Otter.aiは、会議やインタビューの音声をリアルタイムで文字起こしし、要約や共有まで自動化できるAI議事録ツールです。英語を中心に高い精度で記録でき、Zoom/Google Meet/Teamsとも連携可能。議事録作成の手間を減らし、意思決定のスピードを上げます。

一方で日本語の精度には課題があるため、導入前に用途・言語・セキュリティ要件を見極めることが重要です。本記事ではプラン比較、活用メリット、注意点、使い方をわかりやすく解説します。

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そもそもOtter.aiとは

引用:Otter|Otterは英語音声の文字起こしアプリです

Otter.aiは、2016年にアメリカ・カリフォルニアで設立されたAI文字起こしツールで、音声を即時にテキスト化できるのが大きな特徴です。ディープラーニング技術と膨大な音声データを学習したモデルを組み合わせており、自然な会話の流れも精度高く捉えることができます。

主な利用シーンは以下のとおりです。

  • ビジネス会議:議事録作成や顧客対応の記録
  • 教育現場:講義ノートやディスカッション記録
  • ジャーナリズム:インタビューの文字起こし
  • メディア制作:動画やポッドキャストの字幕作成

特に英語圏では導入実績が多く、ZoomやGoogle Meetといった主要なWeb会議ツールと連携して自動で文字起こしが可能です。発言者の識別機能やキーワード検索も備えており、会議後の情報整理を効率化できる点が評価されています。

一方で、日本語の対応精度はまだ十分ではなく、英語やスペイン語、フランス語での利用が中心です。そのため国内で導入を検討する場合は、使用言語や業務の性質を踏まえた判断が求められます。

Otter.aiのプラン一覧を比較

Otter.aiには、Basic/Pro/Business/Enterpriseの4種類の料金プランがあります。個人利用から大規模組織まで幅広く対応しており、ニーズに応じて選べるのが特徴です。

プラン料金(月額・年払い換算)月間文字起こし時間1会話あたり上限ファイルインポート特徴
Basic無料300分30分3ファイル(生涯)無料で試せる入門版。基本機能は利用可能。
Pro$8.33(年払い)
$16.99(月払い)
1,200分90分10ファイル/月高度な検索やエクスポート、無制限保存などが利用可能。
Business$20.00(年払い)
$30.00(月払い)
6,000分4時間無制限部門利用向け。管理機能や同時参加、優先サポートあり。
Enterpriseカスタム見積6,000分4時間無制限SSO、HIPAA準拠、専任CSM、AI Sales Agent、カスタム統合対応。

Basicプラン

Basicは無料で始められる入門プランです。リアルタイム文字起こしや自動要約など基本機能を備え、まずOtter.aiを試したい個人に向いています。

ただし月300分・1会話30分までと制限が厳しく、ファイルインポートは生涯で3回まで。保存できる会話履歴も最新25件に限られるため、継続利用には物足りない可能性があります。

Proプラン

Proは個人利用や小規模チームに最適な有料プランです。月1,200分まで文字起こしでき、1会話最大90分に拡張。PDFやSRTへのエクスポート、高度な検索、再生速度調整など機能も強化されます。

カスタム語彙は最大100語まで登録でき、業界特有の専門用語にも対応可能です。コストを抑えつつ実用的に使いたい人向けのプランといえます。

Businessプラン

Businessは、部門単位での利用を想定した法人向けプランです。月6,000分まで文字起こしでき、1会話あたり最大4時間と長時間の会議にも対応。ファイルインポートは無制限で、同時に最大3つの会議に参加できます。

さらに管理者向け機能(使用状況の分析やアクティビティログ)が追加され、チーム全体の利用状況を可視化できます。優先サポートも付くため、安定した運用を求める組織に適しています。

Enterpriseプラン

Enterpriseは、大規模組織やセキュリティ要件が厳しい企業向けの最上位プランです。Businessの機能に加えて、シングルサインオン(SSO)、HIPAA準拠、ドメインキャプチャといったセキュリティ機能が強化されています。

また、AI Sales Agentによる商談記録やカスタムCRM統合、専任のカスタマーサクセスマネージャーのサポートが利用可能。ZoomやGoogle Meetの録画再生機能も備え、営業・管理・教育など幅広い業務に活用できます。

Otter.aiを自社に導入するならこのプラン!

