グループ30法人でAIを"当たり前"にする
第一歩を踏み出せた
写真左から、株式会社メディクルード 社長室 チーフマネージャー 山田 純様、管理本部 部長 佐藤 潤様
導入企業プロフィール
- 企業名
- 株式会社メディクルード(元気グループ)
- 事業内容
- 医療・介護・教育など30以上の法人を擁する元気グループの中核企業。病院、介護施設、幼稚園、歯科・美容医療クリニックなど、多様な事業を横断しながら各法人の課題解決を推進。
- 従業員規模
- グループ全体で30法人以上(8,000人以上)
- 導入サービス
- AI顧問(コンサルティング・ワークショップ)、e-ラーニング研修
- 導入目的
- グループ全体の約9割がAI未経験の状態から、事業特性の異なる30以上の法人にAIを一気に浸透させるため。
株式会社メディクルードは、医療・介護・教育など30以上の法人を擁する元気グループの中核企業の一つです。
生成AIの波が社会全体に広がる中、同グループでは代表の強い危機感のもと、グループ全体でのAI浸透プロジェクトが始動しました。しかし、約9割の社員がAIに触れたことすらないという出発点。業種も職種もまったく異なる30以上の法人に、どうやってAIを届けるのか――。
今回は、グループのAI推進を統括する佐藤様・山田様に導入背景と戦略を伺うとともに、実際にAIを現場で使い始めた6つの法人の方々に、そのリアルな変化を語っていただきました。
代表の危機感から始まった、グループ全体でのAI導入
――グループ全体で生成AIの活用を検討されたきっかけを教えてください。
2024年ごろから、ChatGPTは世間的に使われるようになっていました。しかし、グループ内でAIを日常的に使っているメンバーはごく一部に限られていたんです。代表としては「事務職は全員がExcelやWordと同じようにAIを当たり前に使えている状態にしないと、世間から遅れを取る」という強い危機感がありました。そのため、早急にボトムアップをしなければいけない。一気に浸透させるにはどうしたらいいか――その思いからプロジェクトが動き出しました。
――当時、社内ではどのような課題がありましたか?
興味のある人は自分で勝手にやっている一方で、苦手な人は「ちょっと怖いです」というレベルでした。どこかでみんなで一緒に勉強するタイミングが必要だと感じていましたね。
新しいAIツールがどんどん出てくる中で、何を使うのか・何を使うべきかという選定から入る必要がありました。それにはグループ内で統一した動きを取ったほうが良いだろうと。また、実際にレクチャーをしてみると、ChatGPTを使う以前にアカウントの作り方がわからないという方もいて。「使ったほうがいいよ」と言われても、そもそもの入口で30分かかってしまう。もっと手前からサポートが必要な現場もありました。
SHIFT AIを選んだ決め手は「個別対応力」と「情報の鮮度」
――他社とも比較検討された中で、SHIFT AIを選ばれた決め手は何でしたか?
グループの中でひとつのビジネスだけをしているわけではないので、事業ごとに課題も違えば、AIに対するレベル感も異なります。デスクワークが得意な人への指導と、「AIが怖い」という現場の方へのフォローでは、やり方をカスタマイズする必要がある。SHIFT AIが提供するAI顧問であれば、そうした個別の課題にきめ細かく対応いただけると感じました。
加えて、e-ラーニングのコンテンツの更新頻度ですね。AI関連の情報は正直2〜3ヶ月で陳腐化してしまう。その中で早めに更新いただけるという説明がありましたし、実際にYouTubeでもかなり高い頻度で最新情報を発信されていたので、信頼できると感じました。
代表のコミットメントが、グループ全体の熱量を変えた
――今回の取り組みを、グループとしてどのようなフェーズと捉えていますか?
まさに「0→1」のファーストステップです。代表の危機感とは裏腹に、AIリテラシーはほぼゼロのスタッフが9割ほど。とにかくきっかけづくりとして、一気に底上げする必要がありました。
――浸透を加速させるために工夫されたことはありますか?
代表自らがe-ラーニングの学習進捗をモニタリングして、「あと何時間残ってるぞ」「この期間でここまでやるぞ」と発信し続けたんです。ツールを入れただけで放置すると、数週間で見なくなる人が出てきます。代表が本気で注力しているという意思が伝わることで、「自分もやらなきゃ」という空気がグループ全体に広がりました。
法人ごとの進捗が見えることで、お互いに刺激し合える雰囲気もできましたね。競争というよりは、みんなで一緒に同じ期間で走った感覚です。
AI顧問での壁打ちが、現場の「困った」を解決に変えた
――SHIFT AIとの取り組みの中で、印象的だったことはありますか?
