Otter.aiは英語会議の文字起こしに強みを持つAIツールです。2025年11月に日本語対応を開始しましたが、精度は国産の議事録AIにまだ劣ります。「日本語の社内会議で使えるのか」「使えないなら何を選べばよいのか」を判断したい方に向けて、本記事では料金・日本語対応の実用度・法人導入時のセキュリティ・国産ツールとの選び分けまでを、誇張なく整理します。英語業務が多いチームには有力な選択肢になる一方、日本語業務が中心なら導入前に確認すべき点がいくつかあります。

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そもそもOtter.aiとは|何ができるAIか

Otter.aiは、会議やインタビューの音声をリアルタイムで文字起こしし、要約と共有まで自動化するAI議事録ツールです。2016年に米国カリフォルニアで設立され、ディープラーニングと大量の音声データをもとに、ZoomやGoogle Meetなどの主要Web会議と連携して動きます。強みは英語音声の認識精度で、ビジネス会議・教育・メディア制作の現場で広く使われています。

主な機能は次の3つに整理できます。いずれも「会議中に手を動かさず、記録と要約を自動化する」という設計思想で共通しています。

  • リアルタイム文字起こし:発言内容を会議中に即座にテキスト化します
  • 自動要約:会議後に要点を自動生成し、議事録の下書きを作成します
  • 話者識別:音声から発言者を判定し、誰の発言かをラベル付けします

加えて、カレンダー連携で会議に自動参加し記録するAIアシスタント「OtterPilot」を備えます。英語圏のチームであれば、会議に出ながら議事録を取る手間をほぼゼロにできる構成です。ただし、日本語業務で使えるかどうかは別の問題です。まず次の章で日本語対応の実用度を確認してください。

Otter.aiは日本語に対応している?最新状況を検証

Otter.aiは2025年11月に日本語の文字起こしに対応しました。ただし英語の認識精度(Otter公式の公称値として、明瞭な環境で約95%)に比べると、日本語の精度はまだ国産ツールに届きません。日本語の社内会議をそのまま議事録にする用途では、修正の手間が残ります。法人利用では日本語対応が足切り条件になるため、料金を比較する前にこの章で結論を確認してください。

英語に強い理由は、学習データと開発の主軸が英語音声に置かれてきたためです。日本語は対応開始からの期間が短く、専門用語・固有名詞・複数人が同時に話す日本語特有の会議シーンで、誤変換や話者の取り違えが起きやすくなります。静かな環境で1人が明瞭に話す条件なら実用的なレベルに近づきますが、複数人が早口でやり取りする実際の会議では精度が落ちます。

業務利用の可否は、用途を分けて考えると判断しやすくなります。次の整理が目安になります。

用途Otter.aiの適性補足
英語の会議・インタビューの文字起こし高い本来の強みが活きる領域です
日本語の正式な議事録作成低い修正前提になり、国産ツールが有利です
日本語の聞き返し・メモ補助中程度完璧でなくても要点が拾えれば十分な用途には使えます

結論として、日本語の正式な議事録を求めるなら現時点では国産ツールが有利です。一方、英語会議が多いチームや、日本語は要点メモ程度で足りる場面なら、Otter.aiを使う余地があります。

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Otter.aiの料金プランを全比較|無料300分でどこまで使えるか

Otter.aiの料金は無料のBasicから法人向けのEnterpriseまで4段階です。無料プランは月300分まで、Proでも月1,200分が上限で、会議が多いチームほど早く枠を使い切ります。料金は米ドル建てで、日本円での課金プランは用意されていません。

以下が現行の料金体系です。年払いは月額換算で表記しています。

プラン月払い年払い(月額換算)文字起こし1回の上限
Basic無料無料300分/月
Pro$16.99/ユーザー/月$8.33/ユーザー/月(51%OFF)アプリ録音1,200分/月90分
Business$30/ユーザー/月$19.99/ユーザー/月(33%OFF)無制限4時間
Enterprise要デモ要デモ