Otter.aiを導入する際は、組織の規模・会議の頻度・必要な機能を軸に選ぶのが効果的です。

  • 初めて使う/短時間の会議を試したい個人Basicプラン
     無料でリアルタイム文字起こしや要約が体験でき、まずは導入効果を試すのに最適です。
  • 定期的に会議を記録する個人や小規模チームProプラン
     1会話あたり90分まで拡張され、カスタム語彙や高度な検索機能も使えるため、議事録作成を効率化できます。
  • 会議数が多い部門やチームでの活用Businessプラン
     月6,000分、最大4時間の会議に対応でき、同時に3会議へ参加可能。管理者向け機能や優先サポート付きで、チーム全体の生産性向上を後押しします。
  • 大規模組織/高セキュリティ要件を満たす必要がある企業Enterpriseプラン
     SSOやHIPAA準拠、AI Sales Agent、専任CSMによるサポートなど、企業レベルの要件に対応。機密性の高い業務やグローバル展開を行う組織に適しています。

結論として、「無料でまず試す → 小規模で有料化 → 部門全体に展開 → 全社規模の統合利用」というステップで導入を検討すると、コストを抑えつつ最大の効果を得られるでしょう。

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Otter.aiの主な特徴

Otter.aiには、会議やインタビューを効率化するための機能が多数備わっています。その中でも特に注目すべきポイントを整理すると、以下の3つに分けられます。

リアルタイム文字起こしと自動要約

最大の特徴は、発言内容をリアルタイムでテキスト化し、会議終了後にはAIによる自動要約を生成できることです。これにより、参加者はメモを取る必要がなく、議論に集中できます。長時間の会議でも要点をすぐに確認できるため、振り返りのスピードも格段に上がります。

発言者の自動識別と管理

Otter.aiは、音声を解析して誰が発言したのかを自動で識別します。発言者ごとにラベルが付与されるため、議事録を読み返す際に「誰が何を言ったか」が明確になります。特に複数人が参加するミーティングや面接では、精度の高い議事録作成に役立ちます。

カレンダー連携と会議アシスタント(OtterPilot)

GoogleカレンダーやOutlookと連携でき、予定された会議に自動で参加し、録音と文字起こしを行うAIアシスタント(OtterPilot)を利用できます。会議の録り忘れ防止や議事録作成の自動化に直結し、担当者の負担を大きく減らします。

これらの機能により、Otter.aiは単なる文字起こしツールではなく、会議全体の効率化を支援する包括的なプラットフォームとして活用できるのです。

Otter.aiを自社に導入するメリット

Otter.aiを導入すると、単なる文字起こしにとどまらず、業務全体の効率化に大きく貢献します。ここでは3つの代表的なメリットを解説します。

議事録作成と情報共有の効率化

会議中の発言をリアルタイムで記録し、自動で要約を生成するため、手作業での議事録作成が不要になります。これにより、作業時間を削減し、担当者の負担を軽くできます。さらに、生成された議事録はすぐにチームへ共有でき、共同編集やコメント機能を使って意思決定をスピードアップできます。

必要な情報を素早く検索できる

膨大な会議データの中から、キーワード検索で特定の発言をすぐに探し出せます。たとえば「来週の担当者は誰?」といった確認も、数秒で関連部分を抽出可能。テキストと音声をリンクして再生できるため、重要な発言を逃さず確認できます。

グローバル対応と学習支援

Otter.aiは英語やスペイン語など多言語に強く、国際会議やグローバルチームのコミュニケーションをサポートします。さらに、学習者にとっては録音とテキストを照らし合わせながら復習できるため、語学学習の効率化にも役立ちます。教育現場でのノート作成や研修資料作りにも有効です。

Otter.aiを自社に導入する前に知っておくべきポイント

Otter.aiは便利なツールですが、導入前に押さえておきたい注意点も存在します。ここでは特に重要な3つを解説します。

日本語対応の制限と精度の課題

Otter.aiは主に英語、スペイン語、フランス語に最適化されており、日本語の文字起こし精度は十分ではありません。そのため国内利用では「英語会議の補助ツール」としての活用が現実的です。日本語会議を扱う場合は、別の文字起こしツールとの併用を検討する必要があります。

