Copilotで議事録を効率化しようとしても、「担当者によって仕上がりの質がバラバラ」「結局使う人と使わない人に分かれてしまう」という壁に直面する企業は少なくありません。本記事では、AI経営総合研究所が独自に取材した先行企業の活用実態も交えながら、Copilotでの議事録作成の具体的な手順とプロンプト設計、そして属人化を防ぎ全社標準化するための仕組みまでを整理します。
弊社では、Copilotの運用に役立つ資料を配布しています。プロンプト設計や社内ルールの整備、リスク管理などが分かる内容です。プロンプトの書き方を理解し望むアウトプットを引き出す、Copilotの社内展開を成功させるヒントになります。ぜひご覧ください。
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Copilotで議事録はどう作成できる?
Copilotによる議事録作成は、①Teams会議の発言ログの取り込み、②会議終了後の自動要約、③Outlook・OneNoteへの共有、という3つのステップで完結します。人が一から書く場合に比べて、大幅な工数削減が見込めます。
Teams会議と連携して自動要約
CopilotはTeams会議中の発言ログを取り込み、会議終了後すぐに要約を生成できます。会議直後に関係者へ配布できる議事録を自動で得られるのが特徴です。会議参加者の発言順やテーマの転換を反映した整理も可能です。
OutlookやOneNoteとの連携による保存と共有
作成した議事録はOutlookでメール配信したり、OneNoteに記録してチーム全体で閲覧することができます。「要約を作る」から「共有して活用する」までがシームレスに繋がっているため、作業が属人化せず、全員が同じ情報をタイムリーに把握できます。
Copilotによる議事録作成の基本フロー
| ステップ | 具体的な動き | 得られる成果 |
|---|---|---|
| 会議中 | Teamsが発言を記録 | 議論内容を正確にテキスト化 |
| 会議後 | Copilotが要約を生成 | 要点・決定事項・アクションが整理される |
| 共有 | Outlook/OneNoteに出力 | チーム全員が同じ議事録を活用できる |
Copilotで議事録を作成する具体的な手順(事前準備〜共有まで)
Copilotで議事録を作成するには、事前準備(トランスクリプトの有効化)→会議中の起動→会議後の要約確認→共有という4つのステップを踏みます。特に事前準備を済ませていないと、会議後に要約自体が生成されません。
事前準備:トランスクリプト(文字起こし)を有効にする
Teams会議でCopilotに議事録を作成させるには、会議の文字起こし(トランスクリプト)機能を事前にオンにしておく必要があります。この設定がオフのままだと、会議後にCopilotで要約を生成しようとしても対象データが存在せず、議事録は作成されません。会議の開始画面またはTeams管理センターから、トランスクリプトの記録を許可する設定を確認します。
あわせて、CopilotはMicrosoft Teamsでの会議に対応する機能のため、ZoomやGoogle Meetなど他社の会議ツールでは利用できません。他ツールで開催した会議の議事録を作りたい場合は、別の議事録専用AIを検討します。
会議中:Copilotを起動しリアルタイムで要約を指示する
会議中にCopilotアイコンから起動し、「ここまでの議論を要約して」のように途中経過を確認することもできます。
会議後:生成された要約とアクションアイテムを確認する
会議終了後、Copilotが自動生成した要約を確認します。この要約はあくまで下書きとして扱い、決定事項や数値、固有名詞に誤りがないかを人が確認したうえで確定させます。
共有:Outlook・OneNoteへ展開する
確認済みの議事録をOutlookでメール配信するか、OneNoteに保存してチーム全体で閲覧できるようにします。
Copilotによる議事録作成プロンプト設計の基本要素
議事録プロンプトの精度は、①目的の明確化、②出力形式の指定、③読み手を意識した表現、の3要素で大きく変わります。
