いつもAI経営総合研究所をご覧いただきありがとうございます。SHIFT AIの髙橋です。
年末年始、少し仕事の手を止めて、ご自身のキャリアや来年のチーム作りについて考えている方も多いのではないでしょうか。今回は、メディアを運営する私が最近強く感じはじめた「生成AI時代の人材価値」について前回同様にコラムっぽく、普段よりも主観を入れて書いてみます。
よく「AIに仕事を奪われる」という議論があります。しかし、現場で生成AIを使う私からすると、その表現は少しズレていると感じます。
正確には、「AIを使って、専門知識(ドメイン知識)をレバレッジできる人に、ポジションを奪われる」が正解ではないでしょうか。
これからの時代、人材の価値基準になる方程式のひとつとして「ドメイン知識」×「生成AIディレクション能力」が今後使われる機会が増えそうだなと思います。この掛け算ができる人が、圧倒的な成果を出せる人材の1パターンになるのではと考えている次第です。
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「ドメイン知識」こそが、AIへの最強の命令書になる
ここ数年、「プロンプトエンジニアリング」という言葉が流行りましたが、テクニックだけではすぐに限界がきます。
なぜなら、「何が良いアウトプットなのか」を定義できるのは、(少なくとも現時点では)AIではなく人間だからです。
- 「この業界では、こういう言い回しは御法度だ」
- 「この課題の本質は、コストではなくスピードにある」
- 「過去の経験上、ここがプロジェクトの落とし穴になる」
こうした、皆様が長年培ってきた「泥臭い現場経験(ドメイン知識)」こそが、実はAIにとって最高品質の指示書(コンテキスト)になります。ドメイン知識がない人が使うAIは、ただの「平均的な回答製造機」にしかなりません。
必要なのは操作スキルではなく「ディレクション能力」
一方で、ドメイン知識があるだけでは不十分です。頭の中にあるイメージや経験則を、AIという「異文化の部下」に伝わる言語に翻訳し、指示出しをする力。それが「生成AIディレクション能力」であり、これから養うべきスキルかなと思っています。
これはプログラミングや複雑なプロンプトを覚えることではありません。「目的」「背景」「制約条件」等を明確にし、部下(生成AI)が迷わないように導く、マネジメント能力そのものです。
これは生成AIブームが巻き起こる少し前、2020年ごろにあったAIブーム時では「AIは新入社員のように扱う」といった表現が話題でした。まさに現在にも通じる表現だとひしひしと感じています。
2026年は「掛け算」ができる人材が求められる
「ドメイン知識」×「AIディレクション」。片方だけでは足りません。
- 知識はあるが、AIを使わない人= 仕事は確実だが、スピードで競合に負ける。
- AIは使えるが、知識がない人= 速いが、的はずれなアウトプットを量産する。
- 両方持っている人= 業界のツボを押さえた高品質な成果を、爆速で生み出す。
もし今、「自分はアナログな人間だから」と生成AIを敬遠しているベテランの方がいれば、それはあまりにももったいない。あなたの持っているその「ドメイン知識」こそが、生成AI時代における最大の武器になるからです。
企業でも始まっているベテランによる生成AI活用
実際、こうした「掛け算」は企業において、ドメイン知識が豊富な「ベテラン層」にいかに生成AIを使ってもらうかが鍵のひとつになってきていると思っています。
AI経営総合研究所が独自に取材した企業での生成AI活用事例から2社紹介します。
※株式会社SHIFT AIでは法人企業様向けに生成AIの利活用を推進する支援事業を行っていますが、以下で紹介する企業様は弊社の支援先企業様ではなく、「AI経営総合研究所」独自で取材を実施した企業様です。
人材・採用支援をする株式会社ジェイックでは、マーケティングや営業の現場で長年活躍してきたベテラン社員が積極的に生成AIの活用に取り組んでいます。自身が過去に送付したメール原稿を読み込ませて、顧客等からの反応がよかったパターンをもとに、新しいメールを作るといった取り組みを実施しています。
→ 「人がやるべき仕事」に集中する──ジェイックの生成AI活用が全社に広がった理由
丸紅株式会社は生成AIに出力される成果物の精度について「別に100%じゃなくてもいいか」という雰囲気を醸成したことで、利用における心理的ハードルを下げることに成功。内製のAIツールを使っていることもあわさり、ベテラン層も生成AIを積極的に活用するようになっていると述べています。
→ 丸紅は生成AIで90万時間削減に成功『間違えるのは人もAIも同じ』の思想で社内活用が急加速
特にジェイックのようなベテランの知見を生成AIに学習させることは、能力の底上げや属人化の解消にもつながります。
生成AIのディレクション能力はSHIFT AIがサポートできます
2026年は、その武器を活かすために、少しだけ「AIへの指示の出し方(ディレクション)」を学んでみませんか?
その「掛け算」が完成したとき、あなたの仕事の生産性は劇的に向上し、誰にも代替できない価値が生まれるはずです。
とはいえ、「じゃあ具体的にどうディレクションすればいいの?」という部分については、まずは型を真似るのが一番の近道です。
手前味噌ですが、弊社で公開している「生成AI活用資料人気3種セット」には、まさにこの「AIへの的確な指示出しの型」や「現場での活用」が詰まっています。
「自分の業界知識を、AIを使ってどう爆発させるか」。そのヒントになるはずです。年末年始の読み物として、あるいは来年のチーム戦略の参考として、ぜひダウンロードしてパラパラと見てみてください。