※米ドル建て・2026年6月時点。教育機関向けには学割(.eduアドレスで20%OFF)の案内もあります。

無料の300分がどの程度持つかは、会議頻度で逆算すると分かりやすくなります。1回60分の会議なら月5回で上限です。週1回の定例会議を文字起こしするだけでもひと月で枠が尽きる計算になり、無料枠は「試用」と割り切るのが現実的です。日次で会議を記録する使い方なら、Pro以上が前提となります。

日本企業にとっては、すべて米ドル建てで日本円課金がない点がデメリットになります。為替変動でコストが読みにくく、経費精算や請求書払いの社内ルールと合いにくいためです。Notta(円建て対応)や議事録SaaSのYOMEL(PKSHA Communication)が円建てに対応していることと比べると、調達面のハードルが一段高くなります。各ツールの具体的な料金は後段の比較表で整理します。

Otter.aiの始め方・使い方|PCとスマートフォン

Otter.aiは公式サイトでの無料登録後、すぐに録音を開始できます。GoogleアカウントやMicrosoftアカウントでのサインインに対応しており、PCはブラウザ、スマートフォンは専用アプリから利用します。どちらも操作はシンプルで、ボタン一つで録音と文字起こしが同時に始まります。

PCでの基本の流れは次のとおりです。会議の記録を始めるまでの手順を順に追います。

  1. 公式サイトでアカウントを作成し、ダッシュボードを開きます
  2. 「Record」ボタンを押すと録音と文字起こしが同時に始まります
  3. 会議終了後、自動生成された要約とテキストを確認・編集します
  4. 共有リンクやエクスポートで議事録をチームに配布します

スマートフォンでは、アプリのマイクボタンをタップすると録音が始まり、音声が自動でテキスト化されます。対面の打ち合わせや外出先のインタビューなど、PCを開けない場面で役立ちます。保存したデータはアプリ上で一覧管理でき、後から検索して該当箇所の音声を再生することも可能です。

Otter.aiを導入する前に知るべき注意点|法人のセキュリティ観点

法人で導入する前に、クラウド送信・データの保管国・無料版の制限という3点を必ず整理してください。会議音声は外部のクラウドに送られて処理されるため、機密性の高い会議で使ってよいかは情報システム部門の事前審査を必須要件に組み込んでください。

契約前に押さえる項目を以下にまとめます。導入後のトラブルを避けるため、すべてチェックしてから契約に進んでください。

  • クラウド送信:会議音声は外部サーバーで処理されます。社外秘の内容を含む会議で使う場合は、社内のデータ取り扱いルールに抵触しないかを契約前に必ず確認してください
  • データ保管国とAI学習利用:データがどの国のサーバーに保管され、AIの学習に利用されるのかを、契約前にプラン規約で確認してください。学習利用の有無は機密保持の観点で重要な判断材料になります
  • 無断録音のリスク:過去に無断録音をめぐる訴訟事例が報じられています。会議参加者への録音告知を社内ルールとして整備し、運用に組み込んでください
  • 無料版の制限:月300分・1回30分の上限があり、長時間会議には不向きです。処理に時間がかかる場合もあります

上位プランのEnterpriseではSSOやHIPAA準拠などの高セキュリティ要件に対応します。こうした管理機能を必要とする規模であれば、価格だけでなく自社のセキュリティ基準を満たすかを、契約条件まで踏み込んで確認してから決裁してください。

AIを安全に運用する観点でも、セキュリティやガバナンス対策の方法を知っておくことが重要です。以下の資料では、情報漏洩を防ぐ対策やAIの設定方法など、リスク対策のノウハウもわかります。

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日本語業務での代替・比較|Otter vs Notta vs 国産議事録AI

