今や生成AIは、文章・画像・音声・動画などさまざまな業務を効率化できる強力なツールとして注目を集めています。とはいえ「どのツールがよいのか分からない」「まずは無料で試したい」と感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、まず無料で試せる生成AIツールをジャンル別にわかりやすく整理し、業務で使えるかどうかの視点も交えてご紹介します。

商用利用の可否や出力品質、セキュリティ面など、無料ツール選定で押さえておきたいポイントをしっかりカバー。さらに、実務でのプロンプト例も紹介しながら、無料から始めて業務導入につなげるステップまで丁寧に解説します。

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無料の生成AIツールは業務に使える?

生成AIツールは日々進化しており、無料プランでも一定レベルの文章・画像・音声・動画生成が可能です。ただし、「無料だからどれでも使える」というわけではありません。業務で使うには、5つのチェックポイントがあります。

1. 商用利用が許可されているか
業務での利用を考えるなら、商用利用の可否は必ず確認しましょう。たとえば「Adobe Firefly」は無料でも商用利用が可能ですが、「CanvaのAI機能」には制限があるケースもあります。

2. 入力情報がAIの学習に使われないか
無料プランでは、入力した内容がAIの学習に使われることがあります。たとえばChatGPTの無料版(GPT-3.5)はデフォルトでプロンプトが学習データに活用される設定になっており、社内機密を入力するのは避けるべきです。

3. 無料プランの制限(回数・品質・機能)
出力回数・文字数・画像数などの上限や、モデルの種類に制限がある場合も。たとえば、Gemini無料版では高精度な生成は一部制限されていることがあります。

4. UI・日本語対応のしやすさ
英語UIや英語プロンプトが前提のツールもあります。実務で使うには、日本語対応や操作のしやすさも重要な要素です。

5. 有料プランへのスムーズな切り替え可否
いずれ業務導入を見据えるなら、有料プランが存在し、スムーズに切り替えられるかどうかもチェックポイント。API接続や法人契約が可能かも確認しましょう。

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目的別|まず試せる無料生成AIツール12選+比較表

ここでは、生成AIツールを「文章生成」「画像生成」「音声・音楽生成」「動画・プレゼン生成」のカテゴリに分けて、無料で試せる代表的なツール12種をご紹介します。あわせて、商用利用の可否・日本語対応・特徴などを比較表にまとめました。

文章生成AIツール

ChatGPT(Free版)|OpenAI

  • 利用モデル:GPT-3.5(無料)
  • 特徴:自然な対話形式、UIが直感的、日本語対応◎
  • 商用利用:原則OK(利用規約に準拠)

Claude(無料版)|Anthropic

  • 利用モデル:Claude 3 Sonnetなど(無料で高性能)
  • 特徴:長文に強く、業務文書生成に向く
  • 商用利用:可能(2024年時点)

Gemini(旧Bard)|Google

  • 利用モデル:Gemini 1.5(無料で高速)
  • 特徴:Google検索と連携、情報収集にも便利
  • 商用利用:OK(個人向け利用には注意)

画像生成AIツール

Adobe Firefly(無料)

  • 商用利用:OK(Adobe IDで使用)
  • 特徴:Photoshop連携可能、安心の著作権配慮

Bing Image Creator(DALL·Eベース)

  • 商用利用:利用規約により可
  • 特徴:シンプルな操作、日本語入力も対応

Canva AI(Magic Media)

  • 商用利用:無料プランでは一部制限
  • 特徴:テンプレート豊富、資料作成と相性◎

音声・音楽生成ツール

Suno AI(無料)

  • 特徴:数クリックで楽曲生成、歌詞も自動生成
  • 商用利用:無料版は非商用推奨(利用規約確認を)

AIVA(作曲AI)

  • 特徴:クラシック〜エレクトロまで対応
  • 商用利用:Freeプランは非商用、Proで商用可

動画・プレゼン生成ツール

Microsoft Designer(画像&SNS用動画生成)

  • 特徴:AI生成でバナー・SNS画像を簡単作成
  • 商用利用:Microsoftアカウント規約に準拠

Tome(AIプレゼンツール)

  • 特徴:ストーリーボード自動生成、日本語対応あり
  • 商用利用:利用規約により可

Pika Labs(AI動画)

  • 特徴:短尺動画やアニメ風クリップを生成
  • 商用利用:Freeプランは検証目的向け

【比較表:主な無料生成AIツール】

ツール名用途商用利用日本語対応特徴
ChatGPT Free文章OK業務チャットにも活用可
Claude Free文章OK長文出力が得意
Gemini文章OKGoogle連携が便利
Firefly画像OKAdobe製で著作権対応も安心
Bing Image画像条件付きシンプル操作で画像生成可能
Canva AI画像資料づくりと相性抜群
Suno AI音楽×楽曲生成が手軽
AIVA音楽×本格作曲AI
Designer画像/動画OKSNS向けコンテンツ生成に強い
TomeプレゼンOK資料作成が数分で完結
Pika Labs動画ショート動画生成に強み

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実務で使える!無料生成AIツールのプロンプト例集

無料でも、生成AIツールは実務のさまざまな場面で活用できます。ここでは業務シーン別に、すぐに試せるプロンプト例とともに、ツールの特性やおすすめの活用場面も解説します。

① 社内資料や提案書のたたき台づくり

(おすすめツール:ChatGPT / Claude)

ChatGPTやClaudeは、自然な文章生成と構成提案に優れており、ゼロから資料を作る際の「たたき台」として最適です。特にClaudeは日本語でも論理性の高い文章を出力する傾向があり、業務文書との相性も良好です。

