無料で導入できるチャットボットは数多くありますが、「機能制限が多くて業務に合わなかった」「結局すぐ有料プランに移行せざるを得なかった」などの声も少なくありません。
本記事では最新のおすすめ無料チャットボット15選を比較表付きで紹介し、各タイプの違いや選び方のポイント、無料版から有料版への移行方法まで徹底解説します。
目的別のおすすめサービスも紹介するので、自社に最適なチャットボット選びに役立ちます。
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チャットボットの基礎知識
チャットボットとは、テキストや音声でのやり取りを自動化できるプログラムです。
顧客からの質問に自動で回答したり、社内の問い合わせ対応を効率化したりと、業務のさまざまな場面で活用されています。
また、チャットボットには大きく分けて以下の2種類があります。
- ルールベース型
あらかじめ設定したシナリオやキーワードに沿って応答する方式。
比較的シンプルで無料ツールも豊富ですが、複雑な会話は苦手です。 - AI型(自然言語処理型)
AIが文章の意味を理解して回答を生成する方式。
柔軟な対応が可能ですが、高度な機能は有料プランに限定されることもあります。
詳しくは「チャットボットとは?AI型・ルールベース型の違いと効果的な活用方法」で解説しています。
無料チャットボットのメリット
無料チャットボットを利用するメリットは以下のような点です。
- 初期費用ゼロで始められる
試験導入や小規模運用に向いています。 - 短期間で運用開始できる
ブラウザ上で設定でき、数時間でサイトやSNSに設置可能。 - 費用対効果を見極めやすい
実運用のデータをもとに有料プランへの移行判断ができます。
無料チャットボットの制限
ただし、無料プランには以下のような制限があることが多いです。
- 月間応答回数やユーザー数の上限
- 利用できるシナリオ数の制限
- 外部連携機能(CRMやGoogleスプレッドシートなど)が使えない
- ブランドロゴや広告が表示される
無料プランを選ぶ段階から「将来の拡張性」を意識することが重要です。
無料チャットボットの主な活用タイプ
無料チャットボットには、導入環境や機能の違いによっていくつかのタイプがあります。
それぞれの特徴を理解しておくと、自社に合ったサービスを選びやすくなります。
1. Webサイト埋め込み型
自社のWebサイト内に設置し、訪問者からの質問に自動で答えるタイプです。
FAQ対応や商品案内など、問い合わせ窓口の一次対応に向いています。
メリット
- サイト訪問者にすぐ対応でき、離脱防止につながる
- 比較的シンプルな設定で運用開始できる
注意点
- 無料プランでは表示回数や質問件数の制限がある場合が多い
- デザインや表示位置のカスタマイズが制限されることもある
2. SNS連携型
LINE、Facebook Messenger、InstagramなどのSNSで稼働するチャットボットです。
ユーザーが普段使い慣れているアプリ上でやり取りできるため、接触率が高いのが特徴です。
メリット
- SNSアカウントがあればすぐに利用できる
- 顧客との距離感を縮めやすい
注意点
- 無料プランでは配信メッセージ数や友だち数に制限がある
- SNSの仕様変更によって機能が変わる場合がある
3. 社内利用向け型
社内の問い合わせ(総務・人事・ITヘルプデスクなど)を自動化するタイプです。
Microsoft Teams や Slack と連携して使えるサービスもあります。
メリット
- 社員からのよくある質問対応を自動化できる
- リモートワーク環境でも使いやすい
注意点
- 無料プランでは利用ユーザー数や連携サービス数が限られる
- データの保存期間が短い場合がある
同じ「無料チャットボット」でも、用途(顧客対応/社内業務)や利用場所(Web/SNS/社内ツール)によって適したタイプは変わります。
関連記事:チャットボット導入手順とメリット|準備から運用開始まで実践的に解説
無料チャットボットの選び方
無料プランでも、自社の目的や規模に合ったチャットボットを選べば十分に効果を発揮します。
選定の際は、次のポイントをチェックしましょう。
1. 利用目的を明確にする
まずは「何のためにチャットボットを使うのか」をはっきりさせましょう。
- Webサイト訪問者からの問い合わせ対応
- SNSアカウントでの販促・情報配信
- 社内のよくある質問対応
上記のように目的によって必要な機能や連携先が変わります。