AI顧問での壁打ちが非常に良かったです。決まった枠の中で一方的にレクチャーを受けるのではなく、「現場でこういうことをやりたいんだけど、どうしたらいいかわからない」という課題をそのままぶつけられる。例えば「この動画を解析したいんだけど」と聞いたら、「こういうツールでこうすればできますよ」とリアルタイムでディスカッションしながら教えていただけた。個別の課題に対して具体的なアドバイスをもらえたのが、本当に助かりました。
今後の展望とSHIFT AIへの期待
――今後、グループ全体でAIをどのように広げていきたいですか?
デスクワークをメインとする人たちについては、3年後と言わずもっと早く、ExcelやWordと同じ感覚でAIを当たり前に使える状態にしたい。一方で、患者さんや利用者さんに直接触れる現場の方々については、その方々が使うツール自体がAIで動いているという環境を整備していくのが理想です。
――SHIFT AIに今後期待することをお聞かせください。
e-ラーニングの更新頻度にはさらに期待しています。AI関連の情報は数週間で古くなってしまう中で、YouTubeなら当日に最新情報が上がる。ユーザーとしてはなるべく早く、しかも信頼できる情報がコンテンツとしてアップされることを楽しみにしています。SHIFT AIが上げている情報は「正しい情報だ」という信頼があるので、そこがより早く更新されると嬉しいですね。
e-ラーニングやAI顧問によって我々としても変われたのは確かですが、それよりも「変われていなかった状態」を想像するだけでも恐ろしいですね。SHIFT AIのおかげで、全社として意識が変革されたと実感しています。
また、我々は教育の事業にも関わっているのですが、中学生や高校生はもう当たり前のようにAIをパートナーにしています。そうした若者が正しくAIを使えるよう、企業向けだけでなく学生に対してもアプローチしていただけたらと思っています。
現場のリアル――6つの法人、それぞれの変化
ここからは、実際にAIを使い始めた各法人の方々に、現場でのリアルな変化を伺いました。
【Part2 座談会ご参加者】
株式会社メディクルード 社長室 石橋 美希様(石橋様)
社会福祉法人元気村グループ かわぐち翔裕園 副施設長 山川 潤様(山川様)
社会福祉法人元気村グループ 栗橋ナーシングホーム翔裕園 課長 馬場 良太様(馬場様)
学校法人元気共生学園 明星幼稚園 園長 山田 里津子様(山田園長)
株式会社サンガジャパン しゃくじい台翔裕館 施設長 佐藤 彰一様(佐藤施設長)
医療法人社団鴻愛会 OKP with Lifeクリニック 事務長 長島 渉様(長島様)
「0→1は確実に進んだ」――メディクルード本体の手応え
――現時点でのグループ内の生成AI活用状況を、率直に教えてください。
各部署の状況をアンケートで確認したところ、「かなり使えている」あるいは「一部では手応えがある」という回答がほとんどでした。使い方としてはアイデア出し、壁打ち、叩き台の作成を中心に、ほとんどの人が今では毎日のようにChatGPTをはじめとする生成AIに触れています。全社的な底上げという意味では、0だった人が1になるステップは確実に進んだと感じています。
ただ、クリエイティブに新しいものを生み出すところまでは、部署によって差があります。今後はナレッジをシェアして個別最適から全体最適へという動きをより一層強めていきたいです。
「危機感が、動き出すきっかけになった」――介護施設の現場から
――介護の現場では、AIはどのように受け止められていますか?
部署や施設によって差は大きいですね。Excelでの資料作成や上への報告資料はAIで作っています。ただ、現場はどうしても介護の記録ツールを使う必要があるので、そこにAIを直接埋め込めるかというと、まだそこまでではありません。
とはいえ、昨今のAIトレンドもあり、「業務でもAI活用がスタンダードになる時代なんだ、使わなきゃいけないんだ」という危機感が芽生えて、そこから関心をもち、使い始めた人が多いです。今では報告会でも必ず1枚は「AIをこう活用しています」というスライドが入るようになりました。本当に変わったなと思っています。
僕はパソコンの知識がほとんどなかったんですが、AIになんとなく興味があって参加しました。そこから色々聞きながら、自分の部署で使えそうなエージェントを組んでみたりしています。
――介護の現場ならではのAI活用として、どんなことを考えていますか?
