企業のメールやファイル管理、オンライン会議などを一元化できる「Google Workspace」。
すでに多くの企業で導入が進んでいますが、いざ検討を始めると 「料金体系が複雑でわかりにくい」「自社に合うプランはどれか?」 と悩む担当者も少なくありません。
本記事ではGoogle Workspaceの最新料金プランと機能をわかりやすく整理し、企業規模や利用目的に応じた最適な選び方を解説します。
さらにMicrosoft 365との比較や、導入後に必要となる社内展開・定着のポイントも解説するので参考にしてください。
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Google Workspaceとは?
Google Workspaceは、Googleが提供する法人向けクラウド型グループウェアです。
GmailやGoogleカレンダー、ドライブ、スプレッドシート、Meet(オンライン会議)など、普段個人利用しているGoogleの各種サービスをビジネスに最適化して統合的に利用できるのが特徴です。
旧サービス名は「G Suite」で、2020年に「Google Workspace」としてリブランドされました。現在では、世界中で数百万社が導入しており、日本国内でも中小企業から大企業まで幅広く活用されています。
主な特徴は以下の通りです。
- 独自ドメインのメールアドレスを利用可能
- 1ユーザーごとの課金で、規模に応じて柔軟に拡張できる
- セキュリティや管理機能が強化されており、企業利用に安心
- 標準搭載のAI「Gemini」による生成AI機能で業務効率化をサポート
Google Workspaceの料金プラン一覧【最新】
Google Workspaceには、主に以下の4つの料金プランがあります。すべて1ユーザーあたりの月額課金で、企業規模や利用目的に応じて選択できます。
Business Starter(小規模向け)
まずは低コストで導入したい企業向けのプランです。
- 料金:月額 ¥800/ユーザー
- 主な特徴:
- ストレージ 30GB/ユーザー
- 独自ドメインのGmail利用
- Google Meet 最大100人参加
- ストレージ 30GB/ユーザー
Business Standard(中小〜中堅企業向けの人気プラン)
多くの企業に採用されている、バランス型のプランです。
- 料金:月額 ¥1,600/ユーザー
- 主な特徴:
- ストレージ 2TB/ユーザー
- Meet 最大150人参加、録画機能あり
- 共同編集・高度なドライブ検索機能
- ストレージ 2TB/ユーザー
Business Plus(セキュリティ強化型)
セキュリティと管理機能を強化したい企業向けです。
- 料金:月額 ¥2,500/ユーザー
- 主な特徴:
- ストレージ 5TB
- Meet 最大500人参加、録画機能あり
- Vault(電子情報開示・保持ポリシー設定)
- 高度なセキュリティ管理機能
- ストレージ 5TB
Enterprise(大規模・高セキュリティ要件)
高度なセキュリティや大容量ストレージを求める企業に適しています。
- 料金:個別見積り(要問い合わせ)
- 主な特徴:
- ストレージ 5TB/ユーザー
- Meet 最大1,000人参加、録画機能あり
- 高度なセキュリティ(データ損失防止、S/MIME、ゼロトラスト対応)
- Geminiによる生成AI活用の拡張
- ストレージ 5TB/ユーザー
Google Workspace料金プラン比較表(2025年最新)
プラン | 月額料金(1ユーザー) | ストレージ | Meet参加人数 | 会議録画 | セキュリティ機能 |
Business Starter | ¥800 | 30GB | 100人 | なし | 基本 |
Business Standard | ¥1,600 | 2TB | 150人 | あり | 高度 |
Business Plus | ¥2,500 | 5TB | 500人 | あり | 高度 |
Enterprise | 要問い合わせ | 5TB | 1,000人 | あり | 最上位 |
Starter・Standard・Plus プランは、最大300人のユーザー利用が可能。Enterpriseはユーザー数の上限、下限はありません。
料金の詳しい仕組み
Google Workspaceの料金は、1ユーザーあたり月額課金が基本です。契約形態や支払い方法によって、実際にかかるコストが変わるため、導入前に正しく理解しておきましょう。
ユーザー単位の課金
契約は「1アカウント=1ユーザー」で計算されます。
例:Business Standard(月額¥1,600)を20人で利用する場合 → ¥32,000/月。
利用者数の増減に応じて、契約数も柔軟に変更可能です。
無料トライアル(14日間)
導入前に実際の使用感を確認できます。
- すべてのプランで14日間の無料トライアルが利用可能。
- 実際に業務で使うことで、自社に合うプランを見極められる。
- トライアル中に使える機能の範囲も本番同等。
注意すべき契約上のポイント
見落とされがちな以下のポイントに注意しましょう。
- プランの併用はできない(例:StarterとStandardを混在させることは不可)。
- 契約途中でプラン変更する場合は、タイミングによって差額精算や再設定が必要になることがある。