2. 無料プランの制限を確認する
無料プランでは、以下のような制限が設けられていることが多いです。
- 月間の対応件数・メッセージ数
- 登録できるユーザー数
- デザインやシナリオのカスタマイズ範囲
- データ保存期間
制限を把握した上で、自社の運用に支障がないか確認しましょう。
3. 導入や運用のしやすさ
無料でも設定が難しいと、社内に浸透せず使われなくなります。
次の点をチェックしましょう。
- 管理画面の使いやすさ
- 日本語対応の有無
- マニュアルやサポート体制の充実度
4. 拡張性・有料プランの内容
将来的に利用規模が拡大する場合は、有料プランの料金や機能も事前に確認しておきましょう。
初めは無料で始め、必要に応じてスムーズにアップグレードできるサービスが安心です。
「目的に合っているか」「無料プランの制限が許容範囲か」 の2つを押さえれば、無料チャットボット選びでの大きな失敗は避けられます。
無料で使えるおすすめチャットボット15選比較
2025年最新の無料で使えるチャットボットを15選ご紹介します。まずは一覧比較表をご覧ください。
サービス名 | 種類 | 無料期間 / 制限 | おすすめ用途 |
IZANAI | ルールベース型 | 無期限 / 制限あり | EC・Webサイト |
GoQSmile | ルールベース型 | 20日間無料 / 制限なし | 接客・ECサイト |
Lyro AI Chatbot | AI型 | 無期限 / 制限あり(7日間は全て無料) | 多言語対応EC・Webサイト |
CraftChat | ルールベース型 | 14日無料 / Instsgramのみ対象 | InstagramやFacebookなどSNS接客 |
HubSpot | ルールベース型 | 無期限 / 制限あり | Webサイトでのリード獲得や顧客対応 |
チャネルトーク | AI型 | 無期限 / 制限あり | 顧客対応 |
ChatPlus | AI型 | 10日間無料 / 制限あり | FAQ・営業支援 |
Dialogflow | AI型 | 無期限 / 制限あり | チャットボット作成 |
AI Engine | AI型 | 無期限 / 制限あり | WordPressとの連携 |
Dify | AI型 | 無期限 / 制限あり | 多言語FAQ対応 |
DocsBot | AI型 | 無期限 / 制限あり | 社内外FAQ・顧客問い合わせ |
AI-FAQボット | ルールベース型+AI型 | 20日間無料 / 制限あり | 社内外FAQ・顧客問い合わせ |
Azure AI Bot Service | AI型 | 30日間無料 / 制限なし | 社内チャット連携 |
RICOH Chatbot Service | AI型 | 30日間無料 / Proプラン | 社内外FAQ・顧客問い合わせ |
WPBot | AI型 | 無期限 / 制限あり | WordPressとの連携 |
Web・ECサイト向け
1. IZANAI(イザナイ)
- 特徴:ノーコードで簡単に設定可能なチャットボット。ECサイトや不動産業界向けに特化したテンプレートを提供。
- 無料プランの制限:ボット作成数は1つまで、月間コンバージョン数は50件まで。シナリオ数や質問数に制限あり。
- 公式サイト:https://izanai.cloudcircus.jp
2. GoQSmile(ゴクースマイル)
- 特徴:スピーディーな問い合わせ対応で、顧客満足度向上におすすめのチャットボット。ECサイトや自社サイト接客ツールとして活用もできる。
- 無料プランの制限:20日間のみ無料トライアルあり。
- 公式サイト:https://goqsmile.com
3. Lyro AI Chatbot(ライロ エーアイ チャットボット)
- 特徴:Tidioが提供する12言語対応のAIチャットボット。ライブチャット、メール、ソーシャル メディアを通じた迅速なサポート。
- 無料プランの制限:会話数は50件まで。7日間全ての機能を試せる無料トライアルあり。高度なカスタマイズや分析機能は有料プランで提供。
- 公式サイト:https://www.tidio.com/blog/lyro-conversational-ai/
BtoB営業・顧客対応向け
4. CraftChat(クラフトチャット)
- 特徴:マーケティング特化型のチャットボット。テンプレートから簡単に作成可能。InstagramなどのSNSと連携し、顧客対応を自動化します。
