「Copilot Studioを無料で使いたいが、どこまでできるのか分からない」と気になっている方も多いのではないでしょうか。Copilot Studioに恒久的な無料版はなく、あるのは60日間の無料試用版です。試用版では有料版とほぼ同等の機能を検証でき、期間終了後は有料契約へ移行する形になります。本記事では、試用版でできること・制限、有料版との違いと料金、始め方までを、AI経営総合研究所が​独自に取材した先行企業の活用実態​を交えて解説します。

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Copilot Studioには60日間の無料試用版がある

Copilot Studioに恒久無料のプランはなく、提供されているのは60日間の無料試用版です。試用版では有料版とほぼ同等の機能を使って検証でき、組織用のMicrosoftアカウントがあれば申し込めます。

60日間ほぼすべての機能が使える

無料試用版では、チャットボット作成から生成AI機能、外部システム連携まで、有料版と同等の機能をほぼすべて利用できます。組織用のMicrosoftアカウントがあれば申し込め、制作できるチャットボットの数に制限はなく、TeamsやWebサイトへの公開も行えます。

社内データとの連携やPower Automateとの統合も試せるため、実際の業務フローを想定した検証が可能です。利用量には上限が設けられており、上限内であれば十分な規模でのテストが行えます。上限値は後述のとおり課金方式の変更で条件が変わっているため、申し込み時に公式で最新の枠を確認してください。

期間とサポートに制限がある

無料試用版の最大の制限は、利用期間が60日間に限定されている点です。初回サインイン時からカウントが始まり、延長や再登録は原則できません。

また、テクニカルサポートはコミュニティフォーラムのみとなります。公式の専門サポートは受けられないため、トラブル発生時の解決に時間がかかる場合があります。利用量が上限に達した場合、有料版のような追加購入はできず、応答が停止する点にも注意が必要です。

検証用として設計されている

無料試用版は、本番運用ではなくPoC(概念実証)や技術検証を目的として設計されています。60日間という期間設定は、社内での技術検証と効果測定を行うのに適した長さです。

期限終了後もデータは90日間保持されるため、有料版への移行を検討する時間的な余裕があります。検証中に作成したチャットボットや設定内容は、有料版へスムーズに引き継げる仕組みです。

無料試用版と有料版の違いは期間・サポート・運用保証

無料試用版と有料版では、利用期間・サポート体制・運用保証の3点に明確な違いがあります。検証は試用版で十分ですが、本番運用には有料版が前提です。

期間の違いは60日間と無制限

無料試用版は利用期間が60日間に制限されるのに対し、有料版は契約している限り使い続けられます。試用版のカウントは初回サインイン時から開始され、途中で停止できません。

60日間が経過すると、作成したチャットボットは自動的に停止します。ただし、データは90日間保持されるため、その間に有料版へ移行すれば、すべての設定やコンテンツを引き継げます。

サポートの違いはコミュニティと公式

無料試用版ではコミュニティフォーラムのみのサポートとなり、Microsoft公式の技術サポートは受けられません。有料版では公式サポートチームへの問い合わせが可能です。

コミュニティフォーラムは他のユーザーや有志の専門家が回答するため、解決までに時間がかかる場合があります。トラブル発生時の緊急対応が必要な本番環境では、公式サポートの有無が大きな差になります。

運用保証の違いはSLAの有無

無料試用版にはSLA(サービス品質保証)がないため、システム停止時の補償や復旧時間の保証はありません。有料版ではSLAが提供され、稼働率やサポート対応時間が保証されます。

本番環境で顧客対応や重要業務に使用する場合、SLAの有無は事業継続性に直結します。検証は試用版で問題ありませんが、業務への本格導入には有料版のSLA保証が欠かせません。

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Copilot Studioの有料版の料金体系|Copilotクレジットへの移行

Copilot Studioの有料版は、2025年9月に従来のメッセージ課金から「Copilotクレジット」を消費する方式へ移行しました。料金はプリペイド式のパックと従量課金から選べます。無料試用版から移行する前に、料金の考え方を押さえておくと予算化がスムーズになります。

課金方式は大きく2つに分かれます。定額でクレジットをまとめて購入するパック方式と、使った分だけ支払う従量課金です。

  • ​プリペイド(パック)方式​​:一定量のCopilotクレジットを月額でまとめて購入する方式です。二次情報では、25,000クレジットを含むパックが月額約¥29,985として案内されていますが、価格は改定されるため公式での確認が必要です。
  • ​従量課金方式​​:使ったクレジット分だけ支払う方式です。1クレジットあたりの単価は米ドル建て(およそ$0.01)で案内されており、為替により円換算額は変動します。

これらの金額は二次情報を含み、Microsoftの改定でも変わります。契約前に必ず公式の料金ページで最新の単価とパック内容を確認してください。無料試用版で消費したクレジット量を実測しておくと、有料版移行後のコストを精度高く見積もれます。