日本語の議事録が主目的なら、Nottaや国産の議事録AIが有力な代替になります。比較対象としては、Notta(円建て対応の多言語ツール)、議事録に特化した国産SaaSのYOMEL(PKSHA Communication)、そして音声認識APIのAmiVoice(提供元:株式会社アドバンスト・メディア)が代表格です。Otter.aiは英語精度とAIアシスタント機能に強みがある一方、日本語精度・円建て課金・国内サポートでは国産ツールに分があります。自社の会議が英語中心か日本語中心かで、選ぶべき方向が分かれます。

中立的な選定の目安として、主要ツールの特徴を整理します。どれが優れているかではなく、自社の言語環境と要件に合うかで選ぶのが実務的です。

比較軸Otter.aiNottaYOMELAmiVoice API
製品タイプ議事録SaaS議事録SaaS議事録SaaS音声認識API(従量・開発者向け)
無料枠月300分(Basic・英語中心)月120分(フリー)無料プランなし毎月60分無料
料金(最小)月$16.99(年$8.33)月1,980円(年1,185円)月28,000円(スターター・30時間)148.5円/時間〜(従量)
課金方式・通貨米ドル・月額日本円・月額(税込)日本円・月額(税抜)日本円・従量1秒単位(税込)
対応言語英語中心(日本語は2025年11月対応も国産に劣後)58言語日本語(英語はオプション)日本語・英語・中国語・韓国語ほか
強みの方向英語会議・AIアシスタント多言語の文字起こし全般議事録業務への特化自社システムへ組み込む認識基盤

※2026年6月時点。YOMELは税抜、AmiVoiceは税込、Otterは米ドル建てです。各社で改定の可能性があるため契約前に公式ページで確認してください。

判断軸はシンプルです。英語会議の比率が高いチームや、海外メンバーとのやり取りが多い組織ならOtter.aiが活きます。日本語の社内会議を正式な議事録に落とすのが主目的なら、議事録アプリのNottaやYOMELのほうが修正の手間が少なく、調達面でも国内ルールに合います。AmiVoiceは完成された議事録アプリではなく音声認識を自社システムに組み込む従量課金APIで、開発リソースを持つ企業が独自機能を作る場合の選択肢になります。複数ツールを試用枠で比較し、自社の実際の会議音声で精度を確かめてから決めてください。

議事録AIを「入れただけ」で終わらせない|先行企業に学ぶ全社運用

ここで取り上げる2社が使ったのは汎用の生成AIですが、現場へ浸透させるプロセスは文字起こし・議事録AIでも完全に共通します。ツールを配っただけでは使われず、業務フローと人の使い方に組み込んで初めて削減時間や成果が出る——この構造はOtter.aiやNottaのような議事録AIを全社展開するときにそのまま当てはまります。だからこそ、ツール選定の前に「入れた後どう運用するか」を先行企業から学んでおく価値があります。

AI経営総合研究所が​独自に取材した先行企業の活用実態​からは、ツールを業務フローと人の使い方に組み込んだ企業ほど成果が大きくなる傾向が見えてきます。議事録AIの導入を検討する際の運用設計の参考になる2社の取り組みを紹介します。

塩野義製薬|文書作成を最大50%削減し働き方そのものを問い直す

塩野義製薬では、専任組織を立ち上げて生成AIを業務に組み込み、文書作成の時間を最大50%削減しています。同社は2024年10月に専任のGenerative AIグループを設置し、治験総括報告書で約50%、治験実施計画書で約20%の作成時間削減を、2026年2月の共同PoCで確認しました。全社員の生成AI利用率も約6割(2〜3日に1回利用の基準)に達しています。

ポイントは、​​ツール導入をゴールにせず「働き方や生産性をどう変えるか」を社員に問い直させている点​​です。同社は社員に対し「使うことで自分の働き方や生産性をどう変えていくかを問い直してほしい」という姿勢で浸透を進めています。文字起こしAIも、記録を自動化するだけでなく、議事録作成や情報共有の業務そのものを見直すきっかけにできます。

