いつもAI経営総合研究所をご覧いただきありがとうございます。AI経営総合研究所を運営するSHIFT AIの髙橋です。たまには「企業全体の活用の記事」ではなく、「現場レベルでの生成AI活用の記事」を公開してみることにしました。
SHIFT AIは個人と法人それぞれに対して生成AIに関する事業を推進しています。このSHIFT AIで働くなかで「私」がどのように普段生成AIを使っているのか。案外、多くの人の参考になるのでは、と思ったのでこの記事を書くことにしました。
普段の記事よりも、今回はあえて主観を多めに入れています。また、前提として生成AIに関する「セキュリティ」「ルール」などは企業ごとに決められた範囲内で活用しましょう。
- 業務で生成AIの利用が許可されている
- 社内で生成AIに関するセキュリティやルールが定められている
- 定型のプロンプト程度しか使えていない
※本稿で紹介している活用は、あくまで社内ルールやセキュリティポリシーを遵守したうえでの一例です。生成AIの役割設計や活用範囲は、各社の状況に応じて検討されることを前提としています。
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私は生成AIを「マーケティングチームの一員」として扱っている
私は主にAI経営総合研究所のウェブメディアの運営をはじめ、マーケティング領域の業務を担当しています。私の管轄のチームでは「コンテンツ制作」「UI・UX改善」「CTA設計」「各種数値改善」などさまざまな役割と業務があります。
当然、チームの人数もそれなりにいるものの、やはり全てに十分な人員がいるかと言われればそうではありません。そこで目をつけたのが生成AIです。
生成AIをチームメンバーのように扱うことで、昨今の人手不足の状況をカバー。同時に、さまざまな施策もスピード感を持って実行に移しています。
使っている生成AIは「ChatGPT」と「Gemini」のふたつ。特にこれらを意図的に選んだわけではなく、以前から慣れ親しんだChatGPTと、会社がGoogleワークスペースを利用しているからそのままGeminiを使っています。最近ではNotebookLMやGoogle AI Studio、以前はClaude等も使っていましたが、メインは先のふたつです。
私と共に仕事する仲間として「ChatGPTさん」と「Geminiさん」がいるイメージです。
真価を発揮するのは膨大な知識と処理能力
おそらく生成AIを業務で活用するとき、下記の2パターンに分かれるのではないかと思っています。
- 定型業務を効率化するためにプロンプトを組み込んで、毎回プロンプトどおりに使うケース
- 会話や壁打ち相手として使うケース
私はもっぱら後者の「会話や壁打ち相手として使うケース」が多いです。当然、プロンプトを組み込んで使うこともありますが、ほとんどは厳密なプロンプト設計をせずに使っています。
私も生成AIを使い始めたころは前者側でした。特定の業務に対して、特定のプロンプトを活用し、AIに出力させるだけ、でした。
あらかじめ完成形が見えていることを実行する際は、プロンプト設計をしてから実行することで求めている完成物が出てくるまでの時間が短くなりやすいです。しかし、実際の業務では「目的・目標」はあるけど「何が正解か(戦術や手段)」がわからないシーンのほうが多いと思います。そのため、徐々に後者にシフトしていったという状況です。
この会話や壁打ち相手として使うことこそ、個人的には生成AIをツールではなく「メンバー」として扱っている要因であると考えています。
私は生成AIに目的・目標を伝えつつ、何が正解かを共に模索しています。そして、ChatGPTとGeminiの2種類の異なる生成AIを同時に起動し「私+ChatGPT+Gemini」の3人で常に会議を実施しています。同じチャットをそれぞれに飛ばして、その回答をもとにさらに判断する、みたいな形です。異なる生成AIでも同じような回答をすることもあれば、違う意見を述べることもあります。まさに会議です。
固定観念のような話ですが、生成AIを「特定の業務を効率化するだけ」の存在だと従来のツールと何も変わりません。真価を発揮するのは膨大な知識と処理能力。ここを生かさないともったいないと考えています。

実際の制作フロー:私たちはこうやって「共創」している
では、この「3人のチーム」で具体的にどう仕事を進めているのか。 マーケティング領域のなかでよくありそうなLP(ランディングページ)制作を例に、実際の役割分担例を紹介します。
ざっくり言うと、「最初の企画と最後のスイッチ(実装)」は私が持ち、「中間の泥臭い作業」はAIと共創するスタイルです。実際にはほかのメンバー(人間です)のレビューを仰ぐ工程も発生しますが、その部分は割愛しています。
- 企画(私):
- 「誰に、何を伝えたいか」「このページのゴールは何か」「どういうページにしたいか」を考えます。ここの熱量や方向性は、まだAIには任せられません。私が責任を持って決めます。
- 設計(私 + 生成AI):
- 私の頭の中にあるラフ案を言葉にして、Geminiに「構成案」として整理させます。「もっとこういう要素が必要では?」とChatGPTにツッコミを入れてもらうこともあります。ChatGPTとGeminiの役割を逆にすることも多いですが、最近ではGeminiが先行しているケースが多いです。
- コーディング(ほぼ生成AI):
- ここはもう、彼ら生成AIの独壇場です。設計図を渡して「書いて」と頼めば、数秒でベースコードが上がってきます。私がゼロからタグを打つことはほぼありません。特にGeminiは3.0になってから一気にコーディング能力が上がったと感じています。