目的を明確にする
プロンプトで「会議全体を要約したいのか」「決定事項だけを抽出したいのか」を指示することで、出力の方向性が定まります。目的があいまいだと、冗長な要約や使いづらい記録になってしまいます。
出力形式を具体的に指定する
同じ内容でも「箇条書き」「表」「章立て形式」など、出力の形を指定するだけで活用のしやすさが変わります。特に法人利用では、会議直後にそのまま共有・保存できる形式に整えておくことが効率化のポイントです。
- 箇条書き形式: 決定事項を一覧化しやすくなります
- 表形式: アクションアイテムを担当者ごとに整理しやすくなります
- 段落形式: 背景や議論の流れを把握しやすくなります
読み手を意識した表現を加える
経営層に見せる議事録と、現場担当者が実務に使う議事録では、求められる粒度が異なります。プロンプトに「経営層向けに要点を簡潔に」「現場向けに手順を具体的に」といった条件を加えると、読み手がストレスなく理解できる内容に調整できます。
プロンプトの書き方をより深く知りたい方は以下の資料もご覧ください。設計方法を体系的に解説しています。
Copilot議事録作成で使えるプロンプト【テンプレート集】
続いて、プロンプトのテンプレートも紹介します。
会議全体を要約するテンプレート
この会議の内容を要約してください。
・主要な議題を箇条書きで
・結論を簡潔に
・背景説明が必要なら1文追加
会議後に全体像を把握したいときに便利です。要点だけを素早く共有できます。
決定事項とアクションを整理するテンプレート
会議の内容から以下の形式で整理してください。
【決定事項】
・箇条書きでまとめる
【アクションアイテム】
・担当者
・タスク内容
・期限
誰が何をするかを明確化し、会議の成果をすぐ実行に移せます。
発言者ごとに整理するテンプレート
会議の発言を発言者ごとに整理してください。
・発言者名
・要点
・立場(賛成/反対)
意見の流れを追いやすくなり、合意形成や議論の裏付けに役立ちます。
OneNoteに記録するテンプレート
OneNoteに貼り付けられる形式で会議を整理してください。
# 会議の要点
## 議題1
– ポイント
## 議題2
– ポイント
社内ナレッジとしてストックしやすく、情報共有の属人化を防ぎます。
テンプレートを用意しておくことで、社員全員が同じ品質で議事録を作れるようになります。これは属人化を防ぎ、会議の生産性を引き上げる第一歩です。
Copilotで議事録を作成するときの注意点
Copilotで議事録を作成する際は、日本語精度・長時間会議の扱い方・情報セキュリティ・会議形式による精度差の4点に注意が必要です。
日本語精度の現状と改善の工夫
Copilotはグローバル設計のため、英語に比べると日本語の要約精度にばらつきが出る場合があります。特に長い発言や専門用語が多い会議では、要約が抜け落ちることもあります。
- 発言を整理したメモを一緒に入力します
- プロンプトに「専門用語を残して要約」と明記します
- 長文を小分けにして要約させます
こうした工夫を組み込むことで、日本語会議でも実務レベルで使える精度に引き上げられます。
長時間会議の要約は分割して扱う
2時間以上の会議ログをそのまま処理させると、Copilotが要点を取りこぼす可能性があります。そこで、会議をトピックごとに分割して要約し、最後に統合するという手順をとると安定します。
- 前半・後半に区切ってそれぞれ要約します
- 議題単位に分けて整理したうえで「これらを統合してまとめて」と指示します
対面会議や大規模な会議では精度が下がりやすい
CopilotはTeams上のオンライン会議を前提に設計されているため、対面・ハイブリッド会議では発言者の識別(話者分離)精度が下がりやすくなります。また、参加者が10名を超えるような大規模・部門横断会議では、発言の錯綜により要約の精度が落ちやすい傾向があります。重要な意思決定を伴う大規模会議では、要約をそのまま確定させず、決定事項だけは別途書記が確認する運用が安全です。
情報セキュリティと共有権限に注意する
Copilotはクラウドサービスを基盤にしているため、扱うデータの機密度には十分な配慮が必要です。機密会議の内容をそのまま外部に共有することは避け、権限を限定して保存・展開します。