詳細は塩野義製薬株式会社のインタビュー記事で紹介しています。

ビズリーチ|現場起点の浸透で全社約4,000時間を削減

ビズリーチでは、生成AIの「使い方の質」に踏み込むことで、検索の延長で終わっていた活用を実務的な成果へ転換しました。同社では生成AI活用率が約80%に達していたものの、その実態は「検索による情報収集」が9割を占めていました。

ポイントは、​​普及率の高さに満足せず、使われ方を可視化して再設計した点​​です。同社の担当者は当時の状況を「実際には、ほとんどがGoogle検索の延長でした」と振り返ります。入社後1ヶ月で40人以上と1on1を重ね、社内コンテストやSlackコミュニティ(参加者1,000人以上)で現場起点の浸透を進めた結果、全社で約4,000時間の業務削減・約1億円規模の価値創出を実現しました。文字起こしツールも、導入率だけでなく「議事録がその後どう使われているか」まで見ることで価値が変わります。

詳細は株式会社ビズリーチのインタビュー記事で紹介しています。

2社に共通する設計思想​​:①ツール導入をゴールにせず業務フローと使い方まで踏み込む ②現場の実態を可視化してから打ち手を設計する ③専任組織や推進担当が旗振り役になり全社へ広げる。文字起こしAIの選定でも、ツール単体の精度だけでなく、議事録業務をどう再設計するかを併せて考えることが成果を分けます。

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Otter.aiを選ぶときの判断軸まとめ

Otter.aiは英語会議の文字起こしに強いAIツールで、リアルタイム文字起こし・自動要約・話者識別を備えています。2025年11月に日本語対応を開始しましたが、精度は国産ツールに劣後し、料金も米ドル建てで日本円課金がありません。日本語の社内会議を正式な議事録にする用途なら、議事録アプリのNottaやYOMELといった円建て対応ツールのほうが修正の手間と調達面で有利です。英語会議が多いチームや、日本語は要点メモで足りる場面では有力な選択肢になります。

導入時はクラウド送信・データ保管・無断録音のルール整備を情報システム部門の事前審査として必須化し、自社の実際の会議音声で精度を試してから決裁してください。

以下の資料では、運用ルール設計組織体制の考え方など、業務フローへの組み込みを成功させるための知識が手に入ります。AIをきちんと社内に定着させ、業務負担軽減などの成果を出す第一歩になる内容です。お気軽にご覧ください。

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Otter.aiに関するよくある質問

Q
Otter.aiは無料で使えますか?
A

無料のBasicプランがあり、月300分・1回30分の上限内で利用できます。リアルタイム文字起こしなど基本機能は使えますが、1回60分の会議なら月5回で上限に達します。継続的に会議を記録するならPro以上が前提となります。

Q
Otter.aiは日本語に対応していますか?
A

2025年11月に日本語の文字起こしに対応しました。ただし精度は英語より低く、国産の議事録AIに劣後します。日本語の正式な議事録には修正作業が残るため、日本語業務が中心ならNottaや国産ツールの併用や乗り換えが現実的です。

Q
Otter.aiの文字起こし精度はどの程度ですか?
A

英語は静かな環境で明瞭に話す条件なら高精度(Otter公式の公称値として約95%)です。一方、ノイズや訛り、複数人の同時発話では精度が下がります。日本語は対応開始からの期間が短く、専門用語や固有名詞で誤変換が起きやすい状況です。

Q
Otter.aiはZoomやGoogle Meetと連携できますか?
A

連携できます。AIアシスタント「OtterPilot」がカレンダー連携で会議に自動参加し、録音と文字起こしを実行します。参加者への録音告知など、社内の運用ルールを整えたうえで利用するのが安全です。

Q
Otter.aiと国産の議事録AIはどう使い分けますか?
A

英語会議の比率が高いチームならOtter.aiが活き、日本語の社内会議が主目的ならNottaや国産議事録AIが有利です。判断軸は会議の言語と、円建て課金・国内サポートの要否です。試用枠で自社の実際の会議音声を比較してから決めると失敗しにくくなります。