- コーディングをさせる際に、「自社で使っている既存のページを参考にして」という具合で既存のページのブランドカラーやトンマナ等も添えると、”いい感じ”で出力してくれます。
- レビュー + ブラッシュアップ(私 + 生成AI):
- 上がってきたものを見て、「ここはもっと見やすく」「スマホだと崩れてる」とフィードバックし、修正してもらいます。このフィードバックは何度も対話します。
- GeminiのCanvas機能は非常に優秀で、画面上で見られるので手軽さもあって重宝しています。もちろん、テストサイト(ステージング環境など)で実機確認もします。
- 会社やサイト、商材にあわせてトンマナ調整が必要な場合はここで指示もしくは自らコード編集します。
- 実装(私):
- 最後の本番環境へのアップロードや公開ボタンを押す作業。完成したコードを本番環境に実装して完了です。
このように、最初と最後は人間が締めつつ、中間のプロセスはAIにガッツリ任せる。これが、私が形成した生成AIとのチームの動き方です。もちろん、自社内のルールやセキュリティの観点で「生成AIに投げ込んでも構わない情報」だけでコーディングをはじめとする作業を徹底しましょう。
※先にも記載しているとおり、この記事向けにざっくりと記載しているので人間によるレビューも途中途中で発生しています。
生成AIで本番前に想定できる「負け筋」を潰す
ここで私が個人的によく実施している、そして非常におすすめしたい活用法をひとつ共有します。 それは、生成AIを「レビュアー(監査役)」として使うことです。
生成AIは「評価者」としても極めて優秀です。「批判する」「欠点を見抜く」といったシーンでは重宝しています。
たとえば、新しいLPを作った際は、実装する前の段階で見せられる限りのコードや構成案を読み込ませて、こう聞きます。
「このLP、CVR(コンバージョン率)が低いんだけど、原因と改善点を挙げて」
「モバイル環境でのフォーム到達率を上げるにはどうすればいい」
すると、彼らは容赦なく指摘してくれます。 「CTAボタンの文言が弱いです」「ファーストビューでメリットが伝わりきっていません」「スマホで見ると文字が多すぎます」などと。
この「事前のダメ出し」によって、実装前に懸念事項を潰すことができます。結果として、公開初日からある程度精度の高い(=穴の少ない)ページをリリースできるのです。もちろん、この欠点を補うためのコードも生成AIに記述させることもあります。

LPを使う場面では「CVRが低い(≒CVRを上げなければいけない)」といった話は頻出しますよね。なので、あらかじめ想定できる「負け筋」を指摘させることで、スタート時点からある程度の質を提供できるのです。本当におすすめです。
この事前の指摘はLPやコーディングに限らずほかの領域、もっと言えばマーケティング領域でも同様です。ただし、再三記述しているとおり、自社内のルールやセキュリティの観点で「生成AIに投げ込んでも構わない情報」だけでレビューさせることは徹底しましょう。
生成AIによる俯瞰的な視点と、人間ならではの気づきを組み合わせることこそが共創の最重要ポイントだと私は思っています。裏を返せば、こうした負け筋を事前に想定・想像するのも人間ならではの役割のひとつです。
AIは「指示待ち部下」にも「頼れる参謀」にもなる
AIを単なるツールとして使えば、彼らは「言われたことしかやらない機械」です。 しかし、こちらが「部下」や「同僚」、時には「上司」として接すれば、彼らはその役割を演じきり、期待以上の成果を返してくれます。
今回はあえて、普段よく見かける「全社的な導入戦略」や「ガバナンス」といった大きな話は一切しませんでした。 なぜなら、生成AIの真価を引き出す鍵は、結局のところ「現場のリテラシー(使い方)」にあると確信しているからです。
どれだけ高尚な戦略があっても、現場の人間がAIを「ただの検索ツール」として使っていれば、何も変わりません。 逆に、たとえば私みたいに「部下」や「同僚」「上司」として迎え入れ、企画から実装までを共創できる人間が一人でも増えれば、そのチームの生産性は劇的に向上します。
「人手が足りない」と嘆く前に、まずは今ある戦力(AI)のレベルを上げてみる。 そうすれば、たった数人のチームでも、大企業に負けないスピードと質で成果を出すことができるはずです。もちろん、大企業の方が使えば「さらにさらに」スピードが増すでしょう。
だからこそ、生成AIについてもっと詳しくなってみませんか?
「どんな業務で使えるのか」「どう指示を出せば部下(生成AI)が動くのか」「どうすれば自分の業務を巻き取ってもらえるのか」。その感覚を掴むだけで、あなたの仕事はもっと楽に、もっとクリエイティブになります。
もし、社内だけでその環境を作るのが難しければ、ぜひ私たちSHIFT AIにご相談ください。
私たちは、特定の生成AIや業界に縛られることはありません。 「御社の現場レベルをどう上げるか」という一点において、多種多様な業種・業界での支援実績をもとに、最適な「育て方(生成AIの活用方法)」をご提案します。
私自身、生成AIを「ツール」として使っていた頃と、「チームの一員」として扱うようになってからで、アウトプットの質とスピードは別物になりました。特別なスキルは必要ありません。必要なのは、どう役割を与え、どう関わるかだけです。
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