- 無料プランの制限:14日間のみ無料トライアルあり。Instagramチャットボットのみ対象。
- 公式サイト:https://www.craftchat.ai/
5. HubSpot(ハブスポット)
- 特徴:CRMと連携可能な無料のチャットボット作成ツール。ノーコードなので簡単。リード獲得や顧客対応の効率化に役立つ。
- 無料プランの制限:利用可能な機能に制限あり。ユーザー数は2人まで。高度な分析機能やAPI連携は有料プランで提供。
- 公式サイト:https://www.hubspot.jp/products/crm/chatbot-builder
6. チャネルトーク
- 特徴:規模にあわせて豊富なプランを備えた顧客対応に特化したAIチャットボット。小規模なカスタマーサポートから始めたい企業にもおすすめ。
- 無料プランの制限:基本的な社内、顧客とのチャット対応のみでよければ十分に利用できる。メッセージ検索は閲覧のみで30日以内、ボイス・ビデオMeetは最大30名、1時間まで。
- 公式サイト:https://channel.io/ja
7. ChatPlus(チャットプラス)
- 特徴:WebサイトFAQ対応向けのチャットボット。多機能で、顧客対応や営業支援に活用可能。
- 無料プランの制限:10日間のみ無料トライアルあり。利用可能な機能に制限あり。
- 公式サイト:https://chatplus.jp
8. Dialogflow(ダイアログフロー)
- 特徴:Googleが提供するAIチャットボット開発プラットフォーム。自然言語処理に優れ、SlackやLINEとの連携も可能。
- 無料プランの制限:月間のリクエスト数に上限あり。高度な機能やサポートは有料プランで提供。
- 公式サイト:https://dialogflow.cloud.google.com
9. AI Engine(エーアイ エンジン)
- 特徴:WordPress用のAIプラグイン。OpenAIのAPIを活用し、コンテンツ生成やチャットボット機能を提供。複雑な問い合わせにも対応可能。
- 無料プランの制限:統計や制限の設定などは有料プランでのみだが、基本的な顧客サポートは無料プランでも十分対応できる。
- 公式サイト:https://wordpress.org/plugins/ai-engine/
10. Dify(ディファイ)
- 特徴:生成AIを活用したチャットボット。FAQの自動生成機能や多言語対応が特徴。
- 無料プランの制限:利用可能なメッセージ数やデータストレージに制限あり。チームメンバーも1名まで。高度なカスタマイズや分析機能は有料プランで提供。
- 公式サイト:https://dify.ai
社内業務効率化向け
11. DocsBot(ドックスボット)
- 特徴:社内ドキュメントなど資料をアップロードするだけでFAQ自動応答型チャットボットを作成可能。ナレッジベースの構築が容易。
- 無料プランの制限:対応可能なメッセージ数やユーザー数に制限あり。作成可能なチャットボット数は1つまで。
- 公式サイト:https://docsbot.ai
12. AI-FAQボット
- 特徴:質問と回答を入力したExcelデータでFAQ自動応答型のチャットボットを作成。直感的な操作画面。社内外の問い合わせ対応に活用可能。
- 無料プランの制限:20日間のみ無料トライアルあり。Q&A登録は100問まで。
- 公式サイト:https://faq-bot.ai/ja/
13. Azure AI Bot Service(アジュール エーアイ ボット サービス)
- 特徴:Microsoftが提供するチャットボット開発用のプラットフォーム。高度な自然言語処理が可能で、プログラミング知識は必要ない。
- 無料プランの制限:30日間の無料トライアルがあり、クレジットも付与される。30日後もしくはクレジットを使い切った時点で使った分だけ料金が発生する従量課金制に移行。
- 公式サイト:https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-bot-service
14. RICOH Chatbot Service(リコーチャットボットサービス)
- 特徴:リコーが提供するチャットボット。Excelで作ったQ&Aデータを読み込ませるだけで簡単にチャットボットを作成。各種ツールとの連携も可。
- 無料プランの制限:30日間のみ無料トライアルあり。導入サポートあり。