- Enterpriseのみ「要問い合わせ」料金のため、導入時には代理店を通す方法もある。
どのプランを選ぶべきか?企業規模・利用目的別の最適解
Google Workspaceは機能面でも価格面でもバリエーションがあり「どのプランを選ぶべきか」が最大の悩みどころです。ここでは企業規模・利用シーンごとにおすすめのプランを整理します。
小規模企業(〜10名程度)
小規模企業にはBusiness Starter または Business Standardがおすすめです。
少人数で基本的なメール・カレンダー・ファイル共有を利用するならStarterで十分です。
ただし、オンライン会議の録画機能やストレージ容量(30GBでは不足しがち)が必要ならStandardを選ぶことをおすすめします。
特にリモートワークが多い場合、Standard以上の方が快適に使えます。
中堅企業(10〜300名規模)
中規模の企業にはBusiness Standardがおすすめです。
コストと機能のバランスが良く最も採用率が高いプランで、2TBのストレージ容量があれば日常業務には十分対応できます。
会議録画やチームドライブの高度な検索機能があるため、リモートワークや社内コラボレーションを本格的に進めたい企業に最適です。
情報共有が増えるタイミングで「Business Plus」への移行を視野に入れても良いでしょう。
大企業・高セキュリティ要件
大規模運用や厳しい規制がある業界にはBusiness Plus または Enterpriseがおすすめです。
数百〜数千人規模の利用や、監査・コンプライアンス対応が求められる業種(金融・医療・製造など)には万全なセキュリティ対策が必須です。
5TBのストレージ+Vaultによるデータ保持・電子情報開示が可能で、厳しい要件(ゼロトラストセキュリティ・無制限ストレージなど)もカバーできます。
【関連記事】
Google Workspace社内展開の成功法則|失敗しない導入ステップと定着のポイント
Google WorkspaceとMicrosoft 365の料金比較
クラウド型グループウェアを検討する際、多くの企業が比較対象とするのがMicrosoft 365です。両者は似た機能を持ちながらも、料金体系や強みが異なります。
料金の比較
サービス | 主なプラン | 月額料金(1ユーザー) | ストレージ |
Google Workspace | Business Starter | ¥800 | 30GB |
Google Workspace | Business Standard | ¥1,600 | 2TB |
Microsoft 365 | Business Basic | ¥899 | 1TB |
Microsoft 365 | Business Standard | ¥1,874 | 1TB |
最安値のプランではGoogle Workspaceの方が安いですが、Microsoft 365の方がストレージ量が多いです。
しかし、1つグレードアップしたプランではGoogle Workspaceの方が低コストかつストレージ容量が2TBと大きいのが強みです。
機能面の比較
機能面においてはGoogle Workspaceは、GoogleのGmail、ドライブ、Meetなどのようにシンプルで直感的に使えるブラウザ完結型です。
Microsoft 365はOutlook、Word、Excel、Teamsなど、従来型Officeソフトとの親和性が高いです。
AI活用の比較
Google WorkspaceではGeminiが標準搭載され、メール文案生成・スプレッドシート分析などをサポートします。
Microsoft 365ではCopilotが利用可能で、WordやExcelの自動化ができます。しかし、別途ライセンスが必要です。
セキュリティ面の比較
両サービスとも法人利用を前提にセキュリティ機能を搭載しています。
Googleはゼロトラスト思想をベースにシンプルな管理性を強調。Microsoftは細やかな権限設定やオンプレとのハイブリッド運用に強みがあります。
【関連記事】
Google Workspace比較ガイド|Microsoft 365との違い・料金・選び方を徹底解説
導入コスト以外に考えるべき隠れコスト
Google Workspaceの料金は「1ユーザーあたり月額○○円」とシンプルに見えますが、実際の導入・運用では表面に見えないコストも発生します。
導入効果を最大化するためには、料金表には載らない要素も検討に含める必要があります。
初期設定や移行コスト
独自ドメインの設定、既存メールやファイルの移行には専門知識や工数が必要です。
内製対応する場合は情報システム部門の工数負担が発生し、外部ベンダーに委託する場合は別途費用がかかります。
社内定着・教育コスト
機能が豊富であるがゆえに、社員が使いこなせないと投資効果が出ないリスクがあります。
また、社内トレーニングや操作マニュアル作成に工数が必要です。特にGeminiなどAI機能は活用方法を学ばないと十分に使いこなせません。
セキュリティ運用コスト
強固なセキュリティ機能は搭載されていますが、社内ルールの策定や運用体制構築は企業の責任です。情報漏洩対策や権限管理を怠ると、大きなリスクに直結します。
そのほか、必要に応じて専任担当や外部サポートのコストを見込む必要があります。
