Google Workspace は、中小企業から大企業まで幅広く利用されているクラウド型の業務基盤です。なかでも Enterpriseプラン(Enterprise Standard/Enterprise Plus) は、大規模組織向けに強化されたセキュリティ・管理機能を備えた上位プランとして注目されています。

しかし実際に導入を検討する際、

「Enterpriseの料金はいくらなのか?」
「Business Plusとの違いは?」
「自社にとって本当に必要なのか?」

といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、Google Workspace Enterpriseの料金体系とStandard/Plusの違いをわかりやすく整理し、さらに 導入を成功させるための検討ポイントや活用事例 まで解説します。

また、Enterprise導入に不可欠となる 社員教育や運用定着の観点 についても触れ、単なる価格比較にとどまらない“導入後の成功戦略”をお届けします。

👉 料金プランの全体像をまず知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
Google Workspaceの料金を徹底解説|最新プラン比較と選び方【2025年版】

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Google Workspace Enterpriseとは?

Google Workspace Enterpriseは、大規模組織のために設計された最上位プランです。Businessプランではカバーしきれないセキュリティ対策や管理機能を標準搭載しており、数百〜数千人規模の企業に最適化されています。

特に、コンプライアンス遵守や国際拠点での利用を前提とした環境では、Enterpriseプランの導入が選ばれるケースが増えています。

大企業向けに設計された上位プラン

Enterpriseプランでは、ユーザー数無制限のスケーラビリティや、情報漏洩を防ぐための高度なセキュリティ機能が強化されています。

たとえば、データ損失防止(DLP)、コンテキスト対応アクセス制御、セキュリティセンターといった仕組みにより、組織全体を一元的に管理可能です。これらは、金融機関や上場企業など、厳格な運用ルールを求められる組織にとって不可欠な要素です。

Businessプランとの違い

一方で、Businessプランは中小規模企業向けにコストパフォーマンスを重視した設計です。ユーザー数の上限(最大300名)や、一部の高度なセキュリティ機能が含まれない点でEnterpriseと差別化されています。

つまり、従業員数の拡大や情報統制の複雑化が進んだ段階でEnterpriseに移行することが自然な流れとなります。

Google Workspace Enterpriseの料金体系

EnterpriseプランはGoogle Workspaceの中でも大企業向けに設計されているため、料金は公式サイト上で明示されていません。これは、組織規模や契約条件によって価格が変動するためです。そのため「見積もりベース」となり、ビジネスプランと比べて一段高い水準になるのが一般的です。

ここではまずBusinessプランの料金を整理し、その上でEnterpriseの位置づけを解説します。

Businessプランの料金(参考)

プラン月額(年間契約)月額(フレキシブル契約)主な特徴
Business Starter800円950円小規模チーム向けの基本プラン
Business Standard1,600円1,900円Drive容量増加やMeet録画などが利用可能
Business Plus2,500円3,000円Vaultや監査ログなど管理機能を強化

Businessプランは最大300ユーザーまでという制限があるため、規模が拡大する企業にとっては制約となります。

Enterprise Standardの料金目安

Enterprise StandardはBusiness Plusの上位にあたるプランです。料金は問い合わせが必要ですが、1ユーザーあたり月3,000円以上が目安とされます。ストレージは無制限に近く、セキュリティ・管理機能も拡張されます。特に情報統制や法令遵守を重視する企業に選ばれる傾向があります。

Enterprise Plusの料金目安

Enterprise Plusは、さらに上位のプランで、最も包括的なセキュリティ・管理・分析機能を備えています。機械学習を用いた脅威分析、データ損失防止(DLP)、Vaultの拡張機能など、大規模かつ高リスクな環境に対応可能です。こちらも料金は非公開ですが、Standardを超える金額(数千円台後半〜)が一般的です。

まとめると、Businessプランが「コスト重視の中小規模企業」向けであるのに対し、Enterpriseは「セキュリティ・管理・拡張性を重視する大規模企業」向けという立ち位置になります。

Enterprise導入を検討する企業では、ツールを導入するだけでなく運用を成功させる人材教育や社内定着の仕組みが不可欠です。SHIFT AI for Bizでは、Google Workspaceの効果を最大化するための法人研修を提供しています。

Enterprise StandardとPlusの違い

Enterpriseプランには StandardPlus の2種類があります。どちらも大規模組織向けに強化されたプランですが、セキュリティ機能や管理体制のレベルに差があります。ここでは、具体的な違いを整理しながら、自社に最適な選び方を解説します。