Microsoft 365ライセンスを持っている場合の扱い

「Microsoft 365を契約していればCopilot Studioも無料」と考えるのは誤りです。追加費用なしで使えるのは「Microsoft 365 Copilot」を契約している場合に限られ、通常のMicrosoft 365プランだけでは有料契約が必要になります。

契約状況ごとに扱いが異なります。整理します。

契約状況Copilot Studioの扱い
Microsoft 365 Copilotを契約しているライセンスに含まれる範囲を追加費用なしで利用できる(利用範囲に制限あり)
通常のMicrosoft 365(E3/E5など)のみCopilot Studioの利用にはCopilotクレジットの有料契約が必要

ただし、Microsoft 365 Copilotに含まれる範囲でも、外部チャネル(社外向けWebサイトなど)への公開は無償利用の範囲に含まれない場合があります。社外公開を伴う本格運用では、クレジットの購入が必要になる点に注意してください。自社の契約内容と、作りたいエージェントの公開範囲を照らし合わせて確認することが欠かせません。

無料試用版は3ステップで始められる

無料試用版の申し込みから利用開始までは、組織用アカウントがあれば約10分で完了します。組織用アカウントで申し込む→リージョンを選ぶ→生成AI機能を有効化する、の順に進めます。

ステップ1:組織用アカウントで申し込む

Copilot Studio公式サイトから組織用Microsoftアカウントでサインインして、申し込みを開始します。個人用アカウントでは利用できない点に注意してください。

公式サイトの「無料で試す」ボタンをクリックし、職場または学校のメールアドレスでサインインします。Microsoft 365のライセンスは不要で、組織用アカウントさえあれば申し込めます。

ステップ2:リージョンを選択する

環境セットアップ時に、データを保存するリージョン(地域)を選択します。日本でのコンプライアンス要件を満たすため、日本リージョンの選択が向いています。

リージョンは一度設定すると後から変更できません。データの保存場所は企業のセキュリティポリシーやコンプライアンスに影響するため、情報システム部門と事前に確認しましょう。

ステップ3:生成AI機能を有効化する

Power Platform管理センターから生成AI機能を有効化して、フル機能を使えるようにします。この設定により、高度な自然言語処理が可能になります。

管理センターにアクセスし、「生成AI機能」の項目で2つのチェックボックスにチェックを入れて保存します。この設定を有効化するとデータが海外サーバーに保存される可能性があるため、企業のコンプライアンス規定を確認してから実施してください。

60日間で検証すべきポイントは5つ

無料試用版の60日間を最大限活用するには、技術・効果・受容性・運用・コストの5つを段階的に検証します。期限内に判断材料を揃えることが、本格導入の可否を左右します。

ポイント1:技術的実現性を確認する

既存の社内システムとの連携可否や、セキュリティ要件をクリアできるかを最初に確認します。技術的に実現できなければ、その後の検証が無意味になるためです。

社内のデータベースやCRM、ERPシステムとの接続テストを行い、データの取得や更新が正常に動作するか検証します。ファイアウォールやプロキシ設定、認証方式が企業のセキュリティポリシーに適合するかも確認します。この段階は検証開始後1〜2週間で完了させましょう。

ポイント2:業務効果を定量評価する

実際の業務でどれだけの時間削減やコスト削減が見込めるかを、具体的な数値で測定します。定量的な効果がなければ、有料版への移行判断ができません。

問い合わせ対応時間の短縮率、業務処理にかかる時間の削減、人件費への影響などを記録します。「FAQへの問い合わせ対応が平均5分から2分に短縮」といった具体的なデータを収集しましょう。

ポイント3:ユーザー受容性をチェックする

実際に使う社員が継続して利用する意思があるかを確認します。どれだけ優れたツールでも、現場で使われなければ投資が無駄になるためです。

限定的なユーザーグループでテスト運用を行い、使いやすさや回答精度への満足度をアンケートで収集します。ITリテラシーが高くない社員でも使いこなせるかが分かれ目になります。フィードバックをもとに改善を繰り返し、全社展開時の受容性を高めましょう。

ポイント4:運用体制を検討する

管理者の選定や、日常的なメンテナンスにかかる工数を見積もります。運用体制が整わなければ、導入後に放置される可能性があるためです。

チャットボットの更新頻度、ユーザーからの問い合わせ対応、定期的な精度改善にどれだけの人員と時間が必要かを記録します。専任の管理者を置くべきか、兼任で対応可能かも判断材料になります。

ポイント5:全社展開のコストを試算する

有料版に移行した場合の年間コストと、それに見合う効果を試算します。投資対効果が明確でなければ、経営層の承認は得られません。

無料試用版で消費したクレジット量と利用部門数から、パック方式と従量課金のどちらが適切かを判断します。削減できる人件費や業務時間をコストに換算し、投資回収期間を算出しましょう。

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他社の取り組み|ヤプリ・カシオ計算機に学ぶ「小さく検証してから広げる」AI導入

