導入事例 株式会社アルヴァスデザイン 様
AIは営業職の敵ではない。
むしろ、上手に活用しなければ生き残れない──
営業人材開発のアルヴァスデザインが思い描く生成AIの未来

導入企業プロフィール

企業名
株式会社アルヴァスデザイン
事業内容
営業職に必要なスキルとマインドを磨き、企業のビジョン実現を支援する「教育特化型の人材開発企業」。
導入目的
これからのビジネス環境では生成AIが必要不可欠になるという危機感がありながら、「一般的なビジネスでどのように活用するか」という具体的なビジョンが描けていなかった。

21世紀を生きるビジネスパーソンにとって、もはや生成AI技術はなくてはならないもの。そのテクノロジーを自在に操れば、AIは単なる便利なツールから、企業に眠る大きな可能性を引き出す“変革のパートナー”になるのかもしれません。この記事では、さまざまな業種の企業を訪ね、百社百様のAI導入の事例を探っていきます。

今回、登場していただくのは、営業職に必要なスキルとマインドを磨き、企業のビジョン実現を支援する教育特化型の人材開発企業である(株)アルヴァスデザイン。顧客の潜在ニーズに寄り添い、理念実現を追求する営業スタイル「インサイトセールス」を提唱・支援している同社がなぜ、生成AIを業務に活かすことにしたのでしょうか?

ChatGPTリリースのインパクトを受けて、AI活用を決意

まずは同社の代表取締役CVOの高橋研さんに生成AI 技術を業務に取り入れるに至った背景と、SHIFT AIの研修を選んだ理由について、聞いてみました。

高橋研さん

アルヴァスデザインが生成AIの社内研修を始めたことを知った人のなかには、「AIは営業職の敵ではないか。なのに彼らはなぜ、AI技術を取り入れようとしているのか?」という違和感を抱いた方が少なからずいらっしゃるかもしれません。無理もありません。私が創業から5年後の2018年6月、私たちが提唱している新時代に即した営業手法「インサイトセールス」について詳述した著書『実践! インサイトセールス』(プレジデント社)の副題には、「AIに駆逐されない営業力」という文言が並べられていましてたから。

インサイトセールスとは、お客様の目先の意識の中にはない部分を掘り起こして提案し、お客様の成長につながる先見性ある提案を行う営業スタイルをいいます。究極的には、お客様の価値観に沿った営業を行うということです。
ですが、私の著書を最後まで読んだ方なら、そのような違和感を抱いた方は少なかったのではないでしょうか。私はそう思っています。なぜなら、この本は生成AI技術を否定するのではなく、「このような素晴らしい技術は、うまく取り入れて活用すべき」と主張していたからです。

とはいえ、本を上梓した2018年の時点では私自身、AIの技術が一般的なビジネスにどのように活用されるのかといった具体的なビジョンは浮かんでいませんでした。そのような状況のなか、2022年11月にOpenAI社がリリースしたChatGPTの存在が大きなインパクトをもたらしました。
その後、社内ヒアリングを行ったところ、生成AIの技術に強い関心を持っているメンバーがいる一方、まったく関心を持たないメンバーもいて、社内のAIリテラシーにバラつきが生じていることがわかりました。危機感を感じましたね。これからのビジネス環境において、生成AI技術は必要不可欠になる。市場のニーズは確実に生成AIを活用する方向に向かっていくに違いない。
そんな問題意識から、生成AIの社内研修プロジェクトが始まりました。

SHIFT AIを選んだ決め手は、担当営業者の熱意

アルヴァスデザインの社内研修プロジェクトは、さまざまなAI展示会に参加し、どのベンダーに依頼するかを選定することから始まったといいます。同社がSHIFT AIと出会ったいきさつは、どのようなものたったのでしょう?