セキュリティ・管理機能の違い

Enterprise Standardでも高度なセキュリティ機能を利用できますが、Enterprise Plusではさらに強化されています。

  • Enterprise Standard:高度なアクセス制御、データ損失防止(DLP)、監査ログなどを搭載。一般的な大企業のセキュリティ要件を満たせる
  • Enterprise Plus:脅威分析、S/MIME暗号化、Cloud Identity Premiumとの統合など、より厳格な情報統制が可能。金融・医療・公共機関など最高水準のセキュリティが求められる組織に必須

つまり、Standardは「十分なセキュリティ」、Plusは「最高水準のセキュリティ」という位置づけです。

コラボレーション機能の違い

  • Enterprise Standard:Meetの録画やドメイン内の利用制限など基本機能が利用可能
  • Enterprise Plus:Meetのノイズキャンセルやライブストリーミング(数万人規模)、BigQuery連携によるデータ分析など、より大規模での運用を支援

大規模なオンラインイベントや全社規模の配信を行う企業にとって、Plusの拡張機能は大きなアドバンテージになります。

サポート・SLA保証の違い

Enterpriseプランはいずれも24時間365日のサポートがつきますが、Plusではより高水準のSLA保証(稼働率99.9%以上)や高度なサポートメニューを利用可能です。障害が業務に直結する大規模組織では安心材料となります。

まとめポイント
・Enterprise Standard:大企業の基本的なセキュリティ管理体制を整えたい企業向け
・Enterprise Plus:法規制や国際基準に対応し、全社規模の統合運用を求める企業向け

Google Workspace Enterpriseの主な機能と強み

Enterpriseプランは「Business Plusの拡張版」ではなく、大規模組織の運用課題を解決するために作られた統合基盤です。ここでは代表的な機能と、その強みを解説します。

高度なセキュリティ・情報保護機能

大企業で最も重視されるのはセキュリティです。Enterpriseでは、標準機能に加えて以下の強化が行われています。

  • データ損失防止(DLP):機密情報の外部送信を自動で検知・制御。誤送信や情報漏洩を未然に防ぐ
  • コンテキスト対応アクセス制御:利用環境(端末・場所・ネットワーク)に応じてアクセス可否を制御。リモートワークや海外拠点でも安全に運用可能
  • セキュリティセンター:脅威の可視化やリスク対応をダッシュボードで一元管理

これらにより、グローバル規模でのセキュリティ標準化が可能になります。

大規模組織を支える管理機能

ユーザー数が数千人規模になると、アカウント管理やログ管理は人力では困難です。Enterpriseでは、

  • 詳細な監査ログ
  • Cloud Identityとの統合
  • 部署単位・ポリシー単位での柔軟な設定 

が可能となり、情報システム部門の負担を大幅に軽減します。特に内部統制や監査対応が求められる上場企業にとっては欠かせない機能です。

AIとの統合による生産性向上

2025年以降の大きな特徴は、Gemini(Googleの生成AI)との統合です。

  • GmailやDocs内で自動文章生成・要約
  • スプレッドシートでのデータ分析補助
  • 会議内容のリアルタイム要約

このような機能により、従来の「働き方改革ツール」から「知的生産性を飛躍させる基盤」へと進化しています。

Enterpriseプランが選ばれる理由|大企業ユースケース

Google Workspace Enterpriseは、単に高機能だから選ばれるのではなく、大規模組織のリアルな課題を解決できるから選ばれているプランです。ここでは、実際に多くの企業がEnterpriseを導入する背景をユースケースとして整理します。

数千人規模の従業員を抱える企業

従業員数が300人を超えると、Businessプランではライセンス制限に直面します。さらに数千人規模になると、アカウント管理やセキュリティ監査の負荷は飛躍的に増大。Enterpriseはユーザー数無制限と強力な管理機能により、こうした組織の拡張性ニーズに応えます。

海外拠点やリモートワーク体制を持つ企業

拠点や勤務場所が分散するほど、情報漏洩リスクやアクセス制御の難易度は上がります。Enterpriseでは、コンテキスト対応アクセス制御デバイス管理機能により、世界中どこからでもセキュアに利用可能。リモートワークや海外展開を進めるグローバル企業に選ばれています。

コンプライアンス・法令遵守を重視する業界

金融・医療・製薬・公共機関といった業界では、情報管理の厳格性が必須条件です。Enterprise Plusでは、データ損失防止(DLP)、Vault拡張機能、S/MIME暗号化など、業界規制に対応する機能を備えており、監査・証跡管理まで一元化できます。

Enterpriseは「高額な上位プラン」ではなく、組織規模が大きくなるほど不可欠なインフラです。ユーザー数・拠点数・法的要件が増えるほど、Enterpriseでなければ運用が立ち行かなくなります。