例えば、通所の利用者様の座席配置をAIに提案させたり、リハビリの動画を撮って解析してもらい、自主練習のメニューを提案したりなどです。
我々の職場には、パソコンを使うのが苦手な人もいます。でも「この画像を取り込むだけでこういうものができるよ」というエージェントを作れたら、その人たちでも業務を効率化できるんじゃないかと。そういう発想の転換ができたのは、すごく良かったなと思います。
2026年度は、購入申請の書類を写真から自動生成するエージェントや、リハビリ動画の解析を実際に運用に乗せていきたいと考えています。
「AIは、職員が1人増えた感覚」――幼稚園の園長が感じた変化
――幼稚園の現場では、AIはどのように使われていますか?
幼稚園の現場はまず日中パソコンを使わないんです。2025年度から手書きだったものをパソコンで入力するようになったくらいです。そのため、先生たちに「AI」と聞いても、遊び程度にChatGPTを触ったことがある程度でした。
正直、プロンプトの勉強は私にとっては難しかったです。ただそんな私でも現在は、保護者向けの手紙を作るときに活用しています。各作業単位で時間短縮を実現できる状態になり、今まで時間がかかっていた業務が短くなって、今まで以上に先生側が注力すべきことに取り組めるようになりました。
なにより、AIは職員が1人増えた感覚です。幼稚園は本当に職員が少なくて、アイデアも凝り固まってしまう。「こんなことやりたいんだけど」とAIに聞くと、斬新な意見をもらえる。実際に人間が増えたわけではないですが、相談相手ができた感じですね。
――今後、幼稚園でのAI活用をどう広げていきたいですか?
子どもたちに直接使わせるというのはまだ先の話ですが、職員の業務負担を減らすところからです。先生と子どもたちと一緒にAIを使う場面もあります。園庭で虫が出てきたら、写真を撮って「これ何?」とAIに聞いて調べています。図鑑の代わりですね(笑)。先生たちがAIとうまく付き合えれば、その分子どもたちと向き合う時間が増える。そこが一番大事だと思っています。
「やっていなかったら、今でもAIを使っていなかった」――施設運営の視点
――研修を振り返って、率直な感想を聞かせてください。
個人的な話になりますが、もしSHIFT AIの研修をやっていなかったら、おそらく今でもAIを使っていなかったと思います。研修を開始するまでは正直、そこまでAIへの意識が向いていなかった。社内でも興味を持っている人は少なかったと思います。
ただ、研修が始まって、ちょうど社会全体がAIに乗っかってきたタイミングと重なった。その波に乗り遅れなかったというのは、本当に良かったです。
――今後の課題はどう捉えていますか?
PCでの作業がメインの方と、現場で働く方では活用度合いが異なるのは事実です。個人としては文章作成などで使えるようになりました。これからは社内向けに成功事例をたくさん作っていくフェーズです。
一方、私の所属するグループでは経営層がAIを頻繁に使っていて、「クレジットをこれだけ消費するほどAIを使っている」「業務用のアプリを自分で作った」など、そういう話が報告会で飛び交っています。
2026年度の目標は、こうした社内ならではの使い方やアプリをどんどん現場で働く人たちに落とし込むことです。ピラミッドの上から下へ、具体的な活用法を組織的に広げていきたいですね。
「閉ざされた業界に、きっかけを作れた」――医療現場の一歩
――医療の現場では、どのような変化がありましたか?
医療業界はセキュリティ面など制約が多い業界です。その中で生成AIをどう取り入れるのか、まずそのきっかけができたこと自体がすごく良かったと思います。
本当に小さなステップですが、「ちょっとアイデアを聞いてみた」だけでもAIはたくさん出してくれる。今までの通例から少し脱却できたり、プラスアルファのステップアップができたり。アイデア出しや新たな取り組みへの後押しになっています。
――今後の展望を教えてください。
課題は、やはり業務への落とし込みです。先日実施した経営報告会でも生成AIは話題になっていて、上の方々はかなり使い込んでいる。「おはよう」と言うだけで今日やることを全部ピックアップしてくれる仕組みを作った人もいました。2026年度は、生成AIを組織的に取り入れていくことを目標にしたいと考えています。
株式会社メディクルード様(元気グループ)と同様に
「グループ全体でAIを浸透させたいが、事業や現場の状況がバラバラで進め方がわからない」
「研修を入れたが、現場での定着にはまだ距離がある」
といった課題をお持ちの企業様も多いのではないでしょうか。
多様な事業を横断したAI推進や、現場に根づくAI活用の第一歩にご関心がある方は、ぜひ株式会社SHIFT AIにご相談ください。
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