プロンプト例
「中堅企業向けに、クラウド会計ソフトの導入を提案するパワポ資料の構成案を5ページ分作ってください。」

② 画像を使ったキャンペーンバナー制作

(おすすめツール:Canva / Adobe Firefly)

Canvaは直感的な操作でテンプレートを選びつつ、AI機能で画像や文言を自動生成できます。Adobe Fireflyはプロンプトベースで高品質な画像を生成でき、商用利用可なのも安心材料です。

プロンプト例(Firefly)
「白背景に緑の葉をあしらった、爽やかな夏のセールバナー画像を生成してください。」

③ 業務マニュアルの作成支援

(おすすめツール:Claude / Gemini)

複雑なフローや業務プロセスを、わかりやすく文章化するのに向いています。GeminiはGoogle Workspaceとの親和性が高く、ドキュメント化のスピードを一気に上げられます。

プロンプト例
「営業部の1日業務フローをマニュアル形式で説明してください。朝の朝礼から終業まで。」

④ 簡易なプロジェクトアイデア出し

(おすすめツール:ChatGPT)

アイデア出し・ブレストの初期段階では、ChatGPTのような発想支援系AIが便利です。「まず数を出す」「ざっくり方向性を探る」目的で使うと非常に有効です。

プロンプト例
「中小企業の営業効率を上げるためのAI活用施策アイデアを10個出してください。」

⑤ プレゼン資料の構成+デザイン

(おすすめツール:Tome)

Tomeは、ビジュアル重視のプレゼン資料作成に特化した生成AIツール。構成・見出し・デザインをまとめて提案できるため、短時間で整った資料を用意したいときに非常に便利です。

プロンプト例
「2025年度の営業戦略を役員向けに説明するプレゼン資料を10ページ構成で提案してください。」

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無料ツールを業務導入につなげるためのステップ

無料の生成AIツールは、手軽に試せる反面、「本格的に業務に組み込むにはどうすればいいのか?」と悩む方も多いはずです。ここでは、無料トライアルから社内活用を拡大するためのステップを具体的にご紹介します。

ステップ1:まずは個人で試して「用途」を洗い出す

無料ツールを使ってみることで、「何に使えるか/何に使えないか」が明確になります。
特に以下のような観点で、自分の業務との相性をチェックしましょう。

  • 実務で困っていた作業が代替できるか
  • 出力結果の品質や精度は十分か
  • 商用利用・情報管理の観点でリスクはないか

ステップ2:小さくチーム内で共有する

個人での有効性が確認できたら、次は小規模に展開します。
たとえばSlackやTeamsで「試してみたTips」を共有したり、成果物(たたき台資料など)を例として見せるのがおすすめです。

⚠️注意:この段階では、情報漏洩リスクに注意し、社外秘の内容は扱わないことが鉄則です。

ステップ3:社内での正式利用を見据えて検討する

無料ツールを起点に、以下の観点で本格導入の是非を検討します。

  • 有料プランや法人向け契約はあるか
  • セキュリティ要件(SSO、ログ管理など)を満たせるか
  • 社内のAIリテラシーや教育体制はどうか

このフェーズでは、「無料のままで続ける」よりも「無料で見えた可能性を、どう社内全体に広げるか」が問われます。

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【実践5ステップ】生成AI導入をプロジェクト化し、社員を巻き込む方法を徹底解説

ステップ4:教育・ルール整備とともに業務活用へ

無料から本格導入に進む企業が、最初につまずきやすいのが「使い方のバラつき」と「ルールの未整備」です。
以下のような対応が有効です。

  • 部署ごとにガイドラインやプロンプト例を整備
  • eラーニングやAI研修の導入
  • 利用ログの取得やセキュリティルールの明文化

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まとめ|無料生成AIツールは「まず試す」ことで活路が見える

生成AIツールは、無料でも十分に業務で試せるレベルに進化しています。
ChatGPTやClaudeを使った資料作成、CanvaやFireflyでの画像生成など、用途に応じた選択が可能です。

無料プランだからこそ、導入ハードルが低く、「まず試す」ことで自社に合うかどうかを判断できるのが魅力。
逆に、ツールごとの制限やセキュリティ、商用利用の可否などは、導入前にしっかり確認すべきポイントです。

「どこまで無料でできるのか」「本格導入につなげるには何が必要か」など、不安がある場合は、法人向けの支援資料を活用するのも有効です。

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Q
無料プランはどこまで使ってよいのでしょうか?
A

各ツールごとに「使用回数」「生成文字数・画像数」などの制限があります。例えばChatGPT無料版はGPT-3.5のみ利用可能、Adobe Fireflyは1か月で生成数に上限ありなどです。用途に応じて「まず試す」には十分ですが、本格運用には有料版の検討が必要です。

Q
 商用利用や著作権について注意すべきことは?
A

無料プランでも商用利用を許可しているツールはありますが、すべてではありません。たとえばAdobe Fireflyは商用利用可ですが、Canva AIの一部機能には制限があります。利用前に必ず各サービスの利用規約を確認しましょう。

Q
セキュリティ面での懸念はありませんか?
A

 無料版では「入力データが学習に使われる」設定がデフォルトの場合があります。たとえばChatGPT無料版ではプロンプトがOpenAIの学習に利用されることがあります。社外秘情報を入力する前に、セキュリティ方針や学習オプトアウト機能の有無を確認しましょう。

Q
無料で始めて有料に切り替えるタイミングの目安は?
A

「社内で使いたい機能に制限がある」「生成物の品質や量が物足りない」と感じたときが切り替えの目安です。また、社内共有やAPI連携、セキュリティ強化が必要になったときも、有料版を導入する好機といえます。

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