無料プランの制限と処理速度

Basicプランは無料で始められますが、月間300分まで・1会話30分までと制限が厳しく、長時間利用には不向きです。また、録音ファイルのアップロードから文字起こし完了まで時間がかかることがあり、会議直後に議事録をすぐ確認したい場合はストレスになるケースがあります。

プライバシーとセキュリティへの配慮

Otter.aiはクラウド上にデータを保存します。通信は暗号化され、EnterpriseプランではHIPAA準拠の仕組みも備わっていますが、過去に無断録音に関する訴訟が起きた事例もあります。社内の機密情報や個人情報を扱う場合は、自社のセキュリティポリシーと照らし合わせ、利用範囲を慎重に決める必要があります。

Otter.aiの始め方・使い方

Otter.aiは、アカウント登録さえ済ませればすぐに利用を開始できます。ここでは基本的な流れを3ステップに分けて解説します。

アカウント作成

まずは公式サイトにアクセスし、無料アカウントを作成します。GoogleアカウントやMicrosoftアカウントで簡単に登録でき、メールアドレスによる登録も可能です。登録後に届く認証メールを確認すれば、すぐに利用開始できます。

パソコンでの利用方法

PCから利用する場合は、Otter.aiのダッシュボードにログインし、「Record(記録)」ボタンをクリックするだけで録音がスタートします。会議中の音声はリアルタイムで文字起こしされ、終了後に保存。議事録としてすぐに確認・編集・共有が可能です。

スマートフォンでの利用方法

スマートフォンアプリを使えば、外出先や出張先でも簡単に議事録を作成できます。アプリを起動してマイクボタンをタップすれば録音が始まり、停止すれば自動でテキスト化。保存されたデータは「My Conversations」からアクセスでき、音声再生やテキスト編集もスマホ上で完結します。

Otter.aiを導入するなら目的と利用環境を明確にして選ぶことが大切です

Otter.aiは、リアルタイム文字起こしや自動要約、発言者識別、会議アシスタント機能などを備えた多機能なAI議事録ツールです。特に英語を中心としたグローバル環境では、議事録作成や情報共有の効率化に大きく貢献します。

一方で、日本語の精度不足や無料プランの制限、セキュリティ面での留意点も存在します。そのため、自社の利用目的・主要言語・セキュリティ要件を事前に整理し、最適なプランを選ぶことが成功のポイントです。導入の判断を誤らなければ、業務効率化と意思決定スピードの加速につながるでしょう。

そして何より大切なのは、「知っている」だけでなく、実際に組織で使いこなせる人材を育てることです。
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Otter.aiに関するよくある質問

Q
Otter.aiは無料で使えますか?
A

はい、無料プラン(Basic)が用意されています。月間300分、1会話あたり30分まで利用でき、リアルタイム文字起こしや自動要約といった基本機能を試すことができます。ただし、長時間の会議や頻繁な利用には制限が厳しいため、有料プランへの移行が現実的になるケースも多いです。

Q
Otter.aiは日本語に対応していますか?
A

残念ながら現時点では日本語対応が十分ではありません。主に英語・スペイン語・フランス語で高い精度を発揮します。日本語の会議で活用する場合は、精度の低さや修正作業の負担を考慮する必要があります。

Q
Otter.aiの精度はどのくらいですか?
A

静かな環境で明瞭に話された英語音声なら、約86%程度の精度とされています。ただし、ノイズのある環境、強い訛り、早口の発話では70%前後に低下することもあります。利用環境によって精度が左右される点に注意が必要です。

Q
Otter.aiはZoomやTeamsと連携できますか?
A

はい、ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsと連携可能です。AIアシスタント「OtterPilot」を会議に自動参加させ、録音と文字起こしを行えます。Enterpriseプランではビデオ録画や再生機能も利用できます。

Q
Otter.aiを効果的に導入する方法は?
A

ツールを導入するだけでは効果が限定的です。社員が実際に使いこなせるよう、AIリテラシー研修と組み合わせて展開することで、業務効率化や情報共有の効果を最大化できます。