- 公式サイト:https://www.ricoh.co.jp/service/chatbot
15. WPBot(ダブリューピーボット)
- 特徴:WordPressサイト向けのAIチャットボットプラグイン。ユーザーの質問に自動で応答し、サイト内のナビゲーションをサポートします。
- 無料プランの制限:ライブデモサイトにアクセスし、WordPressにプラグインで統合。高度なカスタマイズや追加機能は有料プランでアップグレードする必要あり。
- 公式サイト:https://wpbot.pro/
無料版から有料版へのスムーズな移行
無料チャットボットを導入する際、将来的な有料プランへの移行を視野に入れておくと、運用の途中で困ることを避けられます。
次のポイントを意識しましょう。
1. 利用目的と規模に応じたプラン選び
無料プランでは、利用できる機能やメッセージ数に制限があります。
- 小規模運用や試験導入なら無料プランで十分
- 顧客対応件数やユーザー数が増える場合は、有料プランへの移行を検討
無料プランでまずは効果を検証し、必要に応じてアップグレードする流れがスムーズです。
2. 無料プランで試すべきポイント
有料移行を見据えて、以下を無料プランで確認しておくと安心です。
- 自社の問い合わせや業務フローに沿った自動応答が可能か
- 管理画面や運用のしやすさ
- 他サービスとの連携や拡張性
3. データやシナリオの引き継ぎ方法
無料版から有料版に移行する場合、データや設定が引き継げるか確認しておくことが重要です。
- FAQやシナリオの移行が簡単か
- 過去のチャット履歴を保持できるか
この点を事前に確認することで、移行後も業務を止めずに運用できます。
4. 無料プラン活用のコツ
無料プランを活用する際のポイントは以下です。
- 小さく始めて、実運用で課題を見つける
- 社内担当者や現場の意見を取り入れる
- 無料でできる範囲を最大限活用して、導入効果を可視化する
まとめ:無料チャットボットで業務効率化を始めよう
本記事では、無料で導入できるチャットボットについて、以下のポイントを解説しました。
- チャットボットのタイプと特徴
Webサイト埋め込み型・SNS連携型・社内利用向け型など、それぞれのニーズにあわせたタイプがあります。 - 無料プランで押さえるべきポイント
目的に合っているか、利用制限、運用のしやすさ、将来的な有料プランへの拡張性を確認することが重要です。 - 無料版から有料版へのスムーズな移行
無料で使える範囲は最大限に活用し、必要に応じてアップグレードすることで、業務を止めずに利用を続けられます。
無料チャットボットを導入するだけでなく、業務改善につなげるための方法も学んでおくと安心です。
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無料のチャットボットに関するよくある質問
- Q無料で使えるチャットボットにはどんな種類がありますか?
- A
無料チャットボットには主に以下の種類があります。
- AI型:文章を理解して柔軟に回答できるタイプ
- ルール型:シナリオやキーワードに沿って応答するタイプ
- SNS連携型:LINEやFacebook MessengerなどのSNS上で動作
- 社内利用型:社内問い合わせや業務サポート向け
- AI型:文章を理解して柔軟に回答できるタイプ
- Q無料プランでどこまで使えますか?
- A
無料プランでは、サービスごとに制限があります。
- 月間応答件数やメッセージ数の上限
- 利用できるユーザー数やシナリオ数の制限
- 外部サービスとの連携機能の制限
- ブランドロゴ表示や広告表示
まずは小規模で試し、必要に応じて有料プランに移行するのがおすすめです。
- 月間応答件数やメッセージ数の上限
- Q無料チャットボットは社内業務にも使えますか?
- A
はい。SlackやTeams連携のチャットボットで、社内FAQやITヘルプデスクの自動化が可能です。
ただし、無料プランではユーザー数や連携サービス数に制限がある場合があるため、運用規模に応じて検討してください。
- Q無料プランから有料プランに移行する際の注意点は?
- A
移行前に以下を確認するとスムーズです。
- シナリオやFAQデータを引き継げるか
- 過去のチャット履歴を保持できるか
- 有料プランで利用できる機能やユーザー数が自社に合うか
- シナリオやFAQデータを引き継げるか
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