- 会議情報を外部サービスにコピーしません
- OneNoteで部署ごとに権限を設定します
- 機密会議は要約範囲を限定します
他の議事録AIとの比較
Copilotの強みは、Teams・Outlook・OneNoteなどMicrosoft 365全体とシームレスに連携し、議事録を作って終わりにせず次のアウトプットへつなげられる点です。
Zoom AI Companionとの違い
Zoomには会議内容を自動要約するAI機能が標準搭載されています。Zoom専用のため、会議そのものの録画・要約には強みがある一方、WordやOutlookなど日常業務の文書作成・共有との連携は限定的です。
対してCopilotはMicrosoft 365全体と連動しているため、会議後の議事録を即座にメール共有・OneNoteに保存・資料化まで一気通貫で行える点が大きな違いです。
Otter.aiとの違い
Otter.aiは音声認識とリアルタイム字幕生成に優れ、英語会議では特に評価されています。ただし日本語対応はまだ限定的であり、国内企業の会議にそのまま導入するにはハードルがあります。
Copilotは日本語精度に改善余地があるとはいえ、Microsoftが継続的にアップデートを行っているため、法人利用に適した進化が見込める点で安心感があります。
Copilotを選ぶ決定的な理由
- Microsoft 365アプリとのシームレス連携
- セキュリティ基盤が法人向けに整備されている
- 議事録を「作成する」だけでなく「活用する」流れまで設計されている
社内でCopilot議事録を定着させる方法
Copilot議事録を組織全体に定着させるには、標準化されたプロンプト集の整備・全社研修・効果の可視化という3つを組み合わせる必要があります。
標準化されたプロンプト集を整備する
議事録作成の場面ごとに最適なプロンプトを定義し、共有フォルダや社内ポータルにまとめておきます。
- 「会議全体の要約」
- 「決定事項とアクションアイテム」
- 「発言者ごとの意見整理」
このように型化されたプロンプトを全員が使える状態にすることで、誰がCopilotを利用しても一定の精度で議事録が得られます。
全社員に向けた操作研修を行う
プロンプト集があっても、使い方を理解していなければ定着はしません。定期的な研修やハンズオンセッションを実施し、実務に即したトレーニングを提供します。こうした教育を通じて、社員は「Copilotで議事録を作るのが当たり前」という習慣を自然に身につけます。
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定着のためには成果の見える化も欠かせません。
- 「議事録作成にかかる時間を◯%削減」
- 「会議後のアクションアイテム漏れをゼロに」
といった効果指標を設定し、定期的にレビューすることで、導入メリットが組織全体に浸透し、利用継続の動機付けにつながります。
他社の取り組み|三谷産業・村田製作所に学ぶCopilot活用の定着設計
議事録作成プロンプトを個人のスキルで終わらせず、組織全体の標準として定着させるには、ツールを浸透させる工夫が欠かせません。AI経営総合研究所が独自取材した先行企業の活用実態からも、この視点が見えてきます。
三谷産業株式会社|Teams上に社内チャットボットを自社開発
三谷産業は、G検定(ディープラーニングの基礎知識を問う検定)の取得率が単体で86.2%に達するなど全社的なAI学習を推進しており、Teams上に社内チャットボット「三谷CBT」を自社開発しています。上限550万円の出資制度を設けてプロトタイピングを後押ししている点も特徴です。同社は「永遠の試作品で構わないと思っています」と語っています。
注目すべきは、完成度よりもまず使ってみる文化を、出資制度という具体的な仕組みで後押ししている点です。Copilotの議事録プロンプトも、最初から完璧なテンプレートを目指さず、試しながら型を洗練させていく姿勢が定着への近道になります。
詳細は三谷産業株式会社のインタビュー記事で紹介しています。