「AIを組み込んだ新しい働き方を実現するには、社員が使いこなせる教育設計が不可欠です。SHIFT AI for Bizの研修では、Google WorkspaceとGeminiの実践活用をセットで習得でき、導入効果を最大化できます。

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Enterprise導入時に押さえるべき検討ポイント

Enterpriseプランは大企業向けに最適化されていますが、導入の可否を判断する基準をあらかじめ整理しておくことが大切です。ここでは、企業が検討段階で必ず確認すべき要素をまとめます。

何名規模からEnterpriseに切り替えるべきか

Businessプランは最大300ユーザーまでしか利用できません。従業員数が300名を超える時点で、Enterpriseへの移行が現実的な選択肢となります。また、組織規模が小さくても高度なセキュリティ要件や法規制に対応する必要がある企業では、早期にEnterpriseを検討するケースも少なくありません。

料金見積もりの考え方

Enterpriseは「定価公開型」ではなく、利用人数・契約条件・サポート内容によって金額が変動します。一般的にはBusiness Plusよりも高額(1ユーザーあたり月3,000円以上が目安)ですが、実際のコストは導入規模によって大きく変わります。

料金試算を行う際は、単に「ライセンス×人数」で計算するのではなく、運用・教育に必要なリソースも含めてトータルで検討することが重要です。

無料トライアル・デモの活用

Google Workspaceには14日間の無料トライアルが用意されています。まずは一部の部署で試験導入を行い、実際の業務に適合するかどうかを確認することがおすすめです。その上で、導入後の展開計画を立てれば、全社展開に伴うリスクを最小化できます。

まとめ|Google Workspace Enterprise導入を成功させるポイント

Google Workspace Enterpriseは、大企業やセキュリティ要件の厳しい組織に特化したプランです。
料金は公開されていませんが、Business Plusを上回る水準で、ユーザー数無制限・高度なセキュリティ・柔軟な管理機能を備えています。

最終チェック🤞
・Enterprise StandardとPlusの違い → セキュリティや機能のレベルで選択肢が変わる
・導入が必要になる規模や条件 → 300名超、もしくは法規制対応が必須な業界では必然
・導入成功のカギ → 単なる契約ではなく、社員教育・運用定着まで設計すること

この3点が導入判断の軸になります。

Enterpriseは「ただ高額なプラン」ではなく、組織の成長に伴う必然の選択です。

ここまでご覧いただいた方は、Enterpriseの必要性を理解されたと思います。ただし導入だけでは不十分で、実際に社員が使いこなしてこそ投資対効果が生まれるのが現実です。

SHIFT AI for Bizの法人研修は、

  • Google Workspace活用の実践スキル
  • セキュリティ運用の社内定着
  • AI(Gemini)活用による生産性向上

をトータルで支援し、Enterprise導入を「成果につながる運用」へ導きます。

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Google Workspace Enterpriseのよくある質問(FAQ)

Google Workspace Enterpriseの導入を検討する企業からよく寄せられる質問をまとめました。

Q
Enterpriseの料金はいくらですか?
A

Enterpriseプランは、Businessプランのように公式の定価は公開されていません。契約人数やサポート内容によって変動しますが、Business Plus以上(月額2,500円〜3,000円)より高い水準が一般的です。目安としては1ユーザーあたり月3,000円以上と考えるとよいでしょう。

Q
Enterprise StandardとPlusの違いは何ですか?
A

両プランとも大企業向けの強力なセキュリティと管理機能を備えていますが、Plusではさらに高度な暗号化・脅威分析・ライブ配信などの拡張機能が提供されます。特に金融・医療・公共分野など、法規制が厳しい業界ではPlusが選ばれる傾向があります。

Q
何人規模からEnterpriseを選ぶべきですか?
A

Businessプランは最大300ユーザーまでの制限があるため、従業員数が300名を超える時点でEnterpriseが必要になります。また、人数が少なくてもセキュリティやコンプライアンス要件が厳しい企業では、早期にEnterpriseを選ぶケースも多くあります。

Q
無料トライアルは利用できますか?
A

はい、Google Workspaceには14日間の無料トライアルがあります。まずは一部の部門で試験導入を行い、実際の業務に合うかどうかを確認すると安心です。

Q
Enterpriseを導入すると何が一番変わりますか?
A

最も大きな違いは、組織全体を安全かつ効率的に統合管理できる点です。ユーザー数の制限がなく、強力なセキュリティ・監査ログ・管理機能が標準搭載されているため、全社規模で安心して利用できます。

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