Copilot Studioの無料試用版を活かす鍵は、小さく検証して効果を測り、段階的に広げる進め方にあります。AI経営総合研究所が独自に取材した先行企業の中から、検証から段階導入を実践した2社の取り組みを紹介します。

株式会社ヤプリ|「まず触る」を初期の評価軸に置いてPoCを回す

株式会社ヤプリは、自社プロダクトにAIを組み込めば価値向上や差別化ができると判断し、商談ログ分析のPoCでレビュー時間を30分から5分へと短縮しました。導入初期の評価軸を「成果」ではなく「AIを触ったか」に設定し、社内AIハッカソンでは全23チームがアウトプットを完成させています。同社は「​​この時間短縮が再現性を持って出るなら、使わない理由がないと思いました​​」と語っています。

注目すべきは、​​成果を出すことより「まず触って再現性を測る」ことを初期の評価軸に置いた点​​です。無料試用版の60日検証も、完璧な成果を急ぐより、まず使って効果の再現性を測ることが移行判断の土台になります。

詳細は株式会社ヤプリのインタビュー記事で紹介しています。

カシオ計算機株式会社|開発推進とガバナンスの見極めを両輪で回す

カシオ計算機株式会社は、「今後使わないとまずい」という社内意識の高まりを受けて、2023年下半期から社内AIチャット基盤の開発に着手し、AIガバナンス委員会を立ち上げてAI倫理規定を策定しました。全社員が使える「CASIO AI CHAT」を運用し、GitHub Copilotも開発業務に導入しています。同社は「​​我々開発側は”どんどん使っていきたい”という気持ちがありますが、ガバナンスの観点ではリスクをしっかりと見極める必要があります。​​」と語っています。

注目すべきは、​​開発の推進とリスクの見極めを両輪で回した点​​です。無料試用版の検証でも、技術的実現性とセキュリティ・データ保存先の要件を並行して確認する姿勢が、本番移行後のつまずきを防ぎます。

詳細はカシオ計算機株式会社のインタビュー記事で紹介しています。

2社に共通する設計思想​​:①いきなり本番を狙わず小さく検証してから広げる ②効果の定量測定と現場の受容性を同時に見る ③技術検証とガバナンス・セキュリティ確認を並行させる。この3点が、無料試用版の60日間を本格導入の判断材料に変える土台になります。

まとめ|Copilot Studio無料試用版で検証してから本格導入を判断しよう

Copilot Studioに恒久無料版はなく、あるのは60日間の無料試用版です。有料版とほぼ同等の機能を試せるため、組織用Microsoftアカウントがあれば、コストをかけずに技術的実現性や業務効果を検証できます。

有料版はCopilotクレジットの購入が前提で、通常のMicrosoft 365だけでは無料になりません。まずは3ステップで申し込み、技術・効果・受容性・運用・コストの5点を段階的に確認しましょう。ヤプリやカシオ計算機の取り組みが示すように、小さく検証して効果を測り、ガバナンスを並行して固める進め方が、60日間を投資判断の根拠に変える近道になります。

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よくある質問

Q
Copilot Studioに無料版はありますか?
A

恒久的な無料版はなく、60日間の無料試用版が提供されています。試用版では有料版とほぼ同等の機能を検証でき、期間終了後は有料契約へ移行する形になります。組織用のMicrosoftアカウントがあれば申し込めます。

Q
Copilot Studioの無料試用版は個人アカウントでも使えますか?
A

個人用Microsoftアカウントでは利用できません。組織用アカウント(職場または学校のアカウント)が必要です。Microsoft 365のライセンスは不要ですが、企業や教育機関が管理するアカウントでのみ申し込めます。

Q
Copilot Studioの有料版はいくらかかりますか?
A

有料版は2025年9月にCopilotクレジットを消費する方式へ移行し、プリペイドのパックと従量課金から選べます。二次情報では25,000クレジットのパックが月額約¥29,985、従量課金は1クレジットおよそ$0.01と案内されていますが、価格は改定されるため、契約前に公式の料金ページで最新条件を確認してください。

Q
Microsoft 365を契約していればCopilot Studioは無料で使えますか?
A

追加費用なしで使えるのは「Microsoft 365 Copilot」を契約している場合に限られます。通常のMicrosoft 365(E3/E5など)だけではCopilotクレジットの有料契約が必要です。また、Microsoft 365 Copilotに含まれる範囲でも、社外向けWebサイトなど外部チャネルへの公開は別途クレジットの購入が必要になる場合があります。

Q
無料試用版の60日間が終わったらデータはどうなりますか?
A

60日間の試用期間終了後も、データは90日間保持されます。この期間内に有料版へ移行すれば、作成したチャットボットや設定内容をすべて引き継げます。90日間を過ぎるとデータは完全に削除されます。

Q
無料試用版で作成したチャットボットを本番環境で公開できますか?
A

技術的には公開できますが、本番運用は推奨されません。無料試用版にはSLA保証がなく、公式サポートも受けられないため、トラブル発生時の対応が困難です。本番運用には有料版への移行が前提です。