株式会社村田製作所|社内報の漫画風記事でCopilot活用を浸透
村田製作所は、国内間接従業員約2万人を対象に生成AI研修を実施し、AIの利活用レベルを5段階で定義してレベル4以上の社員が70%を超えることを目標に掲げています。社内報で漫画風の記事を使ってツールを紹介する取り組みも行っています。同社は「漫画風記事でのツール紹介は、まずはこんなものがあるよと知ってもらうために、短時間でさっと読めて理解しやすいものがいいんじゃないかというアイデアから生まれました」と語っています。
注目すべきは、プロンプトの型を配るだけでなく、そもそも「使ってみよう」と思わせる伝え方まで設計している点です。議事録プロンプトの標準化も、テンプレート集を配布するだけでなく、使うメリットが伝わる見せ方とセットで進めると定着が早まります。
詳細は株式会社村田製作所のインタビュー記事で紹介しています。
2社に共通する設計思想:①完成度よりも「まず使ってみる」ことを後押しする仕組みを用意します ②ツールの機能説明だけでなく、興味を引く伝え方を工夫します ③全社規模の数値目標(取得率・利活用レベル)を設定し、進捗を可視化します。Copilotの議事録プロンプトの標準化も、テンプレートを配るだけでなく、こうした定着施策とセットで進めることが標準化の実効性を左右します。
【まとめ】Copilot議事録作成を成功させるには
Copilotを活用すれば、これまで時間と労力を奪っていた議事録作成を大幅に効率化できます。しかし、ただ導入するだけでは十分な成果は得られません。成功のポイントは「事前準備を含めた正しい手順」「精度を高めるプロンプト設計」「社内での定着」の3つです。
- 手順とプロンプトを工夫すれば、要約・決定事項・アクションを的確に抽出できます
- 精度向上やセキュリティ対応には、運用面での細かな工夫が欠かせません
- 定着には標準化・研修・効果測定が必要で、組織全体で仕組み化することが実効性を左右します
この3つを押さえることで、Copilotは単なる議事録ツールではなく、業務全体の生産性を押し上げる基盤になります。
以下の資料では、プロンプト設計や社内ルールの整備、リスク管理などを深く解説しています。プロンプトの書き方を理解し望むアウトプットを引き出す、Copilotの社内展開を成功させるヒントになる内容です。ぜひご覧ください。
Copilotを「配って終わり」にしない。社内で使われる状態へ。
戦略・失敗回避・プロンプトの3冊を無料DL →よくある質問
- QCopilotは日本語会議でも使えますか?
- A
はい、使えます。ただし英語に比べると日本語の要約精度には差が出る場合があります。「専門用語は省略せず残す」と指定すると安定度が高まります。
- QCopilotはTeams以外の会議(Zoom・Google Meetなど)でも議事録を作成できますか?
- A
いいえ。Copilotの議事録作成機能はMicrosoft Teamsでの会議を前提に設計されており、ZoomやGoogle Meetなど他社の会議ツールでは利用できません。他ツールで開催した会議の議事録が必要な場合は、別の議事録専用AIを検討します。
- Qセキュリティ面で情報漏えいのリスクはありませんか?
- A
CopilotはMicrosoft 365のセキュリティ基盤の上で動作しており、企業向けに設計されたアクセス管理や暗号化が標準搭載されています。ただし、運用ルールを整備せずに利用するとリスクが残るため、「どの会議は要約対象にするか」「保存先はどこか」を事前に決めておく必要があります。
- Qどのプランに加入すれば利用できますか?
- A
CopilotはMicrosoft 365の法人向けプランで提供されています。利用可能なプランや料金は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトで確認します。
- Q作成された議事録を他の資料に転用できますか?
- A
はい。WordやPowerPointと連携させることで、会議要約を報告書やプレゼン資料に反映できます。議事録を「共有する」だけでなく「次のアウトプットに活かす」ことができる点がCopilotの特徴です。
