見、段取りのいい進め方に見えます。
ですが、私たちのところに届くご相談や、私がこれまで取材で見てきた現場をふり返ると、生成AIが社内に浸透しない会社の多くは、実はこの段階で一度つまずいています。
最初に確かめたいことは、いつも同じです。「もう現場の誰かが生成AIを実際に使ったり、社内への浸透を試みましたか?」という一点。たいていの場合、答えは「いえ、まだほとんど」。今日はこの話を、取材や支援の現場で見てきた範囲でお伝えします。生成AIの社内浸透や活用を、これから外部と一緒に進めようとしている方に読んでいただきたい内容です。
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「ツールと研修を入れれば浸透する」と考えると、たいてい後悔する
生成AIの浸透で一番もったいないのは、現場の実態がまだ見えていない状態で、「このツールを入れて、この研修をやれば広がるはず」と先に決めてしまうことだと思っています。
ツールを決め、研修パッケージを決め、予算を組んでからお願いする先を探す。もしくは、社内人員で研修を実施する。
一見、上記は段取りが良いように見えます。ですが生成AIの領域は、半年でできることが変わります。それこそ、いま話題のAIエージェントは、ここまで業務を変革できるのか、と実際の現場側としても驚くばかりです。
実態が見えないうちに固めた計画は、たいてい現場の使い方とズレていて、しかも一度社内で通した決定は簡単には引き返せません。「全社員に同じ研修を一度だけ」と決めた一行が、その後ずっと浸透の足かせになることもあります。
先に必要なのは、立派な導入計画ではなく、「自社の現場は、いま何にどう使えていないのか」を知ることだと思います。
そして、これは後回しにするほど高くつきます。全社に展開してから「ほとんど使われていない」と分かると、かけた研修費や時間はそのまま無駄になり、巻き戻しの社内調整まで必要になります。逆に言えば、動き出す前に一度だけ壁打ちして現場の実態に合わせておくだけで、その無駄はかなり消えます。前倒しで相談することは、追加の大きな投資もいらず、いちばん効率のいい一手だと思っています。
私のおすすめは、「依頼」ではなく「壁打ち」から始めること
以前このメディアで、生成AIは「ツール」ではなく「壁打ち相手」として使うと真価を発揮する、という話を書きました。実は外部の支援を受けるときも、まったく同じだと思っています。
最初から「研修を依頼する相手」を探すのではなく、「壁打ちの相手」を見つける。自社の状況をぶつけて、「それ、本当に全社研修が要りますか?」「まずこの部署から、こう広げた方が早いのでは?」と、耳の痛いことまで返してくれる相手と、まず話す。そのうえで、どこから・誰に・どう広げるのかを決める。この順番にするだけで、「入れたのに使われない」はかなり減ります。
では、どんな相手と壁打ちすればいいのか。選ぶときに見てほしいのは、過去の実績一覧だけではありません。「その担当者が、いま自分の手で最新のAIを触っているか・理解しているか」だと思います。変化が速い領域なので、半年前の知識はもう古い。きれいな提案書より、いまの現実を教えてくれる人のほうが、頼りになります。
私が取材した2社も、「一緒に考える相手」から選んでいた
ここで、SHIFT AI for Bizをご利用いただいた企業様として、私が実際に取材させていただいた2社の話を紹介させてください。
浄化槽メーカーのフジクリーン株式会社さんは、支援内容や機能だけではなく「一緒に社内体制を作って活用を広げていく」という伴走のスタンスを決め手にSHIFT AIを選んでくださいました。座学だけではなく、業務の棚卸しから実践までを一緒に試行錯誤するワークショップを重ねた結果、全社員の生成AI利用率は15%から50%へと伸びています。依頼の前に「どう進めるか」を一緒に壁打ちできたことが、定着につながったのだと思います。
医療・介護・教育を手がけるメディクルード(元気グループ)さんは、グループで30法人以上あり、そのうち約9割がAI未経験という状態からのスタートでした。重視されたのは、「現場でこういうことをやりたいんだけど、どうしたらいいか分からない」という課題を、そのままぶつけられる相談相手がいること。AI顧問という形で“壁打ち”を重ねながら進めた結果、いまでは多くの社員が毎日のように生成AIに触れ、各法人が独自の活用にまで踏み出しています。
2社に共通するのは、依頼内容を固めてから探したのではなく、「一緒に考えてくれる相手」を先に見つけ、相談や壁打ちを始めていた点です。
【診断】まずは“ひとり壁打ち”を30秒で
とはいえ、いきなり誰かに相談するのも気が重い、という方もいると思います。そこで、ここまでの話を5つの質問にまとめて、自分で“壁打ち”できる簡易診断を用意しました。考えを整理するつもりで、気軽に試してみてください。
30秒・5問でわかる
AIは、決めてから外部に頼むと手遅れになりやすい領域です。知見のないまま固めた制約は、後から競合との差として効き続けます。いまの進め方に“見えないリスク”がないか、5問でチェックします。
所要約30秒/結果はその場で表示されます
1 / 5 問
いまの進め方のままで進めた場合のリスクと、外部をどこから使うと効くかを、具体的にお伝えします。
AI推進「内製だけで間に合う?」診断 | 提供:SHIFT AI for Biz
もう研修・支援を依頼してしまった方へ
すでに依頼を進めてしまった、という方もいるかもしれません。その場合に一番避けたいのは、「もう走り出したから」と、そのまま全社へ広げてしまうことです。使われないまま全社展開してしまうと、研修費や時間、それに巻き戻しの手間も、後になるほど大きくなります。
だからこそ、走り出していても、ここで一度だけ立ち止まってほしいと思います。まずは一つの部署や小さな範囲に絞り、そこを「本当に使われるか」を確かめる壁打ちの場にする。現場のつまずきを見てから、広げ方を決め直す。早く手を打つほど、傷は浅く済みます。
「いまの場所から、壁打ちを一回はさむ」。動き出した後でも、それが一番安く立て直せる順番だと思います。
最初の壁打ち相手に、私たちを使ってほしい
生成AIの社内浸透は、「依頼」から始めると後悔しやすく、「壁打ち」から始めるとうまくいきやすい。私が取材や現場で見てきた範囲では、この差はかなり大きいと感じています。
全社に広げるべきか、まず一部署から始めるべきか、その前に現状を壁打ちすべきなのか。その見極めを、ツールや研修を決めるより前に置くほうが、結果的に早く・深く浸透します。
もちろん、いま相談・壁打ちがしやすいパートナーがいれば、そこの企業に依頼をするのがスムーズです。しかし、もし自社のケースで迷ったら、本格的に依頼する前の壁打ち相手として、私たちを使っていただければと思います。
もし社内だけで「依頼前の壁打ち」を進めるのが難しければ、ぜひ一度ご相談ください。私たちが御社の状況に合わせて、現状を整理するところから一緒に取り組みます。
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「生成AIを導入したけど、現場が活用できていない」「ルールや教育体制が整っていない」
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