高橋研さん

展示会では、さまざまなベンダーの話を聞きましたが、SHIFT AIが提供しているeラーニングとワークショップを組み合わせる内容には興味を惹かれました。「日々刻々と進化しているAI技術のeラーニング教材をリアルタイムで更新しています」という点については、他社のセールスポイントと似たり寄ったりだった印象がありますが、「御社の業務にダイレクトに役立つ方策をワークショップの場でアドバイスします」という点に魅力を感じました。

生成AIの基礎的な知識をインプットしたからといって、それが現在の自分の業務にどのようにアウトプットできるのかどうかは未知数です。SHIFT AIが提案する研修内容には、それが期待できると感じました。
最終的な私の決断をうながしたのは、弊社の担当をしたSHIFT AIの営業担当の方の熱意です。私たちは営業のプロですから、失礼とは思いながら、相手の営業手法を無意識に批評的に見てしまいます。でも、そのような目で見ても、展示会の自己紹介後にくださったあいさつ、その後の対応、こちらの事情の理解度など、ほぼ信頼できるレベルだと確信したからこそ、SHIFT AIさんに協力を仰ぐことにしたのです。

「強制参加」ではなかったが、ほぼ全員が研修に参加した

ちなみに、アルヴァスデザイン社内のAI研修は「強制参加」ではなく、希望者を募る形で進められたとのこと。その理由について、高橋さんはこう説明します。

高橋研さん

研修を「強制参加」にしなかったのは、参加したメンバーの学ぶ姿勢を促したかったからです。学ぶという行為が義務になってしまうと、学ぶという行為が受け身になり、自らの興味に従って知識を得ようとする意欲を削いでしまうのではないかと考えたのです。
その一方で、AIを学ぶことにどんな意義があるのか? 今の市場のニーズのなかでAIの必要性がどのように高まっているか? といったことを事前によく説明しました。
そのおかげで、プロデューサーと呼ばれる講師陣のほとんどが参加してくれました。

半数以上のメンバーが「1日あたり1~4時間」の業務短縮に成功

実際にSHIFT AIの研修を経験した方で方々の反応はどうだったのでしょうか? 2024年10月に立ち上げられたナレッジ・マネジメント部に所属する土岐優さんに聞いてみましょう。土岐さんは、生成AI活用の推進役に任命され、生成AIの活用をサポートしています。

土岐優さん

生成AI技術の基礎を徹底的に学ぶと同時に、その応用についてもワークショップで学ぶことができました。社内ヒアリングでわかったことは、AIに対する質問内容(プロンプト)が適切でないために、求める回答が得られず、そのまま活用を断念してしまう例がけっこう多いということでした。

役に立つ、良い回答を得ようと思えば、その場の状況や条件に則した良い質問をする必要があります。これはAIに限らず、生身の人間同士のコミュニケーションにおいても同じことが言えますよね。
その点、対面式のワークショップでメンバーひとり一人に個別にアドバイスしてくれたおかげで、良い質問をする微妙なコツのようなものをつかめたのではないかと思っています。

研修後の社内アンケートでは、研修に参加した半数のメンバーが「1日あたりの業務時間が1~4時間短縮した」と答えています。
私自身も、研修を受ける前はAIを少し触った程度の「初心者」でしたが、今ではChatGPTやGensparkはもちろん、図解生成のNapkin AIなどをほぼ毎日、使っています。
今後はセミナーの教材のテキストチェックや、研修を担当する講師のアサイン業務などを自動化して業務の効率化を目指していきたいです。半年後には「AIのおかげでずいぶん仕事が楽になったね」と言い合えるような環境になっていることが理想です。そのためにも現在、SHIFT AIの中級編のワークショップの準備を進めています。

生成AIは優秀な壁打ち相手だった

代表取締役CVOの高橋研さんは、生成AIを使用して、どのような感想を持ったのでしょう?  今後の展望とともに、再び話を聞いてみました。

高橋研さん

セミナーや講演、ワークショップなどを通じて人前で話をする機会が多いため、事前に話すべきことを文章にまとめておくことを日常的に行っています。頭のなかでは漠然としたものに過ぎない考えを、具体的に言葉に落とし込むことで、表現の幅が広がるからです。
その作業をするうえで、AIは実に優秀な壁打ち相手だということがわかりました。ひとりで考えを巡らすのと比べて、実にスムーズに言葉ができあがっていく。山登りに例えると、6合目のところからスタートできるような印象です。

私たちが提唱している「インサイトセールス」は、お客様の抱いている経営理念や事業ビジョンを聞き出し、その中に自社の提案を位置付けていく営業スタイルです。これを実践するには、お客様の目先の意識の中にはない部分を掘り起こす作業が必要になります。生成AI技術は、その作業のサポート役として、有能なパートナーになってくれることを確信しています。
私たちがチームとしてAIを活用する第一歩をお手伝いしてくれたSHIFT AIには、大いに感謝していますよ。

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