【 関連記事】
Google Workspaceのセキュリティは本当に安全?導入前チェックポイントと運用方法
導入後に活用度を最大化する方法
Google Workspaceは契約しただけでは十分に効果を発揮できません。
社内に定着させ、活用度を高める工夫を行うことで、初めて投資対効果(ROI)が最大化されます。
社員向け研修・教育を実施する
導入後に社員全員がスムーズに活用できるようにするには、基礎操作から応用までの教育が欠かせません。
- 基本操作(Gmail・ドライブ・Meet)の習熟はもちろん、効率化のためのベストプラクティスを学ぶことが重要
- 特に生成AI「Gemini」の活用は習熟度で差が出やすいため、事例を交えた研修が効果的
- 社員のリテラシーを底上げすることで、導入効果が数倍に広がる
他ツールとの連携で効率化を強化
Google Workspace単体でも便利ですが、他の業務ツールと組み合わせることでさらに生産性が高まります。
- Slack、Notion、Salesforceなどの外部ツールと連携することで、業務フローがよりスムーズに
- Google Workspace Marketplaceを活用すれば、自社に最適な連携アプリを導入可能
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Google Workspace連携ツール徹底ガイド|カテゴリ別おすすめと活用事例
セキュリティポリシーを整備する
利便性を高めながらも情報漏洩リスクを防ぐためには、社内のセキュリティ運用ルールが不可欠です。
- 社員が増えるほど、情報共有ルールや権限管理の明確化が重要
- 定期的なパスワード更新、アクセス制御、デバイス管理の徹底で安全性を担保
- セキュリティ教育と運用ルールを並行して導入するのがおすすめ
まとめ|Google Workspaceの料金は「選び方」と「活用」で差が出る
Google Workspaceの料金体系はシンプルに見えますが、プランによってストレージ容量・会議機能・セキュリティレベルが異なります。
さらに、2025年からは料金改定とAI「Gemini」の標準搭載により、コストと機能のバランスをどう取るかが導入判断のポイントです。
本記事で解説したポイントを振り返ると
- Google Workspaceは「1ユーザーあたりの月額課金」が基本
- Starterは低コスト重視、Standardは最もバランスが良く、中堅企業に人気
- Plus/Enterpriseはセキュリティ強化や大規模利用に最適
- Microsoft 365との比較では、ストレージとAI機能でWorkspaceが優位
- 料金以外にも「社内定着・教育・セキュリティ運用」の隠れコストを見込む必要あり
料金表だけで判断せず、自社の規模・利用目的・社内展開のしやすさを総合的に考えることが重要です。「自社に最適なプランの選び方」や「社内定着の進め方」に課題を感じているなら、ぜひSHIET AI for Bizが提供する法人向けAI研修をご検討ください。

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Google Workspaceの料金に関するよくある質問
- QGoogle Workspaceに無料版はありますか?
- A
Google Workspaceは完全な無料版はありません。ただし、14日間の無料トライアルが全プランで提供されています。個人利用であれば従来のGmailやGoogle Driveを無料で使えますが、独自ドメインのメールや企業向け管理機能は有料プランが必須です。
- QGoogle Workspaceは個人利用できますか?
- A
Google Workspaceは法人向けサービスですが、個人事業主やフリーランスでも導入可能です。独自ドメインのメールや大容量ストレージを使いたい場合には、Business Starterが低コストでおすすめです。
- QGoogle WorkspaceとMicrosoft 365、料金面でどちらがお得ですか?
- A
小規模利用ではMicrosoft 365の方がやや低価格ですが、ストレージ容量やAI機能込みのトータルコストパフォーマンスではGoogle Workspaceが有利です。自社の業務スタイルに応じて選ぶのがポイントです。
- Q導入時に追加でかかる費用はありますか?
- A
利用料以外に、初期設定・既存データ移行・社員教育・セキュリティルール整備などにコストが発生する場合があります。見落とされがちですが、これらの「隠れコスト」も含めて検討することも大切です。
- QGoogle Workspaceの料金は代理店経由とGoogle公式で違いはありますか?
- A
基本料金は同一ですが、代理店を通す場合はサポート費用や初期設定代行などが上乗せされることがあります。サポート体制を重視するなら代理店、コスト重視なら公式契約が適しています。
- QGoogle Workspaceは日本円での料金が固定ですか?
- A
料金は米ドル基準で設定されているため、円建ての場合は為替変動の影響を受けることがあります。導入検討時は最新のGoogle公式料金ページを確認しましょう。
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